香港映画レビュー「レイジング・ファイア 怒火 Raging Fire」

レイジング・ファイア 怒火 Raging Fire

 

 

 

怒火レイジングファイアレイジング・ファイア


www.youtube.com 導演 #陳木勝 遺作《#怒火》(Raging Fire) 最新正式預告

 

 

 

【スタッフ & キャスト】

2021年香港
監督:陳木勝(ベニー・チャン)
出演:甄子丹(ドニー・イェン)謝霆鋒(ニコラス・ツェー)秦嵐(チン・ラン)呂良偉(レイ・ロイ)任達華(サイモン・ヤム)譚耀文(パトリック・タム)黃德斌(ケニー・ウォン)

 

 

 

【ストーリー】

正義感の強い香港警察のチョン警部(ドニー・イェン)は、麻薬組織の壊滅作戦中に同僚が殺害されてしまう。悔しさの中での捜査中、犯人はどうやら自分の元同僚であるンゴウ(ニコラス・ツェー)の一味であることが見えてくる。自分と同じく正義感に燃えていた筈のンゴウが一体何を企んでいるのか、チョン警部たちは彼らに立ち向かう。

 

 

 

【感想】

まさに映画館で爆音で見るのがふさわしい、最上級香港映画。とにかくニコラス・ツェーがカッコいい。格闘シーンも含めたアクションもいいし、佇まいそのものに深い凄みが備わっており、悪役としての存在感が圧倒的だった。
今まであまり香港アクションを見てきておらず、知識の面では多くの香港映画ファンには遠く及ばないが、それにしても超濃密な2時間で見終わった後はぐったりとしたほどだ。
ストーリーは堅実で、新鮮なアイデアで惹きつけるタイプではない。だが、腰の入ったアクションが始まるや怒涛の火力・爆音・カメラワークにキレのある動きで一気にヒートアップさせる。まさに職人芸だ。
また、シーンごとのビジュアルがいい。バイク対クルマでの格闘シーンや街中でのカーチェイスなども、引き締まったカットが作られており、いちいち画になるので観ながら唸ってしまう。何といっても白眉なのは後半の路上での銃撃戦シーンだ。黒スーツにサングラスでマシンガンケースを背負いながら、マシンガンの連射音の残響だけがビルにこだまする、さながら「HEAT」を思わせるシーンは、ピリピリする緊張感に溢れていて、本当に見ていて惚れ惚れする。
二人ともどちらも完全な善人/悪人では無く、過去にわだかまりを持つ渋みのある設定なのがいい。アクション目当てだと、少しそこら辺の心情描写に時間を取りすぎてるように見えるかもしれないが、これがあるからこそ主役のどちらにも思い入れたっぷりで見れたし、なによりニコラス・ツェーによるンゴウのキャラが一層深く印象に残る。彼のスピンオフを見てみたいと思うほど気に入った。

 

 

【トピック】

○ 監督の陳木勝(ベニー・チャン)は本作の公開を待たずに2020年8月23日、上咽頭がんにより58歳で逝去した。本作が遺作となる。


www.youtube.com
本作の会見で、陳木勝(ベニー・チャン)監督の話となり涙を流すドニー・イェンとニコラス・ツェー。

 

○ 当初は香港・中国大陸同時に7月30日公開予定だったが、香港のみ公開が8月19日に延期され、中国大陸版は「怒火·重案」というタイトルで先に公開された(重案とは重大事件の意で、正直なぜそれを追加する必要があったのかよくわからないが)。中国大陸では4週連続で興収ランキング1位をキープ。13億元(220億円)以上の興収となった。

 

○ 銃撃戦シーンは尖沙咀の北京道、Harbour City 香港海港城の正面(地図での右側)の路上の設定で撮影された。


www.youtube.com

 

○ 同僚が殺される壊滅作戦の撮影は荃灣にある海濱廣場のショッピングモール跡で行われた。

 

○ ドニー・イェンが二階から車に飛び乗るシーンは西環の美暉大廈だ。

 

○ ヤクを買い受けるマフィアのボスが潜んでいたスラム街は茶果嶺。ただ徐々に取り壊されつつあり、劇中のような風景は少なくなっているようだ。

 

○ 最後の決闘は九龍塘にある聖テレサ教会(聖德肋撒堂)との事。

 

 

www.teppayalfa.com

 

www.teppayalfa.com

 

www.teppayalfa.com