南京!南京! - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】
残虐行為の描写は多数あり、だが虐殺と一目でわかる描写はごく僅かに抑えられている。むしろ日本軍の心理描写に重点が置かれ、なぜそうした行為に至ったのか、現場の視点から見せようとしていて、怒りよりも、悲しみや切なさが湧いてくる。

www.youtube.com 南京南京 預告片
【スタッフ & キャスト】
2009年 中国 132分
監督: 陆川(陸川、ルー・チュアン)
主演: 刘烨(リウ・イェ)、高圆圆(カオ・ユアンユアン)、中泉英雄、范伟(ファン・ウェイ)、John Paisley(ジョン・ペイズリー、裴中中) 、江一燕(ジャン・イーイェン)
【あらすじ】
1937年12月13日、国民党政府の首都であった南京が陥落。国民党軍の将校・陆剑雄【刘烨(リウ・イェ)】は激しい抵抗を見せるが最終的に鎮圧され、数万人の中国人兵士と民間人が捕虜となり虐殺される。ドイツ人・ジョン・ラーベ【John Paisley(ジョン・ペイズリー、裴中中) 】と彼の秘書・唐天祥【范伟(ファン・ウェイ)】が指揮する中、安全地帯となっていた金陵女学院では、教師姜淑云【高圆圆(カオ・ユアンユアン)】は避難してきた同胞たちの救援に奔走するが、日本軍は避難した女性たちに目をつけていたのであった。
日本軍の角川【中泉英雄】は南京の悲惨な状況の中で苦しんでいく。
【感想】
残虐行為の描写は多数あり、だが虐殺と一目でわかる描写はごく僅かに抑えられている。むしろ日本軍の心理描写に重点が置かれ、なぜそうした行為に至ったのか、現場の視点から見せようとしていて、怒りよりも、悲しみや切なさが湧いてくる。
現在、中国で公開された南京大虐殺についての新たな映画「南京写真館(2025)」が話題になっているが、筆者は先日シンガポールで見る事ができた。ただ同じテーマを描いた本作はまだ見たことがなかったので、良い機会なので同じテーマの本作と巨匠・张艺谋(チャン・イーモウ)監督による「金陵十三釵(2011)」と共に見てみる事にした。
この映画は、特に日本のネット上では、本作からの切り取り動画が出回った事もあって、誇張や虚飾で作られたプロパガンダ映画という捉えられ方でその名を目にする。
だが、筆者は普段から中国映画をよく見ているが、本作について中国では、レビュー評価は高いものの、それ以外の場所での言及を目にする事はほとんどなかった。本作監督の陆川(陸川、ルー・チュアン)の作品としても、つい先日最新作「エリア749(2024)」を見たが、初期2作の「ミッシング・ガン(2001)」と「ココシリ(2004)」は高く評価されているものの、この3作目「南京!南京!」がわざわざ取り上げられる事はほぼない。一般的な映画の見方をしていると、本作に触れる機会は公開当時はともかく、今はもうそんなに多くない。そうした訳で、筆者にとっても触れる機会は来なかった。

だがまあ、見てみると意外にもというか、先入観に反してしっかりと描かれた、良作と言ってもいい映画だった。南京大虐殺を描いた上記3作を比較するなら、最も長い余韻があり、いつまでも映画を反芻させられたのは本作だ。見終わって暫く経ってもふと思い出すような感慨があって、監督の想いが深く伝わってくる。
確かに全編モノクロという取っつきにくさもあるし、ドラマチックなストーリー性も弱い。明確に語られないシーンも多くて、色々と説明の足りないまま展開していく印象はある。
本作の対極として、事件についてもストーリーについてもより明快でわかりやすいエンタメ映画の文法で描いたのが最新の「南京写真館(2025)」だとすれば、张艺谋(チャン・イーモウ)監督の「金陵十三釵(2011)」はその中間でバランス良くドラマチックで、見やすく仕上げてあるという感じだろうか。

特に本作で意外だったし興味深かったのは、2人の日本軍兵士を想像以上に追いかけ、長く描いていた事で、エンドクレジット上では中国の俳優たちを上位に置いてはいるものの、真の主人公はこの2人ではないかと思える程に深く掘り下げていく。
もちろんこの2人を善人として描きはしないし、血も凍るような残虐な行為もするのだが、それを手振れのする手持ちカメラなども使って冷静に見つめ続ける。まるでドキュメンタリーのように、まるで彼らに付き従って行動しているような気分になってくる。この悲惨で狂ったような光景の中で、彼らは戦争と死の恐怖に触れ続け、ふと穏やかな時間が来ると故郷に想いを馳せ、歌など歌い、そうでなければ売春婦と触れあうだけという、過酷で、極めて制限された環境だ。故郷への思いは例えば、奇天烈に和風な太鼓による踊りのシーンとして登場するが、戦場の狂気を孕んだシーンとして描かれている。その狂気こそ本作のテーマで、この映画では日本軍が行ったものだが、あらゆる戦争に共通した普遍的なものとして描かれているように見える。
だが上官の伊田を演じた木幡竜へのインタビューでは、日本兵の演技が良かったため、撮影現場で日本兵をより深く描くシナリオへと変わっていったという事で、当初からこうした映画のバランスが監督の中に完成していた訳でもなかったらしく、それもなかなか面白い。

普遍的なものを描いたと感じるのは、劇中での残虐行為の多くが女性に対してのものだからだ。これは他の南京の映画2作にも共通して言えるが、いわゆる無差別虐殺と同じか、それ以上に残虐なものとして女性の市民に対する暴力や性加害が描かれる。多くの戦争でもそうした話は存在するのに、多くの映画では意識的か無意識かあまり描かれない女性への暴力が描かれるために、一見すると日本軍の異常性、残虐性をより一層際立たせる。
だがこの映画では、同時に従軍慰安婦で日本人である宮本裕子演じる百合子とのやり取りもしっかり描き、彼らが「やる事はやりながら心の繋がりも求める」ことの醜さ、リアリティ、精神のバランスが失われていく様を冷静に見せていく。むしろひとたび戦場となってしまえば、どの軍隊であろうとそれまでに培われた人としての倫理観や精神のバランスなど、ひとたまりもなく失われる酷さが浮かび上がってくる。

高い倫理観、部下への思い遣りや優しさも持つ人物として描かれる裏の主人公・角川正雄が変化していく様も色々と考えさせられる。そして彼とは対照的なもう1人の兵士、部隊長と思われる木幡竜が演じる伊田修もまた、印象に残る人物だ。寡黙で非情、冷静で戦争により適応した思考を持つ伊田は、むしろ人として壊れてしまったかのような存在だ。この寡黙な男が放つ言葉の方がむしろ重く、一層絶望的な事実に、観ている側も苦しくなる。
余談だが、下に記した通り、出演した日本人俳優たちのプロフィールを今見直すと、その後の彼らの歩み、錚々たる映画やドラマが登場して、彼らがこの作品へ出演した事も一つの大きな転機であった事が伺い知れる。
戦場という現場の理不尽さ、強い精神的な負荷、それらがすべて弱いところへと集中していく構造。弱い兵士、弱い市民、弱い女から殺され、潰されていく。そこには敵か見方かではないシンプルな戦争への絶望が感じられる。監督は日本での公開も望んでいたようで、それを見据えたような冷静な作りの力作になっている、見る価値のある良作だった。
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【トピック】
◯ 本作は2009年4月24日から中国で一般公開。興行収入は1.68億元(約35億円)。
◯ 日本では一般公開されなかったが、「南京への道・史実を守る会」により2011年8月に陆川(陸川、ルー・チュアン)監督も招聘して初めて上映、2015年には「ジョン・ラーベ 南京のシンドラー(2009)」と共に再び上映された。その後2018年にも上映されている。
映画『ジョン・ラーベ 〜南京のシンドラー〜』公式ウェブサイト
◯ 本作は台湾金馬奨・撮影賞を受賞、視覚効果賞にノミネート。香港金像奨ではアジア映画賞にノミネート、アジア・フィルム・アワードでは監督賞・撮影賞を受賞した。
一方で良くない作品を選ぶ、アメリカでのゴールデンラズベリー賞に当たる金掃帚獎にも、张艺谋(チャン・イーモウ)監督「女と銃と荒野の麺屋(2009)」や周杰倫(ジェイ・チョウ)主演の中台合作「トレジャー・オブ・エンペラー 砂漠の秘宝(2009)」と共に選出されている。
◯ 撮影を担当した曹郁(ツァオ・ユー)は、陆川(陸川、ルー・チュアン)監督のデビュー作以来撮影を担当しており、2作目「ココシリ(2004)」で台湾金馬奨・撮影賞を受賞するなど本作までの3作で高い評価を受けた。陈凯歌(チェン・カイコー)監督、染谷将太&阿部寛主演の「空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎(2017)」でも中国金鶏奨・撮影賞を再び受賞している他、多くの作品で撮影賞を受賞している。
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◯ 監督の陆川(陸川、ルー・チュアン、画像右)は、1971年に小説家の父のもとに新疆で生まれ北京で育つ。大学で映画を学びたかったが両親の反対にあい人民解放軍の大学で英語を学ぶ。卒業し軍で2年間勤務した後、1995年に北京電影学院監督コースの研究生として入学を許可された。
姜文(チアン・ウェン)がプロデュース・主演した長編デビュー作「ミッシング・ガン(2001)」が高い評価を受けヴェネツィア映画祭にも出品される。次作「ココシリ(2004)」では台湾金馬奨&中国金鶏奨で作品賞を受賞するなど、更に高い評価を受けた。本作はそれら高評価を得た監督2作に次ぐ3作目として作られた。
その後時代劇「項羽と劉邦 鴻門の会(2012)」、SFアクション「ドラゴン・クロニクル 妖魔塔の伝説(2015)」を監督した他、最近はディズニーによるパンダ等のドキュメンタリー「ディズニーネイチャー/ボーン・イン・チャイナ(2016)」や2022冬季オリンピックの記録映画「北京冬季五輪2022(2023)」、「ドラゴン~」に続くSFアクション大作「エリア749(2024)」の監督を務めた。
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◯ 劇中でディック・ミネ&星玲子のヒット曲「二人は若い(1935)」が歌われている。
ディック・ミネは戦前からの大スター歌手、星玲子は日活の映画俳優だが20歳で後に満映、東映で活躍するプロデューサー・マキノ光雄と結婚して引退する。
日本での一般公開が最終的になくなった理由として「劇中での楽曲著作権の問題」とされているが、この曲についてかどうかは定かではない。
www.youtube.com ディック・ミネ 星玲子「二人は若い」
刘烨(リウ・イェ)
◯ 日本軍に対峙する国民革命軍=国民党軍の兵士、陆剑雄。
◯ 「山の郵便配達(1998)」の主演でデビュー。同性愛を描いた「藍宇 〜情熱の嵐〜(2001)」で台湾金馬奨・最優秀男優賞を受賞。
最近ではジャッキー・チェンの中国映画「ポリスストーリー・レジェンド(2013)」や劉德華(アンディ・ラウ)主演「誘拐捜査(2015)」、そして曹保平(ツァオ・バオピン)監督「追凶者也(2015)」、「钢铁意志(2022)」などに出演した。無人島を30年守った夫婦を描いた強烈な主旋律映画「守岛人(2021)」で、中国金鶏奨・主演男優賞にノミネートされた。
昨年は子供の誘拐にまつわるスリラー映画「浴火之路(2024)」に出演している。

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高圆圆(カオ・ユアンユアン)
◯ 教師をしていたが避難所で人々の保護に奔走する姜淑云。
◯ 1990年代後半、10代の頃からCMモデルとして大活躍したが、俳優としても活動を開始。映画「开往春天的地铁 (2002) 」で百花奨・助演女優賞ノミネート、ジャッキー・チェン主演の香港映画「プロジェクトBB(2006)」では百花奨・主演女優賞にノミネートされた。
吳彦祖(ダニエル・ウー)、古天樂(ルイス・クー)と共に主演した「独身の行方(2011)」では香港金像奨・主演女優賞にノミネートされているなど、香港映画での活動も多い。
その他、李连杰(ジェット・リー)主演「海洋天堂(2010)」、中国映画のイタリアロケ豪華トレンディ映画「咱们结婚吧 (2013) 」や「搜索 (2012) 」などに主演。宮崎駿監督作「君たちはどう生きるか(2023)」の中国版では、木村佳乃が演じた夏子の声を演じている。
昨年は都市での市民生活を描いた良作「最高でも、最低でもない俺のグッドライフ(走走停停、2024)」でヒロインを演じた。
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中泉英雄
◯ 日本軍の兵士・角川正雄。
◯ 1976年愛媛生まれ。一度パティシエになったが俳優に転身。2000年に映画デビューし「カミュなんて知らない(2005)」や「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007)」、「仮面ライダーカブト(2006)」、園子温監督「冷たい熱帯魚(2010)」などに出演。
本作への出演で中国で知られる事となり、「東京に来たばかり(2012)」や「黒四角(2012)」、「不肯去観音 (2013) 」、娄烨(ロウ・イエ)監督作「サタデー・フィクション(2019)」、「エイト・ハンドレッド(2020)」、「東極島(2025)」などの映画に出演している。
#02-中泉 英雄インタビュー|LLE82 Salon|LLE82 公式サイト

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范伟(ファン・ウェイ)
◯ ジョン・ラーベの秘書をしていた唐天祥。日本語も話せ、慰安所の設置などに協力した。
◯ 小品というコント的な喜劇で活躍してきた俳優。特に1996~2003年は"春晩"という春節前夜の特番での小品に毎年出演していた。
俳優としては「胡同(フートン)愛歌(2003)」でモントリオール映画祭・主演男優賞、映画「ミスター・ノー・プロブレム(2016)」で台湾金馬奨・主演男優賞を受賞した。ドラマ「老大的幸福 (2010) 」での演技でも数多くの賞を受賞している。
映画「愛しの故郷(2020)」の後、大ヒットドラマ「ロング・シーズン (2023) 」に出演。张艺谋(チャン・イーモウ)監督の「ワン・セカンド(2020)」、「第二十条(2024)」の2作に出演し、陳可辛(ピーター・チャン)監督のカンヌ出品作「酱园弄 (2024) 」にも出演している。
昨年公開の周冬雨(チョウ・ドンユイ)の演技が素晴らしい「朝雲暮雨(ちょううんぼう、2024)」では相手役を演じている。

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John Paisley(ジョン・ペイズリー、裴中中)
◯ 民間人の保護活動に尽力したドイツ人・ジョン・ラーベ。実在の人物である。
◯ 1949年生まれのアメリカ人俳優で、李连杰(ジェット・リー)&中村獅童が出演する「SPIRIT スピリット(2006)」やジャッキー・チェン主演「ライジング・ドラゴン(2012)」などに出演している。

秦岚(チン・ラン)
◯ 唐天祥の妻、唐太太。日本軍が侵攻した時には子供を身ごもっていた。
◯ 1979年生まれで歌手としても知られる。2001年にデビューし、大人気ドラマ「還珠姫 シーズン3(2003)」で知られるようになる。本作と監督の次作「項羽と劉邦 鴻門の会(2012)」に出演。大ヒット古装劇「瓔珞(2018)」で大役を務めたほか、日中戦争期を描いたドラマ「伝家/伝家(でんか)~華麗なる一族~(2022)」などに出演。香港アクションの名作「レイジング・ファイア(2021)」にも出演している。
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江一燕(ジャン・イーイェン)
◯ 日本軍からの100名の女性の要求に志願した、踊り手だった女性・小江。
◯ 1983年生まれの歌手でもある。当初は歌手として活動を開始。俳優としてもドラマ「我们无处安放的青春 (2007) 」などに出演していく。
本作への出演で知られる事となり、後に「ソウルメイト/七月と安生(2016)」として映画化される舞台「七月与安生(2011)」や謝霆鋒(ニコラス・ツェー)主演の香港映画「バレット・ヒート 消えた銃弾(2012)」などで演技賞を受賞するなど、高い評価を受ける。チベットの美しい風景を描いた「七十七天(2017)」や段奕宏(ドアン・イーホン)主演のスリラー映画「迫り来る嵐(2017)」などに出演するほか、タレントとしても活動している。

出演しているその他の日本人俳優
◯ 伊田修(画像中)という上等兵を演じたのは木幡竜。
1976年生まれ。横浜高校ボクシング部からプロボクサーとなったが、25歳で俳優に転身。オーディションで本作の出演を獲得して中国映画デビューとなった。
以来、甄子丹(ドニー・イェン)に見込まれて敵役を演じた「レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳(2010)」をはじめ、映画「一九四二 (2012) 」、「厨子戏子痞子 (2013) 」、「ミッション・デブポッシブル! (2018)」などの中国映画やドラマ版「赤いコーリャン(2014)」などに出演。
一方で井筒和幸監督の映画「無頼(2020)」やドラマ「深夜食堂 -Tokyo Stories Season2-(2019)」、そして綾野剛主演のヒットドラマ「アバランチ(2021)」などの日本の作品にも出演と、両国を股にかけた俳優活動を行っている。

中国映画レビュー&解説「ミッション・デブポッシブル! デブ大作戦 胖子行动队 (胖子行動隊) Fat Buddies」 - daily diary
◯ 南京まで帯同してきた従軍慰安婦・百合子を演じた宮本裕子。
1969年生まれで1990年頃から俳優として活動を開始。1996~1997年には舞台「ピーター・パン」のピーター・パン役を先代の相原勇から引き継ぐ形で演じた。以来、数多くの舞台、ドラマ、「不灯港(2009)」や原田眞人監督版「日本のいちばん長い日(2015)」などの映画のほか、もうすぐ公開の森崎ウィン&向井康二主演の「(LOVE SONG)(2025)」にも出演している。
昨年は真田広之が主演し、エミー賞25部門ノミネートの米ドラマ「SHOGUN 将軍(2024)」にも出演している。

◯ 日本の新聞記者を演じたのは梶岡潤一。
香川照之の元でドラマや演劇に出演していたが1995年に渡中。中央戯劇学院などで学んで姜文(チアン・ウェン)監督の戦争映画「鬼が来た!(2000)」への出演で再び香川照之と共演。本作のほか、张艺谋(チャン・イーモウ)監督の「金陵十三釵(2011)」にも出演した。
後に渡英。「47RONIN(2013)」や「007 スペクター(2015)」に出演した。一方で監督として「インパール1944(2014)」などを制作した他、インド映画に出演するなど世界各地で活動している。

◯ 上羽という役を演じたのは大塚匡将。1976年生まれで芸人として活動していたが2006年から中国で俳優活動を開始。管虎(グェン・フー / グァン・フー)監督の映画「厨子戏子痞子 (2013) 」などに出演している。
◯ 谷田という役を演じた大柳真一郎は、本作が中国作品デビュー。宁浩(ニン・ハオ)監督の満州を描いたコメディ映画「黄金大劫案 (2012)」や、日中戦争期を描いたドラマ「伝家/伝家(でんか)~華麗なる一族~(2022)」などに出演している。
◯ 东口という役を演じた浅野長英は、中国では耿长军(耿長軍)という名で活動している。1979年長崎生まれ。父がハルビン出身、母が日本人というハーフで、日本で育ち2000年に渡中し上海戲劇学院で学ぶ。幼少から父より普通話も習い堪能で、ジャッキー・チェン主演「ライジング・ドラゴン(2012)」や歴史ドラマ「大明王朝〜嘉靖帝と海瑞〜(2007)」、王宝强(ワン・バオチャン)主演の戦争ドラマ「我的兄弟叫顺溜 (2009) 」などのほか、ストリート・カーレースを描いた香港映画 「エコーズ・オブ・サンダー(2023)」にも日本人ドライバー役で出演している。