ラスト・ダンス - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】
伝統を描きながら現代的な考えで作られている。表現としてもストーリーとしても攻めた内容だが、常に俯瞰した目線もキープしていて、歴史上最もヒットした香港映画となった事からも、香港の奥深さを見せてくれる作品。
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【スタッフ & キャスト】
2024年 香港 127分
監督:陳茂賢(アンセルム・チャン)
出演:黃子華(ダヨ・ウォン / ウォン・ジーワー)、許冠文(マイケル・ホイ)、衛詩雅(ミシェール・ワイ)、朱栢康(チュー・パクホン)、周家怡(キャサリン・チャウ)、秦沛(ポール・チョン)
【あらすじ】
パンデミックにより仕事が立ち行かなくなったウェディングプランナーの道生(ドミニク)【黃子華(ダヨ・ウォン)】は、不本意ながら葬儀社に転職する。
最初は見解の違いから指南役の文(マン)【許冠文(マイケル・ホイ)】としばしば衝突する道生(ドミニク)だったが、やがて仕事を通して生と死の意味を理解するようになる。
東京国際映画祭より
【感想】
伝統を描きながら現代的な考えで作られている。表現としてもストーリーとしても攻めた内容だが、常に俯瞰した目線もキープしていて、歴史上最もヒットした香港映画となった事からも、香港の奥深さを見せてくれる作品。
筆者は本作を黄竹坑の英皇戲院 (THE SOUTHSIDE)で見たのだが、公開から既に数ヵ月経過しているのに未だに結構な観客が入っていて、上映中に笑いやすすり泣きも聞こえるほど、未だに熱量のある空気感を保っていたのが驚きでもあった。
香港の葬儀の慣習を見たことも無かった身には、まずは様々な驚きと発見がある映画で、その印象も強い分、たぶん香港の人々の強い共感とは違う感想だろう。ちょうどこの翌日に、劉青雲(ラウ・チンワン)が主演した息子によって母と子を殺された父親の物語「お父さん(2024)」を見たこともあり、それとの対比でもまた香港人の葬儀や死生観を考える事となった。
冒頭から、土葬された遺体を再び取り出して整える=洗骨のシーンがあり、劇中でも遺体を隠さずに映していてショッキングでもあるので、見る際には注意が必要だ。
だがそうして隠さずに見せるお蔭でこの仕事の本質も理解できるし、それがこれを生業とする許冠文(マイケル・ホイ)演じる文(マン)の一家と、黃子華(ダヨ・ウォン / ウォン・ジーワー)演じる道生(ドミニク)の覚悟を理解する入口にもなる。
特に前半は、道生(ドミニク)の目線から香港の葬式と、遺族の思い、そこに関わる人々、宗教、伝統を淀みなく、そしてそれ1つずつでも充分に重みのあるドラマを絡めながら描かれていく。
落ち着いたトーンだがとても濃度の高い展開で、1度見ただけだと中々全てを把握しきれていなかったが、改めて見るとじわじわと彼らの生活、人生の深い部分へと分け入っていくような感覚になっていった。
やはり主演の黃子華(ダヨ・ウォン / ウォン・ジーワー)と許冠文(マイケル・ホイ)の強い存在感が、とてつもなく頼もしい。特に黃子華(ダヨ・ウォン / ウォン・ジーワー)の細やかな表情や仕草によって、どのシーンでも画面全体の深みや密度のようなものがアップしていて、色んな感情が同時に伝わってくる。
そして許冠文(マイケル・ホイ)は、もう画面にいるだけでキマるというか、まるで演技してないかの様な存在感の重さだ。本人の性格は真反対だそうだが、口数が少なく、口を開けば気難しさが溢れる前半の印象が、後半でガラリと変わっていく。
この映画がより一層凄いのは、どの登場人物も強い印象を残すところだ。
遺族である乱暴な男、男の妻の親友であった女性、息子を失った母、食堂の叔母さん、道生(ドミニク)の内縁の妻…誰もが忘れられない、深みのある人々。
なによりも文(マン)の子である兄妹を演じた朱栢康(チュー・パクホン)と衛詩雅(ミシェール・ワイ)は、筆者が過去に見た彼らの作品ともまるで違っていて、2人とも今後はこれが代表作になるのでないだろうか。朱栢康(チュー・パクホン)は大量の映画に出演しているがこんなに深みのある役は「私のプリンスエドワード(2019)」以上だし、同じ衣裳をまとって葬儀に出ているのに、前半とクライマックスシーンでの存在感の違いには驚きすらあった。
そして妹・郭文玥(ユッ)役の衛詩雅(ミシェール・ワイ)。一年間この役作りの為に全ての仕事をキャンセルしたという、その成果が捉えられたクライマックスシーンは、彼女の想いも塗り込められたかのような、香港の伝統とはこうして作られてきたのだ!という宣言にも似て、観客に迫ってくるものがあった。
正直に言えば、初めて見た時は自身の無理解ゆえに鑑賞中も不思議に思うところもあった。フェミニズムな展開を見せるシーンもあるが、これがどれくらいとんでもない事なのかとか、道生(ドミニク)と文(マン)が歌う古い歌の事、数々の広東語ジョークなどなど、日本人が全てを理解するのは難しいかもしれない。しかしそれらをある程度把握して見る2回目は、驚くほど自然に見ていける。そして、より一層彼らの心情へとフォーカスしていけた。
これは何度も見る価値のある映画だ。父親・文(マン)の深い思い、道生(ドミニク)の妻とのやり取り、そして兄妹の父への複雑な念…どれも普遍的でもあるが、すべてのストーリーに香港社会ならではの事情が織り込まれ、そして最後のシーンはアクション映画でもある。同じく歴史的大ヒットとなった「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」とは180度違った意味で、香港が好きで香港映画が好きな人には欠かせない要素がいっぱい詰まった素晴らしい作品だった。見れば見るほど感じるものがある。
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【トピック】
◯ 本作は2024年10月2日にハワイ国際映画祭でワールドプレミア。2024年11月9日に香港で一般公開された。2025年4月4日からは加長版が香港で公開となる。
◯ 日本では2024年10月28日からの東京国際映画祭で上映、同年11月1日からの香港映画祭 Making Wavesでも上映された。
2025年3月14日からの大阪アジアン映画祭では、恐らく翌月に香港でも公開される加長版=ディレクターズカット版(サイトでの表記は導演版)が公開。
◯ 映画のレーティングは「子供や青少年の鑑賞には成人保護者の助言や指導が適当」というIIB指定がついている。
◯ 本作は香港金像奨で脚本賞、主演女優賞、助演男優賞、音楽賞、歌曲賞の5冠受賞、今回最多の18部門ものノミネートとなった。
ロケ地
◯ 撮影は2024年1月から3月、紅磡地区とそこにある葬儀場・万国殯儀館、墓地である沙灣の東華義莊などで行われた。
大ヒット作へ
◯ 今作は公開当初から大ヒットとなり、その後も続々と記録を塗り替え、歴史を変えるスーパーヒット作へと成長した。
まず「コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義(2016)」が持っていたオープニング興行収入の最高記録と、香港映画の初日入場者数の最高記録を更新。公開2日間の興収で「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024)」の3日間の記録を突破、黃子華(ダヨ・ウォン / ウォン・ジーワー)の大ヒット主演作「6人の食卓(2022)」と「毒舌弁護士(2023)」の記録も破った。公開8日後の11月16日には香港映画の単日興行収入最高記録を樹立。
公開28日後には香港での興収1億1000万香港ドルを突破し、「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024)」だった2024年中華映画興収トップとなる。翌日には画像の通り、1億2200万香港ドルに達して「毒舌弁護士(2023)」の持つ香港歴代興収記録第一位の中華映画の座を塗り替えた。
現在、全映画での2024年興収第1位作品となり、香港歴代興収記録でも「アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)」、「アバター(2009)」、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)」に次ぐ第4位にまで上昇している。
2025年1月6日時点での興行収入は1.6億香港ドル(30.5億円)だが、4ヶ月後の現在もなお公開は続いている。
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香港の葬式と「破地獄」
◯ 本作の舞台は紅磡地区。紅磡駅の北東側には殯儀館と呼ばれる葬儀場が集まっており、斎場や葬祭用品の店が軒を連ねている。
香港の葬儀はキリスト教や仏教、そして無宗教も増えているが、伝統的には道教に則っての葬儀が多く、そこでの「遊十殿」や三途の川を渡る「過橋」といった儀式の間に行われる儀式が、タイトルにもなっている「破地獄」である。
これは、例えば中国映画「西湖畔に生きる(2024)」にも登場した、日本でもお盆=盂蘭盆会(うらぼんえ)の由来となる「目連救母」の伝説が元になっていて、子を思うが故にした行為で地獄に落とされ、成仏できない亡き親の魂を救い出す子の行為をなぞっている。
若い人が亡くなった際に行うことが多い儀式のようで、劇中のように年配者に行う事は少ないようだ。また、女性の道士もいるが、数は多くないようだ。
※余談だが、謝霆鋒(ニコラス・ツェー)&劉青雲(ラウ・チンワン)主演のミステリー映画「驚心破(2016)」は、当時台湾やシンガポールでは上映の際に「破地獄」と改題されていて、半ば同名作品となっている。
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2人が話す歌:南音「客途秋恨」
◯ 劇中、茶餐廳で道生(ドミニク)と文(マン)が古い歌について話し、仲良くなるシーンがある。
この歌は「客途秋恨」という、19世紀後半に珠江デルタ地域で生まれた伝統歌曲「南音」の代表的な曲で、後に同名の広東オペラ=粵劇や映画にもなった。南音自体も、広東ポップが取って代わる1970年代頃まで、粤曲と共に民衆に広く親しまれていた。
歌詞は、二度と会えないであろう人を想い嘆いている内容を歌っている。
關錦鵬(スタンリー・クワン)監督「ルージュ(1987)」内では、梅艷芳(アニタ・ムイ)が張國榮(レスリー・チャン)に向かってこの曲を歌うシーンがある。
下の動画で歌っているのは、1950~60年代に数多くの粵劇や映画に出演、粵曲にも多大な功績を残した俳優・歌手の新馬師曾(サン・マーシーチャン)。返還直前の1997年4月に80歳で死去した。
www.youtube.com 【客途秋恨】新馬師曾 (卡啦OK字幕)【唯一製作】
陳茂賢(アンセルム・チャン)
◯ 監督の陳茂賢(アンセルム・チャン)は、もともとは競馬評論家になりたくて高校生の頃から競馬雑誌の業界に入り、後に映画監督・王晶(ウォン・ジン / バリー・ウォン)所有の競馬雑誌編集部に入社した。
そこで王晶(ウォン・ジン / バリー・ウォン)に文才を気に入られ、脚本家としての手ほどきを受ける。二十歳頃から映像業界に入りドラマ脚本に関わっていく。数年中国で活動した後、監督/俳優の谷徳昭(ヴィンセント・コク)に請われて香港へ戻り、喜劇映画「百星酒店(2013)」、「六福喜事(2014)」などの脚本を手掛ける。
2021年に監督脚本した映画「不日成婚(2021)」、そして続編「不日成婚2(2023)」が公開。今作は監督第3作目となる。
黃子華(ダヨ・ウォン / ウォン・ジーワー)
◯ 魏道生(ドミニク)。ウェディングプランナーだったが、コロナ禍で仕事が激減。妻の父がやっている葬祭業を始める事を決意する。
◯ 漫談的なスタンダップコメディでの大人気コメディアンとして1990年代から大活躍し、ドラマや映画にも多数出演しているが、2018年でコメディのステージからは引退。映画での代表作は「マジック・タッチ(1992)」、「乜代宗師(2020)」、「棟篤特工(2018)」、ドラマでは「復讐のプレリュード(1995)」、「狀王宋世傑(貳)(1999)」、「男親女愛(2000)」など。
主演した映画「6人の食卓(2022)」が記録的に大ヒットし、さらに翌年の「毒舌弁護人(2023)」もそれを上回る大ヒット、そして本作と、直近の主演3作がすべて歴史的大ヒットという再ブレイクと言える状況になった。
許冠文(マイケル・ホイ)とは本作で「マジック・タッチ(1992)」以来、32年ぶりの共演となっている。
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許冠文(マイケル・ホイ)
◯ 文哥、Hello哥こと郭文(マン)。道生(ドミニク)の受けた葬儀を執り行う道士(喃嘸師)。
◯ 「Mr.BOO!ギャンブル大将(1976)」や「Mr.BOO!インベーダー作戦(1978)」をはじめとする大ヒット作「Mr. Boo!」シリーズで監督・主演し、特に日本で大人気になると共に、ゴールデン・ハーベストならびに香港映画界を代表する人気俳優となった。他に「ホンコン・フライド・ムービー(1988)」など。
最近の映画出演はそれほど多くはないが、台湾映画「ゴッドスピード(2016)」や、郭富城(アーロン・クォック)&梁朝偉(トニー・レオン)主演で70年代の汚職警察を描いた「風再起時(2022)」に出演。本作直後に公開された甄子丹(ドニー・イェン)監督・主演作「プロセキューター(2024)」にも出演している。
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衛詩雅(ミシェール・ワイ)
◯ 文(マン)の娘、郭文玥(ユッ)。救命救急士をしている。
◯ 今作で香港金像奨・主演女優賞を受賞した。
衛詩雅(ミシェール・ワイ)は本作での所作を覚えるため、1年間すべての仕事をキャンセルして役作りに臨んだという。
1984年生まれで大学卒業後、有名宝飾店・六福集団で販売員をしながらモデル業も開始。事務所の紹介からTVBドラマ「盛裝舞步愛作戰(2008)」で俳優デビューする。
代表作は今作・陳茂賢(アンセルム・チャン)監督の映画「不日成婚(2021)」、そして続編「不日成婚2(2023)」となるが、それ以外にも「77回、彼氏をゆるす(2017)」や「洩密者們(2018)」、「ホワイト・ストーム(2019)」、「海關戰線(2024)」などがある。
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朱栢康(チュー・パクホン)
◯ 文(マン)の息子、郭志斌。望まぬ形で父の跡を継いでいる。
◯ 今作で香港金像奨・助演男優賞を受賞した。
最近の香港映画では彼の姿を見ない作品は無いほど、無数の映画に出演している名脇役だ。
そもそもは、弟である朱栢謙(ジュー・パクヒム)とのバンドでの音楽活動で知られるようになった。「私のプリンスエドワード(2019)」でのクズな男役で知られるようになり、「香港の流れ者たち(2021)」、「星くずの片隅で(2022)」、「白日の下(2023)」、「離れていても(2023)」、そして話題のアクション映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024)」と、続々と話題作に出演を続けている。
「作詞家志望(2023)」で台湾金馬奨、香港金像奨でそれぞれ助演男優賞にノミネートされた。
◯ 弟・朱栢謙(ジュー・パクヒム)も「白日青春(2022)」、「正義迴廊(2022)」、「星くずの片隅で(2022)」、「白日の下(2023)」などなど、出演作が増加中だ。
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その他の俳優
◯ 道生(ドミニク)と同居している内縁の妻、曾美玉役は周家怡(キャサリン・チャウ / チョウ)。
1979年生まれで、1998年にデビュー以来数多くのドラマ・映画に出演。
主な作品は香港電視(HKTV)ドラマ「導火新聞線(2015)」や「瑪嘉烈與大衛系列 綠豆(2016)」、ViuTV「反起跑線聯盟(2022)」など。
映画では「プロジェクト・グーテンベルク 贋札王(2018)」や「深夜のドッジボール(2022)」などがある。
◯ 道生(ドミニク)の妻・美玉の父親であり、いわゆる洗骨を行う、葬儀場を文(マン)と共同経営者・明叔は秦沛(ポール・チョン / チョン・プイ)が演じた。
両親とも俳優をしている一家で九龍城塞にて生まれ育ち、5歳の頃から子役として映画などに出演し、大学卒業後はそのまま俳優となる。
代表作に「野獣たちの掟(1988)」、「つきせぬ想い(1993)」、「フル・スロットル/烈火戦車(1995)」、「桃さんのしあわせ(2011)」、「共謀家族(2019)」などがある。
なお、最近だと「白日の下(2023)」や「臨時強盗(2024)」に出演している姜大衛(デビッド・チャン)は実の弟、「從今以後 All Shall Be Well(2024)」に出演の李琳琳(マギー・リー)はその妻=義妹、そして名監督・爾冬陞(イー・トンシン)は親戚という映画一族である。
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◯ 息子を亡くしたものの、悲嘆のあまり埋葬できなくなってしまった母・甄小姐。演じたのは韋羅莎(ロサ・マリア・ヴェラスコ)。
スペイン系アメリカ人の父と台湾人の母との間に台湾で生まれる。その後香港で育ち、俳優となってからは舞台劇を中心に活動。
映画では「暗色天堂(2016)」や「77回、彼氏をゆるす(2017)」、「ランアウェイ 香港脱出(2017)」、「アニタ 梅艷芳(2021)」、「全世界どこでも電話(2023)」、「年少日記(2023)」、「談判專家(2024)」などに出演。陳茂賢(アンセルム・チャン)監督の前作「不日成婚2(2023)」にも出演している。
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◯ 熙雯の夫・黎先生を演じたのは白只(マイケル・ニン / バイ・ジー)。「九龍猟奇殺人事件(2015)」の犯人役で知られるようになったが、元々はギタリストであり舞台劇での俳優・演出として活躍していた。
「九龍猟奇~」で香港金像奨・助演男優賞を受賞。以来、「大楽師(2017)」、「アニタ 梅艷芳(2021)」、「風再起時(2022)」、「別叫我"賭神"(2023)」、さらに昨年のヒット作「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件(2023)」や「盗月者 トウゲツシャ(2024)」など、年々重要作への出演が増している。
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◯ 熙雯の親友・蘇蘇。演じた梁雍婷(レイチェル・リョン)は、「どこか霧の向こう(2017)」での猟奇的な少女を演じて香港金像奨新人賞ノミネート。
名匠陳木勝(ベニー・チャン)の遺作アクション「レイジング・ファイア(2021)」などにも出演しているが、特に香港新世代映画の良作「縁路はるばる(2022)」でさらに知られる事となる。
以降「流水落花(2022)」、「燈火(ネオン)は消えず(2022)」、「正義迴廊(2022)」、「年少日記(2023)」 、「從今以後(2024)」と立て続けに新世代の映画に出演。「白日の下(2023)」での素晴らしい演技で香港金像奨・助演女優賞を受賞した。
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◯ 食堂の店主である蓮姐こと曾淑蓮を演じたのは金燕玲(エレイン・ジン) 。1970年代以来数多くの映画に出演し、香港金像奨で4度、台湾金馬奨で2度の助演女優賞を獲得した、まさに名脇役。
映画「チョウ・ユンファの 地下情(1986)」、「人民英雄(1987)」で2年連続、さらに「九龍猟奇殺人事件(2015)」、「誰がための日々(2016)」で再び2年連続の香港金像奨・助演女優賞受賞。「エドワード・ヤンの恋愛時代(1994)」と「誰がための日々(2016)」で台湾金馬奨・助演女優賞を2度受賞している。
陳茂賢(アンセルム・チャン)監督の前作「不日成婚2(2023)」でも香港金像奨・助演女優賞にノミネートされた。
◯ 助手・SUEYを演じたのは鍾雪瑩(ジョン・シュッイン)。「黄昏をぶっ殺せ(2022)」では香港金像奨・助演女優賞&新人賞ノミネート、さらに「作詞家志望(2024)」で香港金像奨・主演女優賞ノミネート、そして本作の後「私たちの話し方(2024)」で台湾金馬奨受賞と一気に映画賞常連俳優の一員となった素晴らしい才能の俳優だ。
それ以外にも「アニタ 梅艷芳(2021)」、「ゼロからのヒーロー(2021)」、「正義迴廊(2022)」などに出演している。
◯ また填詞人(作詞家)でもあり、「作詞家志望(2024)」で共演した鄧麗英(エミー・タン / タン・ライイン)や陳毅燊(アンソン・チャン Ansonbean)だけでなく歌神・陳奕迅(イーソン・チャン)、MIRROR・柳應廷(ジェール・ラウ)らの楽曲も手掛けている。
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