香港映画レビュー&解説「縁路はるばる 僻地へと向かう 緣路山旮旯 Far Far Away」

緣路山旮旯 Far Far Away

縁路はるばる - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

 

【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】 

 

 

縁路はるばる 僻地へと向かう 緣路山旮旯縁路はるばる


www.youtube.com 《緣路山旮旯》FAR FAR AWAY 正式預告片 Official Trailer|不日浪漫獻映


www.youtube.com 映画『私のプリンス・エドワード』『縁路はるばる』予告編

 

 

 

【スタッフ & キャスト】

2022年 香港 95分
監督:黃浩然(アモス・ウィー)
出演:岑珈其(カーキ・サム/シャム)蘇麗珊(シシリア・ソー)張紋嘉(クリスタル・チョン)梁雍婷(レイチェル・リョン)陳漢娜(ハンナ・チャン)余香凝(ジェニファー・ユー)

 

 

 

【あらすじ】

28歳のITオタク・ハウ【岑珈其(カーキ・サム/シャム)】は平凡だが温厚な内向的な性格。ある日突然、それぞれ個性の異なる5人の魅力的な女性と知り合うチャンスを得る。しかし5人の女性たちはみんな、「都会から離れた僻地に住んでいる」いう一風変わった共通点があった。ハウは彼女たちに会うために、香港中を旅することになる・・・

新世代香港映画特集2023より

 

 

【感想】

良い意味で軽く見れるのだが、香港らしさが細かいところまで詰まっていて、今の新しい香港映画の潮流を最も体現していると言える、とても面白い映画だった。

ストーリー自体はシンプルだし描き方も穏やかで、流して見れば退屈と思われるかもしれない。だが細かなディテールを丁寧に積み重ねたエンタメ作品に仕上げてあって、いつまでも余韻が残る。

 

縁路はるばる 僻地へと向かう 緣路山旮旯

 

この映画の魅力は、なんといっても彼が向かう場所だ。5人の女性の住むところに向かうのだが、沙頭角や、流浮山、大澳などと、どこも日本人が思いそうな"香港"らしさからかけ離れた、驚くほどの僻地。どこまで行くの〜と思わせる、船で行く田舎の漁村であったり、ハイキングの果てにようやくたどり着く山村であったり、とにかく香港映画を見ているとは思えない風景がたくさん出てくる。

かといってその地をじっくり描くのではなく、それこそ日帰りで行く観光みたいなノリで描いている。実は僻地とはいえ香港の中なので日帰りは可能なのだ。毎回えっちらおっちらと出かけて行き、不思議な場所で初対面の女性とぎこちなく話し、夜にはもういつもの"香港"、いつもの自分に戻っている。この軽い感じが面白い。

 

縁路はるばる 僻地へと向かう 緣路山旮旯

 

トレンディというのでもなく、もっと自然なノリがいい。主人公の垢抜けない穏やかなキャラも、友人との3人のやり取りも、それぞれの女性との別れ方もすべて自然だし嫌味がなくて見やすい。音楽も、挿入歌の顏培珊「早晨」のようにシティポップ風味の選曲が良かった。

「流水落花(2022)」「6人の食卓(2022)」「香港ファミリー(2022)」、少し前だと「淪落の人(2018)」など(多くは首部劇情電影計画*1によるものが多い)、カンフーもあの街並みもド派手な爆発もハイテンポなやり取りもない、こういう香港映画は去年あたりからより一層目立つようになってきた。でも決してアート映画であったり重いテーマを胸元に突きつけるだけの骨太な映画ではない。本作の様に軽やかでエンタメで、でも香港だからこそ描ける事を描くそういう映画が面白い。

今作は正にそういう新しい流れの王道をいく作りで、質も高くて、香港の人々の評価が高かったのも納得だ。

 

香港映画レビュー「流水落花 Lost Love」 - daily diary

香港映画レビュー「6人の食卓 飯戲攻心 Table For Six」 - daily diary

香港映画レビュー「香港ファミリー 過時·過節 Hong Kong Family」 - daily diary

香港映画レビュー「淪落の人 みじめな人 淪落人 Still Human」 - daily diary

 

縁路はるばる 僻地へと向かう 緣路山旮旯

 

 

 

【トピック】

◯ 2021年11月14日に香港アジア映画祭でのクロージング作品としてワールドプレミア。2022年8月4日に香港で一般公開。
MIRRORのメンバーが出演する「ママの出来事(2022)」や大ヒット作「未来戦記(2022)」などが同時期に公開の中、公開2週目には興収ランキングで4位、3週目には2位にまで食い込んだ。興行収入は1070万香港ドル(2.0億円)に達した。

 

◯ 日本では、香港での一般公開より先に大阪アジアン映画祭にて2022年3月10日から公開。その後、同年5月19日からの新世代香港映画特集でも上映された。

www.oaff.jp

enro.myprince.lespros.co.jp

 

◯ 発売されたBlu-ray盤には限定版として人気のプロジェクト奶茶通俗學 Milktealogyとのコラボパッケージが発売された。
これは主人公・邱志厚(ハウ)の開発したアプリ名「外賣仔 Takeaway Boy」が奶茶通俗學の人気キャラを引用していたところからの繋がりだ。
ちなみに「外賣仔=出前人」といえば周星馳(チャウ・シンチー)監督「最強の出前人(1994)」も連想される。

縁路はるばる 僻地へと向かう 緣路山旮旯

milktealogyj.buyshop.jp

 

 

 

◯ 監督の黃浩然(アモス・ウィー)は、2000年ころから香港電台の元でドキュメンタリーや短編を制作していたが、初監督作「点対点(2014)」が香港金像奨新人監督賞にノミネート。本作にも出演の蘇麗珊(シシリア・ソー)が主演した第二作「逆向誘拐(2018)」を経て本作を監督。昨年最新作の「全世界どこでも電話(2023)」が公開された。

黃浩然(アモス・ウィー)



 

岑珈其(カーキ・サム/シャム)

◯ IT関連企業に勤務していてスマホアプリを開発している邱志厚(ハウ)。香港東部のニュータウン、将軍澳に住んでいる。

サイクリングと犬とカフェで将軍澳は花ざかり、そこはわたしの知ってる香港じゃなかった!/ Hello From Editor - 香港で暮らす編集者が送るカルチャー、イベント情報 HONG KONG LEI

◯ 岑珈其(カーキ・サム/シャム)は俳優で歌手。子供の頃に見た劉德華(アンディ・ラウ)の「フル・スロットル/烈火戦車(1995)」を見て俳優になる事を決意。17歳で映画出演を果たし、その後も香港電台を中心に数多くのドラマに出演した。
さらに演劇の機会をもっと作るために4人の演劇ユニット・Playtimeを作るなどの活動をしていたが、香港野球チームを描いた「最初の半歩(2016)」や、陳詠燊(サニー・チャン)監督のヒット作「逆流大叔(2018)」に出演、ViuTVのヒットドラマ「IT狗(2022)」では本作に友情出演の陳湛文(チャン・チャームマン)と共演している。
日本では今作と一緒に公開された「私のプリンス・エドワード(2019)」や、今作と興収ランキングを争った「ママの出来事(2022)」、そしてこの年末に公開された梁朝偉(トニー・レオン)&劉德華(アンディ・ラウ)主演の「金手指(2023)」と、多くの人気作に出演している。

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蘇麗珊(シシリア・ソー)

◯ 邱志厚(ハウ)の同僚、A Lee(エイリー)。香港北東部、深圳との境にある沙頭角に住んでいる(この地域は許可証を所有しないと入れない禁区が設定されている)。

『禁区・沙頭角に入る(1)』香港(香港)の旅行記・ブログ by 香港大好きさん【フォートラベル】

◯ 蘇麗珊(シシリア・ソー)は1992年生まれで2011年頃からモデルとしてオリンパス・ネスレポカリスエットなどのCMに出演。その後演技の世界にも進出し、初出演の楊千嬅(ミリアム・ヨン)主演「私たちが飛べる日(2015)」で台湾金馬奨・香港金像奨で新人賞にノミネートされる。
新型コロナが始まる直前の2019年からアメリカに演技のために留学。主な出演作は主演作「逆向誘拐(2018)」「棟篤特工(2018)」などがある。

蘇麗珊

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香港「禁区」開放、中国と自由に行き来 「昔の田舎町」オーバーツーリズムに懸念(共同通信) - Yahoo!ニュース



 

 

張紋嘉(クリスタル・チョン)

◯ 友人のいとこ、戴花花(ファファ)は幼稚園の教師をしている。北部元朗の更に奥にある漁師町、美しい夕日で知られる流浮山に住んでいる。

『香港★元朗へ行こう1 牡蠣の養殖で有名な流浮山 ~歓樂海鮮酒家~』香港(香港)の旅行記・ブログ by 熱帯魚さん【フォートラベル】

◯ 張紋嘉(クリスタル・チョン)は3人組音楽グループ「HotCha」の元メンバー。グループ在籍時から俳優活動もしていたが、解散後もソロで歌手・俳優として活動していて、上の蘇麗珊(シシリア・ソー)が主演した「逆向誘拐(2018)」の挿入歌も歌っている。主な出演作は映画「点対点(2014)」や、香港版おっさんずラブ「大叔的愛(2021)」など。

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梁雍婷(レイチェル・リョン)

◯ Mena(ミーナ)は資産運用で生活している。香港国際空港の更に西、大嶼山(ランタオ島)西部の漁村、大澳(タイオー)に住んでいる。
大澳は「いますぐ抱きしめたい(1988)」「宵闇真珠(2017)」の舞台でもある。

[香港]ランタオ島にある大澳(タイオー)は、人々が棚屋で生活するのどかな漁村。100年以上続く伝統的儀式を継承する村だった。

◯ 梁雍婷(レイチェル・リョン)は「どこか霧の向こう(2017)」での猟奇的な少女を演じて香港金像奨新人賞ノミネート。
名匠陳木勝(ベニー・チャン)の遺作アクション「レイジング・ファイア(2021)」などにも出演しているが、特に本作以降の最近は「流水落花(2022)」「燈火(ネオン)は消えず(2022)」「白日の下(2023)」「年少日記(2023)」と立て続けに香港新世代の映画に出ていて、今後が注目の俳優だ。

香港映画レビュー「レイジング・ファイア 怒火 Raging Fire」 - daily diary

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陳漢娜(ハンナ・チャン)

◯ 邱志厚(ハウ)の中学時代のマドンナ、Lisa(リサ)。現在は芸術村で美術家をしていて、深圳との境近くの沙頭角から更に山奥、文化保存地区である荔枝窩(ライチーウォー)に住んでいる。

『2022年5月:香港で秘境気分を味わえる?荔枝窩とその周辺の村巡り[香港:荔枝窩-蛤塘-梅子林]』香港(香港)の旅行記・ブログ by エッグタルトさん【フォートラベル】

◯ 陳漢娜(ハンナ・チャン)はモデルで女優だが硬派な作品にも出演しており、デビュー作の「SPL 狼たちの処刑台(2017)」で金像獎最優秀新人賞を受賞したほか、「G殺(2018)」「逃獄兄弟(2020)」などに出演。また下記の余香凝(ジェニファー・ユー)と同じく「四十四にして死屍死す(2023)」にも出演している。

香港映画レビュー「四十四にして死屍死す 死屍死時四十四 Over My Dead Body」 - daily diary

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余香凝(ジェニファー・ユー)

◯ 大学の同期、Melanie(メラニー)も大嶼山(ランタオ島)の更に不便になる南側、澄碧村に住んでいる。

◯ 本作で台湾金馬奨や香港金像獎で助演女優賞にノミネートされた。
廖子妤(フィッシュ・リュウ)と共演した「姉妹関係(2016)」で香港金像獎新人賞ノミネート。また上記の陳漢娜(ハンナ・チャン)と同じく「四十四にして死屍死す(2023)」にも出演している。

香港映画レビュー「四十四にして死屍死す 死屍死時四十四 Over My Dead Body」 - daily diary

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黃溢濠(ウォン・ヤッホー)

◯ 高校時代の友人で「茶果嶺三劍俠=茶果嶺三銃士」のひとり、羅子榮。九龍・觀塘地区にある村、茶果嶺に住む。

『中秋節絡めて香港♪ マジレトロ、時が止まった榮華冰室と茶果嶺散歩』香港(香港)の旅行記・ブログ by すーさん【フォートラベル】

黃溢濠(ウォン・ヤッホー)は岑珈其(カーキ・サム)が作った4人の演劇ユニット・Playtimeのメンバーでもある。14歳の時に映画「圍城(2008)」に出演。いくつかのドラマに出演する他、陳奕迅(イーソン・チャン)の「是但求其愛(2020)」や林家謙(テレンス・ラム)「下一位前度(2019)」などのMVに出演している。
映画「星くずの片隅で(2022)」にも出演している。

香港映画レビュー「星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)The Narrow Road」 - daily diary

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柯煒林 ( ウィル・オー ) 

◯ 高校時代の友人「茶果嶺三劍俠=茶果嶺三銃士」のもうひとり、黄大同

◯ 柯煒林(ウィル・オー) は今作主演の岑珈其(カーキ・サム/シャム)と共演した、香港野球チームを描いた「最初の半歩(2016)」で知られるようになった。映画では周潤發(チョウ・ユンファ)主演「別叫我「賭神」(2023)」、梁朝偉(トニー・レオン)&劉德華(アンディ・ラウ)主演の「金手指(2023)」、ViuTVドラマ「三一如三(2016)」「二月廿九(2020)」などに出演している。

縁路はるばる 僻地へと向かう 緣路山旮旯

茶果嶺の有名な茶餐廳、榮華冰室で撮影されている

www.openrice.com





 

 

「6人の食卓(2022)」などで知られる陳湛文(チャン・チャームマン)が上司役で友情出演している。

香港映画レビュー「6人の食卓 飯戲攻心 Table For Six」 - daily diary

香港映画レビュー「飯戲攻心2 Table For Six 2」 - daily diary

縁路はるばる 僻地へと向かう 緣路山旮旯

 

 

 

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*1:詳しくは「流水落花」の記事を参照

香港映画レビュー&解説「流水落花 Lost Love」

流水落花 Lost Love

流水落花 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

 

 

【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】 

 

 

流水落花


www.youtube.com 《流水落花》正式官方預告 | Lost Love - Official Trailer

 

 

 

【スタッフ & キャスト】

2022年 香港 92分
監督:賈勝楓(カー・シンフォン)
出演:鄭秀文(サミー・チェン)陸駿光(アラン・ロク)談善言(ヘドウィグ・タム)

 

 

 

【あらすじ】

陳天美(ティンメイ)【鄭秀文(サミー・チェン)】と何彬(バン)【陸駿光(アラン・ロク)】夫妻は養育里親として様々な背景の子供たちを受け入れてきた。
他人になかなか心を開かないサム、離婚した両親から育児放棄されたチェン、口蓋裂で自分に自信を持てずにいるファー、心優しいミン、大人を信じられなくなっているガーヘイとガーロンの姉弟、大学生になってもティンメイの家に留まりたいというチョンハン。
里子たちと暮らす二人に少なからぬ試練が降りかかる。第三者が現れることで亀裂の入った夫婦の心が、事件と時を経て信頼を取り戻し、幼くして我が子を失くした深い悲しみに対峙し乗り越えていく。何十年と変わらぬ風景の中を散歩するティンメイだったが、別れの時が突然訪れる。

OAFF2023より

 

 

 

【感想】

養子縁組ではなく里親になるという、より深い愛情が求められる仕事をすごく分かりやすく描いてある。
それと同じくらい、イメージの香港とはまるで違う、穏やかな自然溢れる郊外の香港を描いた、何層にも魅力が重なった素晴らしい映画であった。

たぶん皆が最初に惹きつけられるのは、舞台である香港北部・錦田ののどかな夏の風景だ。山の峰々が遠くに見え、小川にかかった橋を渡ってたどり着く夫婦の家。子供を連れて歩く林を抜ける小径。とても香港とは思えない、素晴らしい風景が舞台となっている。ちょっと日本の郊外の様でもあって、彼らの求めている価値観に親近感が湧いてくる。「縁路はるばる(2021)」など、ここ最近の香港映画でこういう新しい風景を描いている作品が増えているのも新鮮な驚きだ。

 

流水落花

 

養子や血の繋がっていない親子を描いた映画は過去にも色々あるが、里親制度を扱ったこの映画を見ていて湧いてくる感情は、たぶんそれらとはかなり違う。

筆者は過去に養子縁組を検討した事があり、その際に里親制度も一緒に検討した。だがこの2つは完全に似て非なる制度で、そもそも比較するようなものでは無かった。
日本も香港も、里親制度は期間限定のものというのが大前提で、陳天美(ティンメイ)と何彬(バン)も直面したように、里親としてどれほど愛情をかけられたとしても、親になる事はできない。
里親を必要とする子供は間違いなく存在する。そうした子供たちにとって、これは大変に大変に大事な役目なのはわかる。だが同時に、里親役にとっては相当に難しい仕事だろうと感じた。いつか出ていくであろうこの子を親身になって世話をし、次の子にも同じだけの愛情をキープし続けるのは、並大抵の事ではない。
特に、彼らのように、自分たちの子供の喪失という経験を経た身には、里親制度の"愛情のコントロール"が必要な役割は、時にあまりにも酷で、時にはそれが地獄のようなルールに思えてしまうんじゃないかと…そう思えてしまう(繰り返すが絶対にこの制度は必要な前提だ)。筆者だって、結果的に里親になっていない。

そんな思いでこの映画を見ていると、これほど悩んでいたとしても、それでも止める事なく里親であり続けたこの夫婦を尊敬するしかない。一方で、どうして里親になる事を選択したのだろうと、聞いてみたい気持ちにもなった。

 

流水落花

 

重いテーマだが、92分とタイトに仕上がっているし、なによりもどの子たちも本当にかわいい。たとえば、自信のなかった運動会で顔を上げて一生懸命に走る小花(ファー)の、その後の陳天美(ティンメイ)がじっくり抱きしめてあげるシーンとか、本当は一人ずつの良いシーンを挙げてあげたいほど何度でも見直したくなる。
もちろんどの子にも里子になるだけの辛い事情があるのだが、一方で陳天美(ティンメイ)と何彬(バン)の夫婦も、里親として一からのスタートだ。いろんなトラブルがあり、決していつでもウェルカムな家庭環境を維持できる訳ではない。特に鄭秀文(サミー・チェン)の演じる陳天美(ティンメイ)は、想いを抱えたまま常にほんのりと不機嫌さを漂わせていて、難しいキャラクターだ。

ベランダに出て一息つくシーンが何度か出てきて印象に残る。時に陳天美(ティンメイ)ひとりであったり、時に子どもとただ会話もなくアイスを食べるだけだったりする。そうやってあの外の素敵な風景を視界に取り込んで、ついつい子どもと向き合うだけの狭い視野に入り込んでしまうのをリセットさせているように見えて、いい。
本作ではエピソードをドラマチックに描くより、むしろ年代記的に長いスパンで描いている。一瞬一瞬はたぶん濃厚であっただろうけど、年老いてそれぞれの里子を俯瞰して思いを馳せるその気持ちを想像させてくれたのも、またいい手法だなと思える。

いわゆる"香港映画らしさ"からは一線を画していて、でも間違いなく素敵な映画であった。

 

流水落花

 

 

 

【トピック】

◯ 2022年11月13日に香港アジア映画祭でワールドプレミア。2023年3月2日に香港で一般公開された。興行収入は732万香港ドル(1.4億円)。

 

◯ 日本では2023年3月10日から大阪アジアン映画祭にて公開された。

www.oaff.jp

 

◯ 今作で鄭秀文(サミー・チェン)が過去10度のノミネートの末、遂に香港金像奨主演女優賞を受賞。自身の歌う主題歌も歌曲賞を受賞した。

 

◯ 本作は香港電影発展局によって定期的に行われる、首部劇情電影計画という新人監督発掘オーディションによって800万香港ドル(15億円)の援助を受けて制作された。
同様の支援により制作された映画は「毒舌弁護人(2023)」「四十四にして死屍死す(2023)」「燈火(ネオン)は消えず(2022)」「逆流大叔(2018)」「ランアウェイ 香港脱出(2017)」「ミッドナイト・アフター(2014)」「The Way We Dance -狂舞派-(2013)」などがある。

 

◯ タイトルの「流水落花」は9世紀中国,唐末の節度使であった高駢 (こうべん)による漢詩「訪隠者不遇詩」の一節から。

散る花と流れいく水という意味。落花は流れに身をまかせたいと願い、水は落花を流れに乗せたいという気持ちがあるということから、転じて、男女の一方に相手を思う気持ちがあれば、相手にも同じ気持ちが生まれ、したいあう気持ちが通じるものであるということをたとえていう。

落花流水 imidas - イミダスより

 

◯ 監督の賈勝楓(カー・シンフォン)は大学卒業後、旅行やカルチャーのライターをしながら何本かの短編やドキュメンタリーを制作していた。本作が初の長編監督作品となる。なお脚本の羅金翡は妻である。


www.youtube.com 《飛往父親的鳥》A Bird Goes By 第十三屆鮮浪潮國際短片節(本地競賽短片)

 

 

ロケ地

◯ 冒頭から登場する小橋は、北部新界にある元朗の東側、錦田にあり、ロケ地として既にGoogle mapに登録されている。林村郊野公園となっている鶏公嶺の山々を望む風景が美しい。

 

 

 

鄭秀文(サミー・チェン)

◯ 陳天美(ティンメイ)。3歳の子供を亡くし、里親になる事を決意した。

◯ 鄭秀文(サミー・チェン)は今作で、過去10度のノミネートの末、遂に香港金像奨主演女優賞を受賞。自身の歌う主題歌も歌曲賞を受賞した。
歌手として絶大な人気を誇る一方、俳優としても数多くの名作に出演している。
歌手として、「值得(1996)」「終身美麗(2001)」「一步一步愛(2010)」「信者得愛(2010)」「不要驚動愛情(2010)」などの大ヒット曲を送り出し、既に40枚以上のアルバムを発表しており、10回以上香港コロシアム(紅磡香港體育館)での単独ライブを開催している。
映画出演は名作「インファナル・アフェア(2002)」Iとをはじめとした「ダイエット・ラブ(2001)」などのアンディ・ラウとの共演作品のほか、關錦鵬(スタンリー・クワン)監督による「長恨歌(2005)」「名探偵ゴッド・アイ(2013)」「インスタント・ファミリー(2014)」「花椒の味(2019)」などがある。彭昱畅(ポン・ユーチャン)主演の中国映画「僕らが空を照らしたあの日(2021)」に、本人役としてゲスト出演している。

中国映画レビュー「僕らが空を照らしたあの日 燃野少年的天空 The Day We Lit Up The Sky」 - daily diary

流水落花

 

 

 

陸駿光(アラン・ロク)

◯ 陳天美(ティンメイ)の夫、何彬(バン)。

◯ 陸駿光(アラン・ロク)は、ドラマ「導火新聞線(2013)」や香港電台「火速救兵 シーズン4(2018)」「獅子山下 2017之尋找家的鑰匙(2017)」などの出演で知られ、その後映画「G殺(2018)」にも出演している。

流水落花

 

 

談善言(ヘドウィグ・タム)

◯ 里親団体の職員・莫姑娘(モーさん)

◯ 1990年生まれ。方力申(アレックス・フォン)や余文楽(ショーン・ユー)、蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)などを輩出した人気ドラマ、Y2Kシリーズのひとつ「DIY2K(2012)」で人気になる。香港野球チームを描いた「最初の半歩(2016)」で香港金像奨新人賞にノミネート。「小男人週記3之吾家有喜(2017)」「告別之前(2017)」などに出演した後、楊偲泳(レンシ・ヨン)とのLGBT映画「はじめて好きになった人(2021)」で大阪アジアン映画祭ABCテレビ賞を受賞した。「香港ファミリー(2022)」にも出演している。

香港映画レビュー「香港ファミリー 過時·過節 Hong Kong Family」 - daily diary

流水落花

 

 

 

黃慧君(アーファー・ウォン)"花姐"

◯ ティンメイが自家製の菊花茶を置かせてもらっている、雑貨店の奥さんとして特別出演している黃慧君(アーファー・ウォン)"花姐"は、Viu TVのプロデューサーとして大人気アイドルグループMIRRORERRORを作り上げ、彼らのマネージャーに就任した有名人。ERRORのMV「殺死我的經理人(feat.花姐) 」にも出演している。

流水落花

 

◯ その他、スクールバスの運転手役に谷祖琳(ジョー・コク)、育児放棄し、問い詰められると金を渡す菁菁(チェン)の母親役として上記「縁路はるばる(2021)」にも出演の梁雍婷(レイチェル・リョン)が特別出演している。

 

 

里子となった子どもたち

◯ 母が薬物中毒となり愛情を受けてこなかった張文森(サム)

流水落花

 

◯ 離婚した両親から育児放棄され祖母と暮らしていた菁菁(チェン)

流水落花

 

◯ 口蓋裂で自分に自信を持てずにいる小花(ファー)

流水落花

 

◯ 夫婦の雰囲気が悲惨な状態でもこらえる、優しい譚俊明(ミン)

流水落花

 

◯ 大人を信じられなくなっている李家希(ガーヘイ)と李家朗(ガーロン)のやんちゃな姉弟

流水落花

 

◯ 大学生になってもこの家にいたいと言う仲恆(チョンハン)

流水落花

 

◯ 陳天美(ティンメイ)と何彬(バン)の子で、三歳の時にこの世を去った何志滔。

流水落花

 

 

 

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香港映画レビュー&解説「星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)The Narrow Road」

窄路微塵(きょうろみじん)The Narrow Road

星くずの片隅で - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

 

 

【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】 

 

 

星くずの片隅で 窄路微塵星くずの片隅で 窄路微塵


www.youtube.com 窄路微塵|正式預告Official Trailer|張繼聰 袁澧林 區嘉雯 朱栢康 董安娜 12月22日 沿路相依


www.youtube.com 映画『星くずの片隅で』予告編2023.07.14 RoadShow

 

 

 

【スタッフ & キャスト】

2022年 香港 115分
監督:林森(ラム・サム)
出演:張繼聰(ルイス・チョン)袁澧林(アンジェラ・ユン)區嘉雯(パトラ・アウ)朱栢康(ジュー・パクホン)、董安娜(トン・オンナー)、朱栢謙(ジュー・パクヒム)

 

 

 

【あらすじ】

停滞する経済や人口流出により厳しい状況にある香港に、新型コロナウイルスの流行が襲いかかる。清掃会社を経営するチャク/ザク【張繼聰(ルイス・チョン)】は、仕事が減り、消毒液が不足するなか、会社の維持に苦労している。
盗みを働いて生きのびてきたシングルマザーのキャンディ【袁澧林(アンジェラ・ユン)】は、娘のためにまともな金を稼ごうと、チャク/ザクの下で仕事をするようになる。二人は徐々に絆を深め、会社を軌道に乗せていくが、キャンディのかつての悪習がすべてを危うくする。

OAFF2023より

 

 

 

【感想】

香港のコロナ禍、なかでも最も影響を受けた低所得層を描いている。だがその手法は静かで丁寧で、真綿の様に彼らの首を締めていった事が観客にも伝わってくる、苦しくも良い映画であった。

最初、コロナ禍を描いた映画だという程度の認識で見始めたら、やはりオープニングは防護服を着て消毒作業のシーンで始まって、香港でのお仕事映画的な雰囲気になっていく。主人公のチャク/ザク【張繼聰(ルイス・チョン)】は、店舗や厨房の消毒だけでなくアパートでの孤独死などの特殊清掃とか何でも引き受けているようで、事務所も貧相で、かなり零細な業者なのかなと想像される。そんな彼は黙々と、だが倦怠感とともに仕事を片付けていく。

 

星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)

 

香港でのコロナ禍は、2003年のSARSで多くの犠牲者を出した経験もあり、当初からセンシティブに対応していたが、日本と同じかそれ以上に大変な状況下での香港が描かれている。多くの場面が夜であり、人も少ない。孤独な状況だが、チャク/ザクだけの仕事の場面では、ある意味で独り身ゆえの気楽さみたいな部分も感じるところであった。

そんな所にやって来た1人の若い女がキャンディ【袁澧林(アンジェラ・ユン)】。だが、なぜか小さな娘がおり、なぜか職探しに苦労しており、という少し怪しげな感じだが、彼から仕事をもらう事になる。彼も最初はあまり信用はしていないが、少しずつ実情を知り、少しずつ見過ごせなくなり、段階を踏みつつ、そうやってシングルマザーの現実がいかに過酷なのかを少しずつ知らされていく。ここら辺の描き方がとても良い。
たとえばコンビニに親子がいる事を発見し、それもアイスクリームを万引きしているところを、店外から発見してしまう場面。さりげなくその場を凌ぐけれど、どうにも残るしこりが、こういう場面の積み重ねで少しずつ大きくなっていく。
胸に迫りつつ決して声高では無く、だから観客が自発的に「あ、この親子はどうもギリギリだぞ」という兆候を発見してしまうのだ。その"ギリギリ"とはシングルマザーゆえの不安定な境遇の事で、以前なら回避できていたのに、コロナ禍での失業で一気にバランスを失ってしまった人々だ。まっさきに助けられるべき人なのに、見つけられる事もなく沈んでいく人々。
銅鑼灣や尖沙咀みたいに派手で綺麗ではなく、深水埗のような、雑多な街なかで目にする人々の風景と、チャク/ザクやキャンディの人となりが重なってくる。

 

星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)

主人公を演じた張繼聰(ルイス・チョン)を普段よく見ている人ほど、今作での彼の穏やかだが倦怠感のある演技はギャップがあって、とても印象的だろう。もっとひょうきんで活発な印象な彼だから、余計に状況の深刻さが伺えてくる。

音楽も素晴らしい。アコースティックの弦楽器の音楽が使われているのだが、ギターでは無いバンジョーの音色、フレーズも古楽の様な民族音楽的な曲なのだ。たとえば先に挙げたアイス万引きのシーンでは、盗んだところから曲が歪み始めるなど、細やかな使われ方がされている。エンディング曲などは空気公団を思わせて、それも良かった。

最近、たとえば「流水落花(2022)」「縁路はるばる(2021)」 のような、少し前までの香港映画ではあまり表に出てこなかったような、社会の端を照らすような作品がきちんと評価され始めているのを感じる。予算がかかってなくともこうした新しい視点を持った作品たちがどんどんと生まれ、しかもどれも出来が良い。この映画も、そんな新しい香港映画の筆頭に立つ一本だと感じた。

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【トピック】

◯ 2022年12月22日に一般公開。公開2週目の興収ランキングは3位。最終的な興行収入は846万香港ドル(1.6億円)。

◯ 日本では2023年3月10日からの大阪アジアン映画祭コンペティション部門で「窄路微塵(きょうろみじん)」のタイトルで公開。同年7月14日から「星くずの片隅で」と改題されて全国一般公開された。

www.oaff.jp

hoshi-kata.com

 

◯ 本作は台湾金馬奨で音楽賞受賞&2部門ノミネート、香港金像奨でも音楽賞受賞&9部門ノミネートされた。

黃衍仁によって制作された劇伴と主題歌。歌っている611という名の女性歌手は当時エジプトを"放浪"していたので、現地で録音したそうだ。
黃衍仁は映画「香港の流れ者たち(2021)」の劇伴も担当している。


www.youtube.com 《在路上》|電影《窄路微塵》主題曲 Lyric MV

 

◯ ロケ地は、母親の住居が石硤尾の公団住宅、土瓜湾(トゥ・クワ・ワン)や赤柱廣場(スタンレープラザ)などである。

香港魂: 降りてみたくなる駅~石硤尾

カラフルな建物群は必見!土爪灣へは開発が進む前に行くべし | OLコムギの週末弾丸旅ブログ

【赤柱】香港のおしゃれな観光地スタンレーに行ってきた: 深セン・香港の観光旅行生活情報局

 

キャンディが万引きをするセブンイレブンは紅磡・佛光街にある。

 

 

◯ 香港でのコロナ禍は、2003年のSARSで多くの犠牲者を出した経験もあり、当初からかなりセンシティブに対応していたが、一方で国際都市ゆえに2021年後半のオミクロン株以降は感染者数が中国でも最も多い地域となってしまい「コロナを中国へ持ち込む入口」というレッテルを貼られるような状況であった。規制も日没後の店内飲食禁止や2名以上の集会禁止、マスク着用義務などもあり、さらに21年以降はビル封鎖や強制検査も実施を始めるなど、日本と同じかそれ以上に大変な状況であった。

 

 

◯ 監督の林森(ラム・サム)は、ドキュメンタリーなどを撮影していたが、2017年に制作会社mm2による新人監督計画に応募し入選。今作を初長編監督する事となった。先に日本で公開された作品に、共同監督として2019年香港デモにまつわる若者を描いて香港上映禁止となった「少年たちの時代革命(2021)」がある。

星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)

www.ridai-shonen.com

 

 

 

張繼聰(ルイス・チョン)

◯ ピーターパンクリーニングをひとり切り盛りする陳漢發/窄哥(チャク/ザク)。

◯ 子役から俳優のキャリアを始めた張繼聰(ルイス・チョン)も多くの作品に出演している。パトリック・タムと同じく「イップ・マン 継承(2015)」「L風暴(2018)」「P風暴(2019)」などの風暴シリーズ、「逃獄兄弟(2020)」からの投獄兄弟シリーズ、郭富城(アーロン・クォック)、梁朝偉(トニー・レオン)主演の「風再起時 (2023)」、大ヒット作「6人の食卓 飯戲攻心(2022)」とその続編「飯戲攻心2(2024)」にも出演している。
本作で台湾金馬奨&香港金像奨の主演男優賞にノミネート。また歌手としても広く知られている。

星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)

星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)

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袁澧林(アンジェラ・ユン)

◯ シングルマザーのキャンディ。

◯ 1993年生のモデル、俳優。2015年にレストラン美心MXなどで知られる美心食品お正月広告で注目を集める。その後もモデルとしてマクドナルド香港Beautylaboボシュロムなど多くのCMに出演。
アーティストMVもDear Jane「哪裡只得我共你(2016)」、林峯(レイモンド・ラム)の「不計前嫌(2021)」、そして銀杏BOYZの2017年の3枚のシングル「エンジェルベイビー」「骨」「恋は永遠」、そしてアルバム「ねえみんな大好きだよ(2020)」のジャケットなどに出演した。
本作出演後も、MVでは日本のVaundy「Tokimeki(2023)」、CMでは香港MTR(港鐵)の2023年キャンペーンなど大きな作品に出演が続いている。
映画も本作で9作目となるほど出演しているが、主な作品は鄭中基(ロナルド・チェン)主演「闔家辣(2022)」や毛舜筠(テレサ・モウ)「香港ファミリー(2022)」、東京国際映画祭出品作「離れていても(2023)」などがある。

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星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)

ねえみんな大好きだよ(初回盤)

ねえみんな大好きだよ(初回盤)

  • アーティスト:銀杏BOYZ
  • 初恋妄℃学園/UK.PROJECT
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www.youtube.com Tokimeki / Vaundy:MUSIC VIDEO

香港MTR(港鐵)の2023年キャンペーンムービー


www.youtube.com 《每一程,滿載期待》:夢想篇 (足本版) Hope-filled Journey Ahead: Dreams and Passion (Full Version)​

 

 

 

董安娜(トン・オンナー)

◯ キャンディの娘、細朱(ジュー)を演じた。

星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)

 

 

區嘉雯(パトラ・アウ)

◯ ザクの母親、黃英。

◯ 英文教師をしながら舞台劇に出演しており、数多くの賞を受賞した。高齢者LGBTを描いた映画「ソク・ソク(2019)」で香港金像奨助演女優賞を受賞。その後も大ヒットとなった「正義迴廊(2022)」「白日青春-生きてこそ-(2022)」「全世界どこでも電話(2023)」と続々と話題作への出演が続いている。

星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)

 

 

 

朱栢康(ジュー・パクホン)と朱栢謙(ジュー・パクヒム)

◯ 修理工場で働く男たち二人は、実際にも兄弟である。

◯ 兄である朱栢康(ジュー・パクホン)は「私のプリンス・エドワード(2019)」で台湾金馬奨、香港金像奨でそれぞれ助演男優賞にノミネートされた。
一方、弟の朱栢謙(ジュー・パクヒム)は、舞台演劇「大龍鳯(2014)」で受賞歴あり。映画「暗色天堂(2016)」「ファストフード店の住人たち(2019)」「正義迴廊(2022)」「白日青春-生きてこそ-(2022)」などの作品に出演している。

星くずの片隅で 窄路微塵(きょうろみじん)

 

 

 

 

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香港映画レビュー&解説「飯戲攻心2 Table For Six 2」

飯戲攻心2 Table For Six 2 

 

 

【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】 

 

 

飯戲攻心 6人の食卓


www.youtube.com 饭戏攻心2| Table For Six 2|Official Trailer|正式预告片



 

【スタッフ & キャスト】

2024年 香港 132分
監督:陳詠燊(サニー・チャン)
出演:鄧麗欣(ステフィー・タン)張繼聰(ルイス・チョン)王菀之(イヴァナ・ウォン)林明禎(リン・ミンチェン)陳湛文(チャン・チャームマン)謝君豪(ツェー・クワンホウ)魏浚笙(ジェフリー・ガイ)何啟華(ホ・カイ・ワ)

 

 

 

【あらすじ】

いつもの6人は相変わらず仲良くしていたが、陳熹(ルン)【陳湛文(チャン・チャームマン)】と何嘉男(ジョゼフィーン)【王菀之(イヴァナ・ウォン)】、そして陳禮(ベルナルド)【張繼聰(ルイス・チョン)】と馮靜(モニカ)【鄧麗欣(ステフィー・タン)】がそれぞれ結婚し、盛大な式を挙げることになった。ところが、準備の時からまたもやてんやわんやの大騒ぎ。更に様々な個性溢れる親戚たちもやって来て…

 

 

 

【感想】

前作に比べて大変大きな損失はあるが、とにかくあの5人に再び会える喜び、細かい事は気にしない賑やかさ、いかにも春節らしい華やかで楽しい映画だった。

なにはともあれ黃子華(ダヨ・ウォン)こと陳鴻(スティーブ)がいない!筆者は何も知らずに見始めたのだが、前作「6人の食卓 飯戲攻心(2022)」は何はなくとも彼の魅力で楽しませる映画だったので、中盤くらいまで今か今かと登場を待ちながら見ていたが、会話の端に少し出るだけで結局最後まで一切登場する事は無い。
今作は当初は6人での脚本から制作はスタートしたようだが、5人のストーリーとしてアンバランスな人数もカバーする展開になってるし、なんとなれば、だからこそ大量の豪華メンバー出演へと繋がっているのだろう。

 

飯戲攻心2

 

ふたつの結婚式を描いているので、とにかく豪華な出演陣が次から次へと大量に登場してくるのが楽しい。細かなキャラクターも実は大物俳優だったり、よく見ていないと見落とす位なので、隅々まで目を配りながら見ると新たな大物を発見できるだろう。

ストーリーも盛りだくさん。場面の整合性もなんのそので、次から次へとアトラクションのようにどんどん見せ場がやってくる。張繼聰(ルイス・チョン)によるバリバリ80年代な張國榮(レスリー・チャン)"Monica"MVパロディ、謝君豪(ツェー・クワンホウ)と鄧麗欣(ステフィー・タン)の魚翅(フカヒレ)大王衣装でのお色直し、魏浚笙(ジェフリー・ガイ)のアイドル/ヲタクの見事なチェンジ…もはやなんでこんな展開になってるのか訳がわからなくなるハイペースでガンガン見せ場がやって来る。そんな映画なのでいまさら辻褄が…とかリアリティが…とかしょうもない事なんて言わずに楽しんだほうが勝ちだ。

 

飯戲攻心2

 

前作は6人の会話を見せるというはっきりしたターゲットがあって、香港以外の世界から見るとやや閉じた作りでもあったが、翻って今回は結婚式という見た目にも楽しめる舞台が用意され、登場人物も一気に増えたので、楽しみやすさはこちらの方がハードルが低いかもしれない。細かいローカルでディープなネタがわからなくとも、勢いで笑っていればこれぞ春節映画の楽しみ方!ができる、そういう楽しい映画であった。

 

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飯戲攻心2

 

 

 

【トピック】

◯ 春節に合わせて2024年2月9日に香港で公開。2週連続興収ランキングトップを維持した。興行収入は3600万香港ドル(6.8億円)。

 

◯ 監督の陳詠燊(サニー・チャン)は、当初は脚本家として「モンスター・ハント 王の末裔(2018)」などの映画に参加。
初監督したドラゴンボートに参加する中年男を描いた「逆流大叔(2018)」がヒット。2作目となる前作「6人の食卓 飯戲攻心(2022)」がモンスターヒットとなった。

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飯戯攻心2

 

◯ 前回主演の黃子華(ダヨ・ウォン)は、今作では「個人的な理由で」出演しない事となった。一方でもうすぐ公開予定の主演映画「破·地獄」で、「マジック・タッチ(1992)」以来、許冠文(マイケル・ホイ)と32年ぶりに共演している。

 

 

 

鄧麗欣(ステフィー・タン)

◯ 陳禮の彼女、馮靜(モニカ)は、一方で長男・陳鴻の元カノでもある。香港文化のリサーチをしている傍らで副業として広告会社に勤務する。骨董・アンティークをこよなく愛する。

◯ 鄧麗欣(ステフィー・タン)はボーカルグループCookiesのメンバーとしてデビュー。2005年の解散後はソロ歌手として活動する一方、俳優業も本格化する。
主な出演作は「十分愛(2007)」「紀念日(2015)」「空手道(2017)」「どこか霧の向こう(2018)」、そして「私のプリンス・エドワード(2019)」と、年を経る毎にどんどん本格的な作品に出演する実力派になってきている。

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飯戲攻心2

 

 

 

張繼聰(ルイス・チョン)

◯ 陳禮(ベルナルド、ライ)。弟の陳熹とは母が同じだが、長兄の陳鴻とは父も母も違い血縁ではない。

◯ 子役から俳優のキャリアを始めた張繼聰(ルイス・チョン)も多くの作品に出演している。パトリック・タムと同じく「イップ・マン 継承(2015)」「L風暴(2018)」「P風暴(2019)」などの風暴シリーズ、「逃獄兄弟(2020)」からの投獄兄弟シリーズ、郭富城(アーロン・クォック)、梁朝偉(トニー・レオン)主演の「風再起時 (2023)」にも出演している。
コロナ禍での香港社会の苦しみを描いた昨年日本公開の「星くずの片隅で (2022)」では、台湾金馬奨の主演男優賞にノミネート。また歌手としても広く知られている。飯戲攻心2

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林明禎(リン・ミンチェン)

◯ 王寶兒(阿Meow)。台湾人のモデルで広東語が上手くない。日本好きという設定。

◯ 1990年マレーシア・ペナン生まれでジョホール育ちのアイドル・歌手。2015年に台湾でデビュー。人気も高かったがコロナ禍中の2020年にレコード会社との契約を終了し、台湾を中心に演技・芸能活動をしている。20年の契約終了時、日本に行って芸能以外のビジネスを始める事を検討していたそうだ。
映画も、「霊幻道士 こちらキョンシー退治局(2017)」「ザ・フェイタル・レイド(2019)」「ワン セカンド チャンピオン(2020)」などほぼ毎年出演している。

飯戲攻心2

 

 

 

陳湛文(チャン・チャームマン)

◯ 陳熹(ルン、ヘイ)。長兄の陳鴻とは父が同じ、真ん中の陳禮とは母が同じという関係。プロゲーマーをしており、何嘉男(ジョゼフィーン)と付き合っている。

◯ 香港演芸学院を優秀な成績で卒業し、以降は舞台劇で活躍。2020年頃から映画へも出演を始める。映画初出演のフルーツ・チャン監督「三人の夫(2018)」でも高い評価を得たが、特に本作の出演以降「香港怪奇物語(2021)」「白日の下(2023)」「年少日記(2023)」「全世界どこでも電話(2023)」と続々と話題作に出演している。

飯戲攻心2

 

 

 

王菀之(イヴァナ・ウォン)

◯ 何嘉男(ジョゼフィーン)。一番下の陳熹と付き合っている。料理の才能があり、三兄弟の食事を作っていた。

◯ 今作で香港金像奨・助演女優賞を受賞し、歌曲賞にノミネートされた。
2005年の正式デビュー前から楽曲制作の才能を認められ、張學友(ジャッキー・チュン)に提供した名曲「我真的受傷了(2001)」などを書く。デビュー後も「巴黎没有摩天轮(2006)」「月亮說(2009)」、個人的にも感動した素晴らしいピアノイントロから始まる張敬軒(ヒンス・チャン)とのデュエット曲「手望(2005)」などなど、数々の名曲を書く歌手。前作に続き本作でも主題歌を制作している。
日本好きでもあり頻繁に訪日しているが、新型コロナの渦中であった2020年4月には全編日本語詞でコロナについての歌「Mission for Everyone」を発表したりしている。
映画出演も割合多く、TVBドラマ「老表,你好嘢!(2013)」で好評となり、映画「金雞SSS(2014)」では香港金像奨助演女優賞&新人賞を受賞。その他「100回目の別れ(2014)」「一生の宝物(如珠如寶、2019)」、主演作「人生の運転手(ドライバー)(2020)」などがある。

飯戲攻心2

 

 

 

謝君豪(ツェー・クワンホウ)

◯ 新郎の親族である六叔、またの名を魚翅(フカヒレ)大王で、演じたのは謝君豪(ツェー・クワンホウ、画像右)。

◯ 数多くのドラマ、映画に出演している。「南海十三郎(1997)」で金馬奨主演男優賞受賞。映画では「天作之盒(2004)」「バーニング・ダウン 爆発都市(2020)」での犯人役や、大ヒット作「未来戦記(2022)」「風再起時(2022)」「毒舌弁護人(2023)」「ホワイト・ストーム 世界の涯て(2023)」など昨今更に大作出演が増加中の一方で、「香港の流れ者たち(2021)」「香港ファミリー(2022)」などの深いテーマの作品にも出演している。
ドラマでは古装劇「月に咲く花の如く(2017)」「三国志 Secret of Three Kingdoms(2018)」など。

蔣志光、謝君豪

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親族を演じた俳優たち

◯ 七叔役は蔣志光(ラム・チェン、上の画像左)
六叔役の謝君豪(ツェー・クワンホウ、上の画像右/下の画像左)
いとこ役の胡子彤(トニー・ウー、画像中左)
大叔父役の胡楓(ウー・フォン、画像中右)
三叔役の黎彼得(ピーター・ライ、画像右)

蔣志光(ラム・チェン)は、「相逢何必曾相識」などの名曲を歌った歌手としてもよく知られている。俳優としての主な出演作は、TVBドラマで黃子華(ダヨ・ウォン)をはじめ今作にも登場する多くの俳優が出演していた「男親女愛(2000)」「真情(1995)」「老表,你好hea!(2014)」、映画「コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義(2016)」などの他、数多くの作品がある。

謝君豪、胡子彤、胡楓、黎彼得

胡子彤(トニー・ウー)は、古天樂(ルイス・クー)の事務所に所属する俳優。香港野球チームを描いた「最初の半歩(2016)」で映画デビューし、金像奨新人賞を受賞。陳詠燊(サニー・チャン)監督の前々作「逆流大叔(2018)」にも出演している。

胡楓(ウー・フォン)は、1932年生まれで1950年代から映画界で活躍し、現在92歳になんなんとする名脇役。ドラマではTVB「義不容情(1988)」「妙手仁心(1998)」「男人之苦(2006)」など。
映画では「忌廉溝鮮奶(1981)」「上海ブルース(1984)」「ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985)」「上海エクスプレス(1986)」「プロジェクトA2(1987)」「狼たちの絆(1991)」などなど膨大な出演作がある。

黎彼得(ピーター・ライ) は非常に知られた作詞家で、俳優でもあるという独特なキャリアを持つ。作詞家として許冠傑(サミュエル・ホイ)の「加價熱潮」、譚詠麟(アラン・タム)の「愛人‧女神」、梅艷芳(アニタ・ムイ)の「將冰山劈開」、そして今作で大フィーチャーされている張國榮(レスリー・チャン)の「Monica(原曲は吉川晃司)」などを作詞した。
俳優としての主な出演作は、映画「小男人周記(1989)」やドラマ「愛·回家之開心速遞(2017~)」、ジャッキー・チェン主演の「シティーハンター(1993)」「金玉満堂(1995)」、そして声優としてピクサー映画「カーズ(反斗車王)」シリーズのラモーン役などに出演している。

 

 

 

羅蘭(ロー・ラン)

◯ 何嘉男(ジョゼフィーン)の祖母。

羅蘭(ロー・ラン)はインド系の香港人俳優で、1960年代から「陰陽路(1997)」シリーズや「七月十四(1993)」などのホラー映画、「狂潮(1976)」「家變(1977)」「網中人(1979)」「親情(1980)」などのドラマで神経質な母親やくなどを数多く演じてきた。「オーバーサマー爆裂刑警(1999)」で金像奨主演女優賞を受賞。
2002年には長年の慈善活動に香港政府から栄誉勲章を授与された。
何嘉男(ジョゼフィーン)役・王菀之(イヴァナ・ウォン)が主演した春節映画「你咪理,我爱你!(2019)」にも出演している。

飯戲攻心2

 

 

 

米雪(ミシェル・イム)

◯ 何嘉男(ジョゼフィーン)の母親。

米雪(ミシェル・イム)は1970年代から活躍する俳優。大ヒットしたドラマ「射鵰英雄傳(1976)」で主演しアジア各国で大人気となった。その後も「大內群英(1980)」「萍蹤俠影錄(1985)」などの時代劇で主演。さらに2008年には、大変評価も高かった大人気家族ドラマ「溏心風暴之家好月圓(2008)」で、各国で数多くの賞を受賞した。

飯戲攻心2

 

 

 

魏浚笙(ジェフリー・ガイ)

◯ 阿Meowの友人として式場にやって来たアイドル・Mark Gor。

魏浚笙(ジェフリー・ガイ)は俳優だが、Viu TVのリアリティショー「調教你男友(2020)」から人気に火がついた。俳優としては甄子丹(ドニー・イェン)の「スーパーティーチャー 熱血格闘(2018)」や、下の凌文龍(リン・マンロン)が主演したViuTVのヒットドラマ「IT狗(2022)」にも出演しており、そこで三男陳熹役の陳湛文(チャン・チャームマン)と共演している。

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飯戲攻心2

飯戲攻心2

 

 

 

何啟華(ホ・カイ・ワ)

◯ 陳禮のいとこ・Hugh役に何啟華(ホ・カイ・ワ)。「毒舌弁護人(2023)」で共演していた楊偲泳(レンシ・ヨン)も式場弁護士の役で出演している。

◯ 阿Deeというニックネームで、オーディション番組から結成されたグループ「ERROR」のメンバーでもある。上記黃子華(ダヨ・ウォン)主演の「毒舌弁護人(2023)」の他にも、「香港ウェスト・サイド・ストーリー(2018)」「ファストフード店の住人たち(2019)」「散った後(2020)」、 鄭中基(ロナルド・チェン)主演の「闔家辣(2022)」、この年末に梁朝偉(トニー・レオン)&劉德華(アンディ・ラウ)が共演した「金手指(2023)」などに出演している。

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飯戯攻心2

 

 

 

◯ 記者として高佬役・凌文龍(リン・マンロン、画像左)、金毛玲役・伍詠詩(ン・ウィンシー、画像右)

凌文龍(リン・マンロン)は2000年代後半から舞台で活躍。映画では毛舜筠(テレサ・モウ)主演「黃金花(2018)」で香港金像奨新人賞を受賞。「バーニング・ダウン 爆発都市(2020)」出演などの他、ViuTVのヒットドラマ「IT狗(2022)」でも主演しており、そこで三男陳熹役の陳湛文(チャン・チャームマン)、アイドルMark役の魏浚笙(ジェフリー・ガイ)と共演している。

伍詠詩(ン・ウィンシー)は1997年生まれで、インディ映画「逆さま(對倒、2018)」の主演で映画デビュー。こちらもインディ映画「レモン、牛乳(檸檬,牛奶、2020)」の他、「バーニング・ダウン 爆発都市(2020)」「七人樂隊(2021)」「神探大戦(2022)」などにも出演している。

凌文龍、伍詠詩

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◯ 劇中では張國榮(レスリー・チャン)「Monica」のこのMVの踊りが再現されて登場する。


www.youtube.com 張國榮 Leslie Cheung - Monica (Official Music Video)

 

 

 

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香港映画レビュー&解説「6人の食卓 飯戲攻心 Table For Six」

飯戲攻心 Table For Six

6人の食卓 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

 

 

【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】 

 

 

飯戲攻心 6人の食卓飯戲攻心 6人の食卓


www.youtube.com 【電影預告】《飯戲攻心》新春賀歲 齊人開餐

 

 

 

【スタッフ & キャスト】

2022年 香港 118/124分
監督:陳詠燊(サニー・チャン)
主演:黃子華(ダヨ・ウォン)鄧麗欣(ステフィー・タン)張繼聰(ルイス・チョン)王菀之(イヴァナ・ウォン)林明禎(リン・ミンチェン)陳湛文(チャン・チャームマン)

 

 

【あらすじ】

スティーブ【黃子華(ダヨ・ウォン)】、ベルナルド【張繼聰(ルイス・チョン)】、ルン【陳湛文(チャン・チャームマン)】の三兄弟は、日々ささいなことで口喧嘩しながらも、亡き両親から受け継いだ家でにぎやかに暮らしている。
ある日、次男ベルナルドが恋人モニカ【鄧麗欣(ステフィー・タン)】を自宅に招くが、彼女は長男スティーブの元カノだった。三兄弟とそれぞれのガールフレンド、6人で囲む食卓は楽しい宴となるだろうか!? 人気シンガーソングライターのイヴァナ・ウォン演じる三男のガールフレンド、ジョゼフィーンがふるまう料理の数々にも注目のコメディドラマ。

香港映画祭2022 Making Wavesより

 

 

 

【感想】

にぎやかで楽しく、かと思えばしんみりともさせてくれて、"あの6人"の事をいつまでも思い返したくなる。ロマンチックで温かい、とっても素敵な人情の映画であった。

正直に言えば、香港と広東語に通じた方でないと初見では面白いポイントが良くわからないかもしれない。香港人なら笑える要素、広東語ならではのジョークがたくさん詰め込まれた会話劇だし、ほとんどのストーリーがメインの6人のみによって展開していくので、香港好きであればあるほど楽しめる映画といえるだろう。
筆者は公開当時に見ることが叶わず、今回ちょうど続編となる「飯戲攻心2」が公開されたタイミングで、しかも広東語/英語字幕でようやく見れたのだが、最初は本作をいきなり見ても全然理解が追いつかず、どう見ても笑いどころがあるのにわからないまま見ていく事となった。

でも、あらためてDVDを入手してゆっくり見返すと、なるほどこれはとっても沁みる素敵な映画なのだと、俄然好きになってしまった。今でもわかっていない部分は多々残っているだろうから、爆笑といった事にはならない。でも、あの素敵な雰囲気、会話のテンポ感、そして6人それぞれの皆愛くるしいキャラクターを見ているだけでも、気持ちがじんわりと温まってくるのである。

 

飯戲攻心 6人の食卓

 

なんといっても長兄・スティーブ【黃子華(ダヨ・ウォン)】の、長男らしい責任感と配慮から来るナイーブな愛情がにじみ出るキャラが印象深いのだが、他の5人も皆それぞれに奥行きのある描写が軽やかに描かれていて、本当は一人ずつ書いていきたい位に愛おしい。
芸達者が揃った6人の俳優陣でも、阿Meow役の林明禎(リン・ミンチェン)の役回りと演技が印象的だった。彼女だけがやや"外人"的な視点なのもあって、ちょっと不憫な展開になってしまう。その一方ですごい演技力と存在感を発揮していて、次回作での活躍も納得の実力を見せていた。この二人がベランダでようやくお互いの思いを吐露しあう場面での、林明禎(リン・ミンチェン)の何重にも感情がこみ上げてくる表現は、驚きつつも泣けてしまうのだった。

演出も素敵だ。オープニングからジャズがかかり、三兄弟の家の装飾もアメリカンでもあり今っぽいポップさもあり、雑多な様で統一された今っぽいトレンディさ。いろんなところに日本要素もたくさん登場し、三男・ルンのTシャツ、日本語、草間彌生、キムタク、ドラえもんなどなど、探してみるのも面白い。
また、ジョゼフィーヌが作る料理も興味深い。火鍋、豚足などの中華系だけでなく、最後には白菜と豚バラのミルフィーユ鍋も登場していた。

 

飯戲攻心 6人の食卓

 

ストーリーは奇をてらわずシンプルで、ウェルメイドといってもいい。元カノとまさかの弟の彼女として再会する長兄の気まずさの話と、弟たちに対して「家族はやっぱり一緒が一番なんだ!」という長兄のある種の対立の話で、話がこんがらかるような事は無い。アップテンポのドタバタの後はしんみりしたやり取りのシーソーのリズムが、これまた香港映画らしくて気持ちよい。

香港を知れば知るほどこの映画の良さもわかる、そういう意味ではハイコンテクストだが、だからこそ「これこそ本物の香港映画」と香港人に言わしめるだけの作品で、香港映画史上歴代2位という驚異の興行収入を記録したのであろう。筆者は香港の人々とは別の楽しみ方をしたのかもしれないが、それでもとっても素敵で香港らしい、素晴らしい映画であった。

 

香港映画レビュー「飯戲攻心2 Table For Six 2」 - daily diary

 



【トピック】

◯ 当初は2022年2月1日の春節に合わせた公開を予定していたが、新型コロナの影響により延期となり、まずは2022年4月22日からのイタリア・ウーディネ極東映画祭でワールドプレミア。

Table For Six: Far East Film Festival


予定より半年後の中秋節に合わせた2022年9月7日から香港で一般公開。公開初週より大ヒットとなり、実に6週連続で興収ランキング1位をキープ。
同年の年間興収第1位の作品となった上、同時期に同じく大ヒットした古天樂(ルイス・クー)&劉青雲(ラウ・チンワン)主演の「未来戦記(2022)」に次ぐ7700万香港ドル(14.7億円)となり、香港映画史上歴代2位の興行収入を記録するモンスターヒット作品となった。

 

 

◯ 日本では2022年11月9日からの香港映画際2022にて公開された。

makingwaves.oaff.jp

 

 

◯ 本作は香港金像奨で王菀之(イヴァナ・ウォン)が助演女優賞を受賞、9部門ノミネートとなった。

 

◯ 中国版は、劇中でかかる張學友(ジャッキー・チュン)のにちなんだ「還是覺得你最好」と改題され、2022年9月9日に公開された。


www.youtube.com 【《飯戲攻心》電影宣傳曲《還是覺得你最好》】9月7日 今個中秋 齊人開飯

 

 

◯ 続編である「飯戲攻心2」が春節に合わせて2024年2月9日に公開された。

www.teppayalfa.com

 

 

◯ 監督の陳詠燊(サニー・チャン)は、当初は脚本家として「モンスター・ハント 王の末裔(2018)」などの映画に参加。
初監督したドラゴンボートに参加する中年男を描いた「逆流大叔(2018)」がヒット。今作が2作目の監督作品となる。

6人の食卓 飯戲攻心


◯ 原題の「飯戲攻心」はことわざ「飯氣攻心(腹八分目がいいという意味)」のもじり。

 

◯ 劇中では、
張愛玲(アイリーン・チャン)と著作「色・戒(ラスト、コーション)」
・王家衛(ウォン・カーウァイ)監督の専属スチルカメラマン・夏永康(ウィン・シャ)
・1990年代の大人気ティーン向け雑誌「Yes!」
などが言及されている。

ja.yes.com.hk

 

 

 

黃子華(ダヨ・ウォン)

◯ 広告などのカメラマンをしている長男・陳鴻(スティーブ、ホン)

◯ 漫談的なスタンダップコメディでの大人気コメディアンとして1990年代から大活躍し、ドラマや映画にも多数出演しているが、2018年でコメディのステージからは引退。映画での代表作は本作の他、「マジック・タッチ(1992)」「乜代宗師(2020)」「棟篤特工(2018)」、ドラマでは「復讐のプレリュード(1995)」「狀王宋世傑(貳)(1999)」「男親女愛(2000)」など。本作の後にこちらも大ヒットとなった「毒舌弁護人(2023)」に主演した。
今作の続編「飯戲攻心2(2024)」には出演していないが、もうすぐ公開予定の主演映画「破·地獄」では、「マジック・タッチ(1992)」以来、許冠文(マイケル・ホイ)と32年ぶりに共演している。

香港映画レビュー「毒舌弁護人~正義への戦い~ 毒舌大狀 A Guilty Conscience」 - daily diary

飯戲攻心 6人の食卓

飯戲攻心 6人の食卓

 

 

 

鄧麗欣(ステフィー・タン)

◯ 陳禮の彼女、馮靜(モニカ)は、一方で長男・陳鴻の元カノでもある。香港文化のリサーチをしている傍らで副業として広告会社に勤務する。骨董・アンティークをこよなく愛する。

◯ 鄧麗欣(ステフィー・タン)はボーカルグループCookiesのメンバーとしてデビュー。2005年の解散後はソロ歌手として活動する一方、俳優業も本格化する。
主な出演作は「十分愛(2007)」「紀念日(2015)」「空手道(2017)」「どこか霧の向こう(2018)」、そして「私のプリンス・エドワード(2019)」と、年を経る毎にどんどん本格的な作品に出演する実力派になってきている。

「紀念日」ほか中国・香港映画6本レビュー - daily diary

飯戲攻心 6人の食卓

飯戲攻心 6人の食卓

 

 

 

張繼聰(ルイス・チョン)

◯ 陳禮(ベルナルド、ライ)。弟の陳熹とは母が同じだが、長兄の陳鴻とは父も母も違い血縁ではない。

◯ 子役から俳優のキャリアを始めた張繼聰(ルイス・チョン)も多くの作品に出演している。パトリック・タムと同じく「イップ・マン 継承(2015)」「L風暴(2018)」「P風暴(2019)」などの風暴シリーズ、「逃獄兄弟(2020)」からの投獄兄弟シリーズ、郭富城(アーロン・クォック)、梁朝偉(トニー・レオン)主演の「風再起時 (2023)」にも出演している。
コロナ禍での香港社会の苦しみを描いた昨年日本公開の「星くずの片隅で (2022)」では、台湾金馬奨の主演男優賞にノミネート。また歌手としても広く知られている。

飯戲攻心 6人の食卓

飯戲攻心 6人の食卓

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王菀之(イヴァナ・ウォン)

◯ 何嘉男(ジョゼフィーン)。一番下の陳熹と付き合っている。料理の才能があり、三兄弟の食事を作っている。

◯ 今作で香港金像奨・助演女優賞を受賞し、歌曲賞にノミネートされた。
2005年の正式デビュー前から楽曲制作の才能を認められ、張學友(ジャッキー・チュン)に提供した名曲「我真的受傷了(2001)」などを書く。デビュー後も「巴黎没有摩天轮(2006)」「月亮說(2009)」、個人的にも感動した素晴らしいピアノイントロから始まる張敬軒(ヒンス・チャン)とのデュエット曲「手望(2005)」などなど、数々の名曲を書く歌手。そして、本作の主題歌で香港金像奨ノミネート曲「狠愛狠愛你」も制作している。
日本好きでもあり頻繁に訪日しているが、新型コロナの渦中であった2020年4月には全編日本語詞でコロナについての歌「Mission for Everyone」を発表したりしている。

www.youtube.com Mission for Everyone

なぜか本作主題歌「狠愛狠愛你」は日本語版まで発表している。


www.youtube.com "飯戲攻心" 映画テーマ曲 / 電影主題曲日文版· -- 三兄弟

 

映画出演も割合多く、TVBドラマ「老表,你好嘢!(2013)」で好評となり、映画「金雞SSS(2014)」では香港金像奨助演女優賞&新人賞を受賞。その他「100回目の別れ(2014)」「一生の宝物(如珠如寶、2019)」、主演作「人生の運転手(ドライバー)(2020)」などがある。

飯戲攻心 6人の食卓

飯戲攻心 6人の食卓

 

 

 

林明禎(リン・ミンチェン)

◯ 王寶兒(阿Meow)。台湾人のモデルで広東語が上手くない。日本好きという設定。

◯ 1990年マレーシア・ペナン生まれでジョホール育ちのアイドル・歌手。2015年に台湾でデビュー。人気も高かったがコロナ禍中の2020年にレコード会社との契約を終了し、台湾を中心に演技・芸能活動をしている。20年の契約終了時、日本に行って芸能以外のビジネスを始める事を検討していたそうだ。
映画も、「霊幻道士 こちらキョンシー退治局(2017)」「ザ・フェイタル・レイド(2019)」「ワン セカンド チャンピオン(2020)」などほぼ毎年出演している。

飯戲攻心 6人の食卓

飯戲攻心 6人の食卓

 

 

 

陳湛文(チャン・チャームマン)

◯ 三男・陳熹(ルン、ヘイ)。長兄の陳鴻とは父が同じ、真ん中の陳禮とは母が同じという関係。プロゲーマーをしており、何嘉男(ジョゼフィーン)と付き合っている。

◯ 香港演芸学院を優秀な成績で卒業し、以降は舞台劇で活躍。2020年頃から映画へも出演を始める。映画初出演のフルーツ・チャン監督「三人の夫(2018)」でも高い評価を得たが、特に本作の出演以降「香港怪奇物語(2021)」「白日の下(2023)」「年少日記(2023)」「全世界どこでも電話(2023)」と続々と話題作に出演している。「縁路はるばる(2022)」にも友情出演。
下記の通り、本作の舞台版にも出演している。

香港映画レビュー「縁路はるばる 僻地へと向かう 緣路山旮旯 Far Far Away」 - daily diary

飯戲攻心 6人の食卓

飯戲攻心 6人の食卓

 

 

 

◯ 三兄弟の母役として廖子妤(フィッシュ・リュウ)が出演した。

飯戲攻心 6人の食卓

 

 

彩蛋(特典映像)

◯ 本作には特典映像は無かったのだが、興収2000万香港ドルを突破した記念に公開される事となった。
監督の前作「逆流大叔(2018)」の出演者である黃德斌(ケニー・ウォン)&余香凝(ジェニファー・ユー)&胡子彤(トニー・ウー)、「アニタ 梅艷芳(2021)」の王丹妮(ルイーズ・ウォン)、そして姜皓文(フィリップ・キョン)などなどの豪華メンバーが出演。さらに古天樂(ルイス・クー)は本作への出資者であり、当初出演予定もあったが、スケジュールの都合によりこの映像のみに登場した。
なお、音声はすべて三男・陳熹役の陳湛文(チャン・チャームマン)がひとりで吹き替えている。

香港映画レビュー「アニタ 梅艷芳 Anita」 - daily diary


www.youtube.com 【《飯戲攻心》彩蛋曝光】古天樂王丹妮眾星齊撐

 

 

 

舞台化演劇作品

◯ 本作は監督の陳詠燊(サニー・チャン)の脚本で舞台化され、2023年2月17日より香港芸術節のひとつとして上演された。
キャストは
長男・陳鴻:周國賢(エンディ・チョウ)
モニカ:廖子妤(フィッシュ・リュウ)
次男・陳禮:梁仲恆(リャン・チョンホン)
ジョゼフィーン:胡麗英
Meow:黃呈欣
となっており、三男・陳熹役のみ陳湛文(チャン・チャームマン)が映画と同じ役を演じた。

news.artsfestival.org

 

 

 

プロモーションソング

◯ 本作のプロモーションとして、2022年7月22日に久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」ならぬ(チャーシュー叉焼の)「叉叉叉Love Song」を、次兄・ベルナルド【張繼聰(ルイス・チョン)】とMonica【鄧麗欣(ステフィー・タン)】の出演で、1990年代日本のトレンディドラマ風MVが公開された。


www.youtube.com 【《叉叉叉Love Song》隆重登場】《飯戲攻心》今個中秋 齊人開飯

 

 

 

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中国映画レビュー&解説「热搜(熱捜)Trending Topic」

热搜(熱捜)Trending Topic: 豆瓣

 

【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】

 

 

热搜


www.youtube.com 《热搜》曝“富豪饭局”版预告 周冬雨宋洋袁弘展开网络舆论对抗

 

 

 

【スタッフ & キャスト】

2023年 中国 121分
監督: 忻钰坤(シン・ユークン)
出演: 周冬雨(チョウ・ドンユイ)宋洋(ソン・ヤン)袁弘(ユェン・ホン)王皓(ワン・ハオ)陶海(タオ・ハイ)石蕊(シ・ルイ)

 

 

 

【あらすじ】

ネットメディアの編集長、陈妙【周冬雨(チョウ・ドンユイ)】は荒っぽくも様々なテクニックで自社記事をバズらせる辣腕で知られていた。ところが、自社がバズらせた女子専門学校での事件記事のせいでネットは炎上し、加害者の女子学生には非難が集中する。陈妙は狙い通りと考えていたが、その結果、当事者の彼女が校舎から飛び降りてしまった。
共同創業者である何言【宋洋(ソン・ヤン)】と共に陈妙は対応に奔走していたが、実はこの事件には裏があることが判明する。

 

 

 

【感想】

最近多めの事件ものの中でもスピード感もあり、すっきり見れる映画だった。やや綺麗にまとめすぎている気もするが、周冬雨(チョウ・ドンユイ)が活躍するヒーロー映画として見るとかなり楽しめた。

この種の"SNSによる犯罪もの"は良くあるが、本作はそこにとどまらず次第に現実のダークサイドへと舞台が移っていく。しかも主人公はネットでの人々の動きを読んで仕事をしていた側の人々だ。ネット世論は手のひらで操る一方で、現実世界の悪には果たして同じように相手できるのか。彼女が使う技術や作戦で、中国のネット世論がどうやって形作られているのかも見れ、そのあたりも大変興味深い。
主人公の周冬雨こと陈妙は、あろう事か自身が意図した事自体が事件のきっかけとなってしまうという、マイナスからのスタートになっていて、どうやって彼女が事件を解決へと導く=リベンジできるかという物語になっている。

 

热搜(熱捜)

 

出資者である袁弘(ユェン・ホン)演じる岳鹏がいかにも悪そうな雰囲気プンプンの存在感で、最高の悪役だ。だが、彼とてラスボスではない。
ひとり立ち向かうことを決断する周冬雨というヒーローには、話題の映画「年会不能停! (2023) 」にも出ている王皓(ワン・ハオ)演じる龚文らがチームとしてバックアップするようになっていく。

全体的に面白いのだが、ネット世界の描き方はやっぱり難しいなと感じる部分もあった。物語上は周冬雨こと陈妙ひとりがネット世界を動かしていく事になっているが、現実はそんなシンプルでは無いだろうし、彼女が手掛けるネットメディア界も、一社だけで世論が動くことも無いので彼女の存在自体がちょっと現実的ではない。劇中ではバズらせ賞的なものを受賞するというシーンがあるのだが、見ながら「この賞を貰うのって、むしろ世論誘導に長けているというアピールになるんじゃ?」と、むしろ良くない印象な気もした。
そういう訳でこの映画でも、この件によってネット社会全体が変わったというようなエンディングにはできないし、実際見終わっても結局何も変わっていないという、ある種の自己満というか諦観といったものを感じざるを得ない点はある。
そしてこの映画より、元ネタとなった実際の事件の方が、遥かにおぞましく酷い内容だ。

そういう意味ではよりエンタメ的な演出になっているので、いわゆるジャンル映画的というか、細かい所はおおらかな目で見て、ルールの無いネット社会でひとり巨悪に立ち向かう女性ヒーローの物語、として見ると遥かに楽しめる映画であった。

热搜(熱捜)

 

 

 

 

 

【トピック】

◯ 2023年7月31日にまずFIRST青年映画祭で上映され、同年11月30日に一般公開。公開初週は興収ランキングで4位に入った。興行収入は6300万元(13億円)。

 

 

◯ 忻钰坤(シン・ユークン)監督は、デビュー作の東京国際映画祭中国現代映画特集2016でも上映されたブラックコメディ「心迷宮(2014)」が高い評価を得て、台湾金馬奨でも新人映画監督にノミネートされた。こちらも高評価の3作目「無言の激昂(2017)」を経て、本作が第4作目の監督作となる。

热搜(熱捜) Trending Topic

 

 

題材となった事件

◯ 本作は、2015年に発覚した貧困学生への援助を募集するウェブサイトの管理人による性的搾取事件"百色助学网"事件をベースにしている。この事件では、管理人の王杰は2006年のサイト開設以来9年間に渡って、連絡してきた14歳以下が多数を占める貧困女子学生に、援助と引き換えに性的奉仕を強要していた。広西チワン族自治区のテレビ局广西电视台《海案线》の記者によって事件が報道され、王杰は逮捕。懲役16年の実刑判決を受けた。

baike.baidu.com

百色助学性侵者被判16年:举报人失望大于期望-搜狐新闻

 

 

 

周冬雨(チョウ・ドンユイ)

◯ ネットメディアの編集長で創業者でもある陈妙。

◯ 1982年生まれだがもはや大御所と言ってもいい。自身の会社から製作に出資するなど女優以外でも映画界で幅広い活躍を続けている。「サンザシの樹の下で(2010)」でデビューし、「ソウルメイト/七月と安生(2016)」「少年の君(2019)」という曾国祥(デレク・ツァン)監督の秀作2作、「僕らの先にある道(2018)」などなど、本当に数多くの映画に出演している。
2023年は本作以外にも「ボーン・トゥ・フライ」「中国青年:我和我的青春」、刘昊然(リウ・ハオラン)との「燃冬」「鹦鹉杀」、张艺谋(チャン・イーモウ)監督の社会派サスペンス「坚如磐石」と大量の出演作が公開された。

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宋洋(ソン・ヤン)

◯ 陈妙の共同創業者で経営でのパートナー、何言。

◯ 宋洋(ソン・ヤン)は忻钰坤(シン・ユークン)監督の前作「無言の激昂(2017)」以来の続投。
ピーター・ホー、エディ・ポンらが主演の歴史ドラマ「楊家将伝記 兄弟たちの乱世(2006)」で知られるようになり、「ソード・アイデンティティー(2011)」「ソード・アーチャー 瞬殺の射法(2012)」「ファイナル・マスター(2015)」などの武侠アクション映画への出演などで知られる。
「ジョンQ(2002)」のリメイク「误杀2(2021)」、ヴェネツィア国際映画祭出品作「不止不休(2020)」にも出演している。

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袁弘(ユェン・ホン)

◯ 陈妙のメディアへ出資をしている企業の幹部、岳鹏。陈妙が増資を求めていた。

◯ 1982年生まれ。デビュー2年後の主演ドラマ「上书房 (2008) 」そして「射雕英雄传 (2008) 」で知られるようになる。さらに翌年には「仙剑奇侠传(2009)」シーズン3に出演。
その他にも「宮廷女官 若㬢(2011)」「秀麗伝(2013)」「平凡的世界 (2015) 」、「解憂~西域に嫁いだ姫君~(2016)」「鳳凰の飛翔(2018)」「幻想神国記(2021)」と、古装劇を中心に数々のドラマに出演している。
映画では「青雲 ~投げ出した人生の拾い方~(2019)」などがあるが、公開が延期となっている周冬雨(チョウ・ドンユイ)の主演作「平原上的火焰 (2021) 」にも出演している。

热搜(熱捜) Trending Topic

 

 

 

王皓(ワン・ハオ)

◯ 編集部員のひとり、龚文。陈妙の後を追って編集部を去る。

◯ 1996年生まれの俳優だが、喜劇を主なフィールドにしていて、新喜劇的なコメディでここ数年人気になってきている。ドラマ「二十不惑」シーズン2に出演し、今作の後、2024年正月公開の大ヒット映画「年会不能停! (2023) 」にも出演した。

热搜(熱捜) Trending Topic

 

 

 

陶海(タオ・ハイ)

◯ 事件があった専門学校の校長、严育生。

◯ 1990年代後半から映画「横空出世 (1999) 」「天上の恋人(2002)」、李連杰(ジェット・リー)&劉徳華(アンディ・ラウ)&金城武の「ウォーロード(2008)」、呉佩慈(ペース・ウー)主演の「夜幕惊魂 (2013) 」、ドラマ「忠诚 (2001) 」などに出演してきた。
2021年に人気ドラマ「雪中悍刀行 (2021) 」に出演した後、张新成(ジャン・シンチャン)主演の映画「这么多年 (2023) 」、本作、そして中国金鶏奨・中小作品賞を受賞した宋洋(ソン・ヤン)主演の「回西藏 (2022) 」と出演作が増加中だ。

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石蕊(シ・ルイ)

◯ 陈妙への出資企業の社長秘書、胡乔。

◯ 2011年デビュー。ドラマ「半妖の司籐姫(2021)」、周迅(ジョウ・シュン)主演の「小敏家 (2021) 」などに出演している。

热搜

 

 

 

 

 

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中国映画レビュー&解説「无价之宝 Be My Family」

无价之宝(無価之宝) Be My Family: 豆瓣

 

【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】

 

 

无价之宝


www.youtube.com Be My Family International Trailer|《无价之宝》国际预告

 

 

 

【スタッフ & キャスト】

2023年 中国 132分
監督: 张大鹏(チャン・ダーポン)
出演: 张译(チャン・イー)潘斌龙(パン・ビンロン)周依然(ジョウ・イーラン)程曦(チェン・シー)袁晓旭(ユエン・シャオシュイ)郝蕾(ハオ・レイ)

 

 

 

【あらすじ】

1995年の中国東北部。小さな鉄工所を営んでいる石振邦(三叔)【张译(チャン・イー)】は、売掛金の回収へと向かった王曼丽【袁晓旭(ユエン・シャオシュイ)】から、では借金の返済のために出稼ぎに行くので娘の石芊芊を預かってくれと押しつけられてしまう。
最初は相棒の杨武(四五叔)【潘斌龙(パン・ビンロン)】と共に、仕方なく世話をしていたのだが、石芊芊のあまりの不憫さに、石振邦(三叔)は次第に愛情が湧いてくるようになる。そんな所へある日彼女の父親がやって来た…

 

 

 

【感想】

煤けた街の粗野な人々、されど心は誰よりも暖かい。それをどこまでも大切にしていた男の切ない物語。見終わった後もいつまでも余韻に浸りたくなる素晴らしい映画だった。

主人公の张译(チャン・イー)演じる三叔が本当に魅力的なのだ。うだつの上がらない格好で口調はぶっきらぼう。すぐに手も出る。だが娘の石芊芊の事となると、途端に全てが石芊芊を守る為に向けられる。
例えばそれは、たとえ取引相手であろうと、彼女の事を孤児と言った途端に手伝っていたその手を突き放すといった無茶苦茶な具合だ。

彼は、相棒の四五叔みたいに分かりやすい可愛がり方は照れ臭くてできない。格好つけてしまって素直になれないのだ。その一方で周りを威圧するような雰囲気も作れず、相手に遠慮する、言ってしまえば"小物"な感じが漂う。だがしかし、それだからこそ良い。環境のせいでこうなってしまっただけで、その中身は紳士なんである。
この魅力的なキャラクターは、例えば「星明かりを見上げれば(2022)」の朱一龙(チュー・イーロン)演じる莫三妹を思い起こさせるが、あれも本作と同じく孤児になりそうな子を引き取るストーリーだ。
ついでに言えば、児童誘拐のストーリーといえば陳可辛(ピーター・チャン)監督の名作「最愛の子(2014)」だが、それにも张译(チャン・イー)と郝蕾(ハオ・レイ)が出演していた事を思い出させる。

 

无价之宝

 

全体の演出やキャラ造形は寓話的でちょっと大げさで、なんというかマンガ的だ。それがこのお話にちょうど良いバランスになっている。三叔を演じる张译(チャン・イー)も安定のテクニックで、今作では表情の歪ませ方もやや大げさに田中邦衛っぽいクシャッとした顔を作ったり、コンセプトに合わせた細やかなチューニングで魅せてくれる。
この映画は、なによりも中国・東北地方の特徴を丁寧に描いている部分がとても高く評価されているようなので、その点をどなたかに解説してもらいたい気持ちでもある。その部分も含めて三叔こと石振邦は、舞台である黒竜江省、ハルビン出身の张译(チャン・イー)にこそ演じることができる役だったのだろう。

 

无价之宝

 

本作はソン・ドンイル主演の韓国映画「担保(2020)」のリメイクなのだが、原作映画はよりシンプルで直球だが、これまたハートウォーミングで泣ける良作であった。設定も同じような1990年代後半から始まり、子供時代のエピソードなどは概ね同じ作りだ。演出は奇をてらわずストレートで、主人公も定番の借金取りらしいキャラで、今作のようなファンタジック(で大変素敵な)風船に乗って舞い踊ったりするシーンは無い。今作はそういった演出に加えて、特に後半によりドラマチックな展開が加えられている。
前半での三人が仲良くなり、このまま三人で楽しく生きていけるんじゃないかという、幸せそうなシーンから後半はどんどん胸が締め付けられていく。だからこそというべきか、見終わっても三叔こと石振邦という強烈な存在を忘れられなくなっているだろう。原作での、いかにもな悪役が人間らしい暖かさを持っている描写で感動させる作りなのに対して、今作はよりヒロイックで象徴的な主人公に作り上げて"彼の物語"として描いている。

色々と整理されていない展開もあったりはするのだが、なによりもこの三叔/石振邦という男が活き活きと描かれているだけで見て良かったと言える、いつまでも余韻の残るとても良い映画であった。

 

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无价之宝

 

 

 

【トピック】

◯ 2023年11月10日に全国公開。公開初週は興収ランキング3位、翌週には2位に入った。興行収入は1.37億元(28.5億円)。

 

◯ ハ・ジウォン、ソン・ドンイル主演の韓国映画「担保(담보、Pawn、2020)」のリメイク。この映画は日本でも2021年のコリアンシネマウィークにて公開された。

Pawn(英題) - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

担保(담보、Pawn、2020)



 

◯ プロデューサーの韩三平(ハン・サンピン)は、1980年代からの映画監督で「建国大業 (2009) 」などの監督作があるが、今作同様にプロデューサーとしての手腕も大きく、名作を多数制作している。
主な作品は映画では「无名之辈 (2018) 」「在りし日の歌(2019)」「古董局中局 (2021) 」「93国际列车大劫案:莫斯科行动 (2023) 」など。ドラマでは「バーニング・アイス(2017)」や大ヒット作「バッド・キッズ(2020)」などがある。

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◯ 张大鹏(チャン・ダーポン)監督は1984年生まれ。これまで広告業界でCM制作に携わり、多くの広告賞を受賞してきた。短編「啥是佩奇 (2019) 」などを監督、2023年と2024年のCCTV春節連歓晩会(春晩)での映像も制作しているが、今作が初の商業映画監督作品となる。

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www.youtube.com 啥是佩奇 HD完整版


www.youtube.com [2023年央视春晚4K字幕版]微电影《我和我的春晚》 主演:金长勇(字幕版)|2023年央视春晚4K


www.youtube.com [2024央视春晚]短片《我们的春晚》 旁白:范伟(字幕版)|CCTV春晚

 

 

 

◯ 撮影は東北部・黒竜江省の密山市西部にある連珠山鎮という町や、福建省寧徳市の龍潭古鎮という古民家の並ぶ観光地などで行われた。

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张译(チャン・イー)

◯ しがない鉄工所を営んでいる石振邦(三叔)。結婚はしたが子供はいない。

◯ 张译(チャン・イー)は今や最も売れている俳優のひとり。
张艺谋(チャン・イーモウ)監督常連で、最新の今年の春節映画「第二十条 (2024) 」をはじめ、「満江紅(マンジャンホン)(2023)」「狙击手(2022)」「崖上のスパイ(2021)」「ワン・セカンド(2020)」等、最近の彼の作品には全て出演している。
さらに贾樟柯(ジャ・ジャンクー)、陈凯歌(チェン・カイコー)、冯小刚(フォン・シャオガン)、林超賢(ダンテ・ラム)などなど、あらゆる著名監督の作品でも活躍している。ドラマでは名作「士兵突击(2006)」「我的团长我的团(2009)」など。
昨年は大ヒット作「万里归途(2022)」に続くように、ドラマ「狂飙(2023)」から「他是谁 (2023) 」、映画は年末にかけて本作と「刀尖 (2023) 」「三大队 (2023) 」と立て続けの主演作で多忙ぶりを見せた。

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潘斌龙(パン・ビンロン)

◯ 三叔の相棒、杨武(四五叔)。

◯ 潘斌龙は中国漫才である相声の有名芸人。
映画出演も多く、大鹏(ダーポン)監督のデビュー作「煎饼侠(2015)」に出演。他にも「28歳未成年(2017)」、今作同様に韩三平(ハン・サンピン)プロデュース作「无名之辈(2018)」、そして昨年は春節No.1ヒット作「満江紅(マンジャンホン)(2023)」と、再びの大鹏(ダーポン)監督作「保你平安(2023)」に出演している。

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程曦(チェン・シー)

◯ 預けられた娘、石芊芊(幼年期)。演じた程曦(チェン・シー)は、今作が映画デビューとなる。

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袁晓旭(ユエン・シャオシュイ)

◯ 石芊芊の母親、王曼丽。夫の借金を返済する為に海外へと出稼ぎに向かう。

◯ 1999年に広告のモデルとして13歳で活動開始。2000年代後半から俳優業も開始した。主な出演作はドラマ「巅峰时代 (2009) 」「热血青春 (2015) 」「独孤伽羅(2018)」など。

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周依然(ジョウ・イーラン)

◯ 預けられた娘、石芊芊(青年期)。演じたのは周依然(ジョウ・イーラン)。
「閃光少女(2017)」ドラマ版(2019)に出演、その後青春ドラマ「风犬少年的天空(2020)」や主演映画「好想去你的世界爱你(2022)」に出た後、ドラマ「三悦有了新工作(2022)」で主演した。映画「平凡英雄(2022)」にもCA役で出演している。
本作の後に公開された話題のサスペンス映画「涉过愤怒的海(2023)」では、日本でコスプレをする設定になっている。

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郝蕾(ハオ・レイ)

◯ 三叔の妻であったが劇中冒頭で離婚する事となる、马淑娟。

◯ 1997年にドラマ「十七岁不哭 (1997) 」の主演でデビュー。邓超(ダン・チャオ)主演の「少年天子 (2003) 」などに出演し、名作「最愛の子(2014)」に母親役で出演。同年のアン・ホイ監督「黄金時代(2014)」、中国版「ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生-(2017)」、张子枫(チャン・ズーフォン)&吴磊(ウー・レイ)の「この夏の先には(2021)」 などにも出演している。
昨年は主演ドラマ「熟年 (2023) 」も放映された。

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黄婧仪(ホアン・ジンイー)

◯ 四五叔の妻となる四婶。

◯ 2017年にデビューし、劇場未公開作の「中学时代 (2018) 」でマカオ国際映画祭で新人賞を受賞する。ドラマ「云南虫谷 (2021) 」、马思纯(マー・スーチュン)&白客(バイ・クー)「江照黎明 (2022) 」などに出演している。

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