風林火山 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】
とにかく暗く美しいハードボイルドな異世界を作り出した美術と映像が素晴らしい。難解と評されるストーリーや超豪華なキャスト陣も、すべてこの世界観を味わうため。何度でも見返して、何年先でも味わえる素晴らしい映像美。
www.youtube.com 風林火山 Sons of the Neon Night | 正式預告片 ｜ 10.1 動如雷震
【スタッフ & キャスト】
2025年 香港 125分
監督：麥浚龍（ジュノ・マック）
出演：金城武、劉青雲（ラウ・チンワン）、古天樂（ルイス・クー）、梁家輝（レオン・カーフェイ）、高圓圓（高圆圆、カオ・ユアンユアン）
【あらすじ】
1994年、核の冬で雪に見舞われた銅鑼湾（コーズウェイベイ）で、前代未聞の大規模テロが発生。街頭での無差別発砲で多数の負傷者が病院に殺到。さらに銃撃の3時間後、爆弾を抱えた男が病院で自爆テロを決行した。
こうした混乱の中、李霧童【金城武】は父・李珀山の死によって橋言集團を受け継ぎ、会社が行っていた麻薬取引を止めようと画策。黒社会や香港警察は混乱に陥っていく。
【感想】
とにかく暗く美しいハードボイルドな異世界を作り出した美術と映像が素晴らしい。難解と評されるストーリーや超豪華なキャスト陣も、すべてこの世界観を味わうため。何度でも見返して、何年先でも味わえる素晴らしい映像美。
非常に期待値も高く多くの人から見たいと言われている本作だが、筆者はクアラルンプールでの公開後に観ることができた。香港をはじめ既に各国で公開は始まっているのだが、実は人々の評価は高いとは言えない。多くはストーリーの説明不足によるもののようだが、筆者はそれを差し置いても大変良かったと言いたい。いつまでも語られるに値する傑作だと思うほどなので、ぜひとも日本公開されて多くの人に観てほしい。
確かにストーリーは難解だ。話によると大幅なカットを繰り返し、出演シーンが失くなった俳優もおり、その為に繋がりのわからない展開もある。筆者は都合により深夜12時から見たこともあり、数人の観客と見ていたが、（相関図が必要なくらいの）登場人物の多さもあって徐々にストーリーの把握が覚束なくなり、意識が遠くなったり、字幕を追う気が失せてくる瞬間も確かにあった。
だが見終わって、ストーリーはそれほど重要ではない気がした。数多くのオマージュが盛り込まれているが、基本的には任侠と血族のルールが支配する香港映画的な物語だと感じた。話によると既に360分=6時間もの長尺の完全版が存在するという事なので、麥浚龍（ジュノ・マック）監督もおそらくストーリーより見せたいシーンを優先する方針で公開版の編集をやったのだと信じたい。
それほどまでに映像から見せる異世界・香港の圧倒的なイメージに引き込まれる。オープニングからのいきなりの名シーンである、雪の銅羅湾。しんしんと降り積もる香港そごう前の交差点を行き交う人々という、ありえない風景が現出する。ハードボイルドな緊張感と静謐さは、この映画全編に貫かれたキーだが、それを打ち破ってアクションが炸裂する。
あらゆるシーンでセットは丁寧に作り上げられている。クラシックでありモダンアート的でもある価値観で小物一つずつまで吟味され、そこに金城武や劉青雲（ラウ・チンワン）、古天樂（ルイス・クー）ら主役となるべき俳優たちがただ佇むのに近い、抑えた演技で画面の中に据えられる。彼ら1人ずつが背負っている濃厚なバックストーリーを、語ることなく佇まいで物語る。まるで写真集が動いているかのような、または小説のMVを見ているような、小物や衣装ひとつずつに物語が設定されているような、緻密な映像の集まりだ。
音楽は坂本龍一がテーマ曲を書いたことが謳われているが、前作からの続投であるネイト・コネリーによる劇伴もいい。常にスパイスのように違和感のある音色が入り、この信用ならない世界の緊張感を連想させる。
大変満足して見終わった一方で、レビューで指摘されている事も理解できる。だが監督の作風は前作からテーマは違えど大きく変わっていないと感じたし、見せたい画を見せる事を前作以上に徹底したという事なら、観る前から予想された事ともいえる。前作との違いはその圧倒的な造り込みで、なんなら造り込み過ぎて入りきってないというレベルだ。
ぜひ完全版を公開し、そして彼らの物語を描いた続編やスピンオフを描いてほしい。劉青雲（ラウ・チンワン）の娘との日々、金城武と高圓圓（高圆圆、カオ・ユアンユアン）の出会い、古天樂（ルイス・クー）の生い立ちやチームの成り立ち、見てみたい数多くのエピソードはすべて匂わせただけで終わっている。そうした周辺のストーリーがあれば、より一層この映画の世界が広がっていく可能性を持っている。
だが公開までに失われた8年という歳月は、再びこのメンバーで撮影するには少々時間が経ち過ぎているかもしれない。ぜひいろんな形でこの世界観をより深く味わえるようになってほしいし、そのためにもまずは日本公開してほしいと強く願う。
【トピック】
◯ 2025年5月17日にカンヌ映画祭ミッドナイト部門でワールド・プレミア。国慶節連休に合わせた10月1日から香港・中国大陸で全国公開された。
公開初週の興収ランキングは香港で「劇場版 チェンソーマン レゼ篇（2025）」に次ぐ2位、中国大陸では陈凯歌（チェン・カイコー）監督の3部作大作の3作目である「志愿军：浴血和平 (2025) 」や話題作「731（2025）」などに次ぐ5位に入った。
興行収入は香港は10月19日時点で974万香港ドル（1.9億円）、中国大陸では10月22日時点で9100万元（19.3億円）。
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◯ 日本では10月27日からの東京国際映画祭・ガラ・セレクションで上映予定。
◯ 監督の麥浚龍（ジュノ・マック）。病院に侵入する潜入捜査官役も演じている。
◯ 自動車販売や投資を手掛けている上場企業・中建富通社長の息子で、香港で生まれたものの小学生の頃からカナダで生活。2002年にTRFのSAMからダンスのレッスンを受けた後に歌手としてデビュー。ヒット曲も歌い、同時に演技の活動も始める。映画「ドリーム・ホーム（2010）」や蒼井そらと共演の「復讐の絆（2010）」などに出演。
そして初監督作としてホラー/アクションの「キョンシー／リゴル・モルティス 死後硬直（2013）」 を公開した。プロデュースはJホラーの名作「呪怨（2002）」の清水崇監督。本作はそれ以来の監督2作目となる。
◯ 本作は香港で、日本で言うR指定となる第III級電影（三級片）の指定を受け、18歳以上のみ鑑賞可能となった。
◯ 本作は当初、麥浚龍（ジュノ・マック）の監督2作目の作品として2013年には英文タイトルや脚本執筆が始まり、2015年のFILMARTで公表された。2017年5月にクランクイン、2018年3月頃には一旦クランクアップして2019年公開を目指したが、以来コロナ禍の期間も含む毎年公開延期のアナウンスがなされ、2022年から更なるポストプロダクション、視覚効果作業の後、遂に当初の撮影から8年を経て公開へと至った。
◯ 制作費は最終的に4億香港ドル（約78億円）に達した。銅羅湾のシーンは、広東省恵州の製鉄工場跡地に3ヶ月かけて同寸で作り上げ、小物類はそれぞれ許可を取得して再現するほど作り込んである。
◯ 撮影時に事故もあり、再撮影を拒否する俳優がいたという話も出ていて、それらについて例えば監督の王晶（ウォン・ジン / バリー・ウォン）が批判的コメントをするといった事も起こっている。
[流言板]电影《风林火山》导演麦浚龙被曝要求替身演员真实上吊-娱乐圈-虎扑社区
◯ 編集の黃海は2024年に132分の公開版、180分のディレクターズ・カット版、360分の完全版が存在すると語っているが、今年10月から実際に一般公開されたバージョンは125分と、カンヌ映画祭で公開された132分版より更にカットされている。
◯ 音楽は坂本龍一が担当している。
◯ 数多くの香港映画へのオマージュ、中でも王家衛（ウォン・カーウァイ）の影響と共に、以下の映画の影響を指摘されている。
「ドラゴンへの道（1972）」、「天使の涙（1995）」、「ラヴソング（1996）」、「デッドポイント 〜黒社会捜査線〜（1998）」、「花様年華（2000）」、「ドリフト（2000）」、「インファナル・アフェアII 無間序曲（2003）」、「エレクション 黒社会（2005）」、「スリ（2008）」、「Laughing Gor之變節（2009）」、「レクイエム 最後の銃弾（2013）」
金城武
◯ 李珀山の次男。父から橋言集團を受け継いだ後は麻薬密売から手を引きたいと考えていた。
◯ 説明不要のトップスター。映画出演は周冬雨（チョウ・ドンユイ）と共演した「恋するシェフの最強レシピ（2017）」以来となる。
劉青雲（ラウ・チンワン）
◯ 港警・薬物捜査班の王志達。橋言集團に潜入捜査を行っている。
◯ 今や言わずとしれた香港映画のトップスターを張る大御所。
「我要成名（2006）」、「インターセプション 盗聴戦（2014）」、「神探大戦 （2022）」で香港金像獎・主演男優賞をすでに3度受賞、「奪命金（2011）」で台湾金馬奨受賞。
最近も「インテグリティ／煙幕（2019）」、「バーニング・ダウン 爆発都市（2020）」、そして2022年は「神探大戦」と年間香港興収1位の「未来戦記（2022）」と、主演作が続々ヒット。直近は「ホワイト・ストーム 世界の涯て（2023）」と「談判專家（2024）」という邱禮潯（ハーマン・ヤウ）監督2作に連続主演。家族内の殺人事件に直面した父親を描いた良作「お父さん（爸爸、2024）」で4度目の香港金像奨・主演男優賞を受賞した。
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古天樂（ルイス・クー）
◯ 殺し屋チーム「清掃班（清潔工）」として生きてきた程文星。身寄りは誰もいない。
◯ 1990年代から数多くのドラマ・アクション映画などで活躍してきた香港を代表する俳優・歌手。1990年代後半からドラマ「神鵰俠侶 (1995）」や「尋秦記 タイム・コップB.C250（2001）」などで人気となる。
映画は更に無数の作品に出演しているが、杜琪峯（ジョニー・トー）監督「エレクション 死の報復（2006）」や「ドラッグ・ウォー 毒戦（2012）」、「Zの嵐（2014）」からの風暴シリーズ、「ドラゴン×マッハ！（2015）」や「SPL 狼たちの処刑台（2017）」の殺破狼シリーズ、「未来戦記（2022）」などのアクション映画で知られる。アニタ・ムイの伝記映画「アニタ 梅艷芳（2021）」にも出演。昨年は大ヒット作「トワイライト・ウォリアーズ 決戦！九龍城砦（2024）」で主役・龍捲風（ロンギュンフォン）を演じ、救急救命士の物語「バイタル・サイン（2023）」が最近作となる。
2013年には「天下一電影」という制作会社を設立。本作の制作の他、映画「6人の食卓（2022）」や「闔家辣（2022）」などの数多くの映画に出資、更に数多くの映画に機材をレンタルしたり、多くの俳優をマネージメントするなど、香港映画界に大きな存在感を示している。
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梁家輝（レオン・カーフェイ）
◯ 警察官を引退していた狄文傑。王志達とは良き友人。
◯ なんといっても「愛人 ラマン（1992）」の主演で知られているが、膨大な数の映画出演キャリアがある香港人俳優。
初期の主なところでは「火龍（1987）」、「ロアン・リンユィ／阮玲玉（1991）」、「炎の大捜査線（1991）」、「楽園の瑕（きず）（1994）」、「南京の基督（キリスト）（1995）」など。主演作「西太后（1984）」、「黒薔薇VS黒薔薇（1992）」、「エレクション 黒社会（2005）」の3作で香港金像奨主演男優賞を受賞し、「大丈夫（2003）」で助演男優賞を受賞した。
最近も、「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義（2012）」と続編「コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義（2016）」、それに主演作「追龍2：贼王（2019）」、中国映画「愛してる！ （我爱你！ 2023）」など、精力的に出演を続けている。
今年は本作の前に、ジャッキー・チェン主演作の中でも大ヒットを記録している犯罪映画「シャドウズ・エッジ（2025）」で敵側の主要キャストを演じている。
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高圓圓（高圆圆、カオ・ユアンユアン）
◯ 精神科医で薬剤師でもある劉思欣。李霧童と交際している。
◯ 中国・北京生まれ。1990年代後半、10代の頃からCMモデルとして大活躍したが、俳優としても活動を開始。映画「开往春天的地铁 (2002) 」で百花奨・助演女優賞ノミネート、ジャッキー・チェンの香港映画「プロジェクトBB（2006）」で百花奨・主演女優賞ノミネート。吳彦祖（ダニエル・ウー）、古天樂（ルイス・クー）と共演した「独身の行方（2011）」では香港金像奨・主演女優賞にノミネートされるなど、香港映画での活動も多い。
その他、南京大虐殺を描いた「南京！南京！（2009）」や李连杰（ジェット・リー）主演「海洋天堂（2010）」、トレンディ映画「咱们结婚吧 (2013) 」や「搜索 (2012) 」などに主演。宮崎駿監督作「君たちはどう生きるか（2023）」の中国版では、木村佳乃が演じた夏子の声を演じている。
昨年は都市での市民生活を描いた良作の中国映画「最高でも、最低でもない俺のグッドライフ（走走停停、2024）」でヒロインを演じた。
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衛詩雅（ミシェール・ワイ）
◯ 港警・薬物捜査班の細佬：衛詩雅（ミシェール・ワイ）
モデル業からTVBドラマ「盛裝舞步愛作戰（2008）」で俳優デビュー。代表作は陳茂賢（アンセルム・チャン）監督の映画「不日成婚（2021）」とその続編「不日成婚2（2023）」、そして同監督の大ヒット映画であり自身も香港金像奨・主演女優賞を射止めた「ラスト・ダンス（2024）」である。
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劉永（トニー・リュウ）
◯ 転勤した元・薬物捜査班メンバーの阿杜：劉永（トニー・リュウ）
「ドラゴン危機一発（1971）」以来ブルース・リー映画のほぼすべてに出演しており、70年代にショウ・ブラザースで活躍した俳優。
吳嘉龍（カール・ン）
◯ 王志達の部下・大鬼（Alex）：吳嘉龍（カール・ン）
主な出演作は「香港国際警察／NEW POLICE STORY（2004）」や「アイアン・フィスト2（2015）」。モデルとしても活動している。
姜珮瑶（ジアン / ジャン・ペイヤオ）
◯ 殺し屋チーム「清掃班」のメンバー・小葉：姜珮瑶（ジアン / ジャン・ペイヤオ）
1994年北京生まれ。 香港映画「インビジブル・スパイ（2019）」と中国ドラマ「Go!Go!シンデレラは片想い（2018）」への出演で一気に知られる事となる。
ドラマ「始まりは君の嘘（2022）」や「愛なんて、ただそれだけのこと（2023）」や「边水往事 (2024) 」などに出演している。
鮑起靜（パウ・ヘイチン）
◯ チーム「清掃班」メンバーで銃器の管理を担当している歡姐：鮑起靜（パウ・ヘイチン）
監督の前作「キョンシー／リゴル・モルティス 死後硬直（2013）」 にも出演している。
1960年代から多くの映画・ドラマに出演。最近では「修羅の剣士（2016）」、「私のプリンス・エドワード（2019）」、「一家の主（2022）」、「餃子クイーーン！（2025）」などがある。
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盧冠廷（ローウェル・ロー）
◯ 質屋の主人でありチーム「清掃班」メンバー・奀叔：盧冠廷（ローウェル・ロー）
歌手として知られているが、特に数多くの香港映画への楽曲提供で知られていて「誰かがあなたを愛してる（1987）」、「ゴッド・ギャンブラー（1989）」、「狼／男たちの挽歌・最終章（1989）」などに提供すると共に出演もしていた。
杜德偉（アレックス・トー）
◯ 国外逃亡していた李霧童の兄・李文狄：杜德偉（アレックス・トー）。
歌手として知られていて、1980年代から活躍。過去30枚以上のアルバムをリリースし、昨年は40周年ツアーを開催した。
俳優としても黎明（レオン・ライ）主演の映画「スパイチーム（2000）」や中国映画「レジェンド・オブ・ドラゴンテイマー 降龍十八掌（2021）」などに出演している。
林俊賢（ウィルソン・ラム）
◯ 橋言集團の重役・鬼叔：林俊賢（ウィルソン・ラム）。
1960年生まれで、TVBの大ヒットドラマ「男兒本色（1987）」や「上海大風暴（1989）」への出演で、周星馳（チャウ・シンチー）や梁朝偉（トニー・レオン）、劉青雲（ラウ・チンワン）らと並ぶTVBの人気俳優のひとりであった。一度芸能界を引退していたが、2013年頃から活動再開。本作出演のために2017年に邵氏兄弟（ショウ・ブラザース）と再び契約した。
任賢齊（リッチー・レン）
◯ 劉思欣の助手・阿焦：任賢齊（リッチー・レン、 画像右）
台湾出身の歌手であるが、数多くの香港映画にも出演。「ブレイキング・ニュース（2004）」、「エグザイル／絆（2006）」、「奪命金（2011）」などの杜琪峯（ジョニー・トー）監督作品を筆頭に、林超賢（ダンテ・ラム）監督「コンシェンス 裏切りの炎（2010）」、「大樹は風を招く（2016）」、台湾映画「若葉のころ（2015）」などに出演している。大ヒット作「トワイライト・ウォリアーズ 決戦！九龍城砦（2024）」にも出演している。
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王德順（王德顺、ワン・ダーシュン）
◯ 李霧童兄弟の父親であり、橋言集團の創業者・李珀山：王德順（ワン・ダーシュン）。
1936年瀋陽生まれの中国人。20代は瀋陽の軍の劇団員を経てパントマイムなどのパフォーマンスで知られるようになっていく。60代に入った2000年からドラマなどに出演を開始。中井貴一も出演した中国映画「ヘブン・アンド・アース（2003）」や大ヒットドラマ「闖関東（ちんかんとう、2008）」、映画「グォさんの仮装大賞（2013）」などに出演。今年公開の大ヒットアニメ「ナタ 魔童の大暴れ（2025）」では南極老人の声を担当している。
2015年の北京でのファッションショーで、79歳ながら鍛えられた上半身を見せてランウェイを歩くシーンで一躍知られることとなった。
甘國亮（カム・コクリョン）
◯ 李霧童の相棒・巨肺叔：甘國亮（カム・コクリョン）。
1950年生まれで様々なメディアで活躍する脚本家、俳優、監督。その長いキャリア中に王家衛（ウォン・カーウァイ）、王晶（ウォン・ジン / バリー・ウォン）、杜琪峯（ジョニー・トー）ほか数多くの才能を発掘したことでも知られている。
盧海鵬（ロー・ホイパン）
◯ 李珀山の協力者であった蛇叔：盧海鵬（ロー・ホイパン）。
監督の前作「キョンシー／リゴル・モルティス 死後硬直（2013）」 にも出演している。
1941年生まれ。1970年代からTVBのバラエティ番組「歡樂今宵」でお笑いやモノマネなどをしていたが、一旦引退してカナダへ移住。その後復帰して俳優として活動する。
映画「奪命金（2011）」で香港金像奨・助演男優賞を受賞したほか、「柔道龍虎房（2004）」や「スリ（2008）」、「レクイエム 最後の銃弾（2013）」など杜琪峯（ジョニー・トー）作品を中心に数多くの映画に出演している。
その他の俳優
その他、以下の俳優たちも出演している。
◯ 李珀山の協力者・阿鼠：程東（チン・トン）。
「ゴッド・ギャンブラー II（1990）」で超能力者や「獄中龍（1990）」での蝦米で知られている名脇役。麥浚龍（ジュノ・マック）監督も好んでいたという。
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◯ 食堂の主人：張堅庭（アルフレッド・チョン）。
脚本家として参加した周潤發（チョウ・ユンファ）主演「獣たちの熱い夜／ある帰還兵の記録（1981）」、監督デビュー作「表錯七日情（1983）」で香港金像奨・脚本賞受賞。監督作「彼女はシークレットエージェント（1990）」でも金像奨・主演女優賞を受賞したほか、ナイナイ岡村氏主演の「無問題（1999）」の監督も務めている。
◯ 港警・薬物調査チーム：袁富華（ベン・ユエン）。
周星馳（チャウ・シンチー）監督「喜劇王（1999）」でのギャング役で知られるが、最近は「トレイシー（2018）」で金馬奨&金像奨で助演男優賞をW受賞。高齢者クィア映画「ソク･ソク / 叔·叔（スク・スク、2019）」で主演。「我、邪で邪を制す（2023）」にも出演している。
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◯ チーム「清掃班」メンバー・頭皮：何華超（トニー・ホー）。
ダンサーでもある俳優。麥浚龍（ジュノ・マック）監督出演作で蒼井そらと共演の「復讐の絆（2010）」に出演していた。現在でも「ショック ウェイブ 爆弾処理班（2017）」や「潛行（2024）」の劉德華（アンディ・ラウ）主演作や「手巻き煙草（2020）」などに出演している。
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◯ 暴力団メンバー・大D：李元霸（コナン・リー）。
香港生まれ、ニューヨーク・クイーンズ育ち。幼少から護身術を学び後にカンフー、テコンドー、空手、少林寺拳法、詠春拳もマスターし、アクション俳優として映画界に入る。真田広之主演「龍の忍者（1982）」や「タイガー・オン・ザ・ビート（1988）」、日本制作ながらNYロケのVシネマ「ニューヨークUコップ（1993）」、「ファイナル・プロジェクト（1996）」、「リーサル・ウェポン4（1998）」などに出演している。
