香港映画レビュー&解説「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In」

九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In: Wikipedia

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

 

【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】

映画を見終わったらもう一度ポスターを見てほしい。
香港が好きな人も香港映画が好きな人も、ただのアクション映画好きも、とにかくみんな絶対に気に入る傑作。作っている人々の愛情が、熱意と努力でありったけ詰め込まれている狂おしい程の情熱。絶対に歴史に残る名作。

 

 

 

 

九龍城寨圍城


www.youtube.com 《九龍城寨之圍城》終極預告


www.youtube.com 2025年1月17日(金)公開『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』|超特報

 

 

 

【スタッフ & キャスト】

2024年 香港 126分
監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)
動作設計:谷垣健治
出演:古天樂(ルイス・クー)林峯(レイモンド・ラム)洪金寶(サモ・ハン・キンポー)任賢齊(リッチー・レン)劉俊謙(テレンス・ラウ) 黃德斌(ケニー・ウォン)胡子彤(トニー・ウー)伍允龍(フィリップ・ン)張文傑(ジャーマン・チョン / キット・チャン)郭富城(アーロン・クォック)

 

 

 

【あらすじ】

密入国で香港にやって来た陳洛軍【林峯(レイモンド・ラム)】は、香港のIDを入手しようとマフィアの大老闆【洪金寶(サモ・ハン・キンポー)】に金を払ったが騙される。腹いせに麻薬の入った袋を盗んで逃亡し、追われるうちにたどり着いたのは、なんとあの九龍城塞であった。
ここでは様々な身元不明の人々が居場所とする一方、別のマフィア・龍捲風【古天樂(ルイス・クー)】がこの魔窟・九龍城塞を牛耳っていたのであった。

 

 

 

【感想】

香港映画好き、香港好き、ただのアクション映画好き、すべての人が必ず気に入る筈の素晴らしい出来。なによりも製作者の愛情と、見せたいものを見せきる熱意が、観客の気持ちを強く揺さぶってくる。必ず歴史に名を残す傑作といっていい映画だ。

あまりの熱量、情報量に見た後は茫然となってしまう。それ程の濃密な2時間を過ごして香港・旺角の街に出てくると、もはや街の見え方すら変わってしまうような、強烈な体験であった。
アクションもすごいし、作り込みもすごいので、香港映画初心者もその真髄をすぐに体験できるし、知っている人ならばむしろその作り込みのクオリティに、見れば見るほど深い奥へとハマっていけるだろう。そして同時に香港という都市の歴史の奥深さ、香港人のアイデンティティのルーツにもまた、しっかりと想いを馳せる事が出来る。

 

九龍城寨圍城

 

舞台となるのはあの九龍城塞。多くの人が知ってはいても、だがほとんどの日本人は見た事すら無い伝説の地区だ。残された映像もごく少数しかなく、写真ですら貴重なこのエリアを素晴らしく緻密に再現した上に、上映時間の8割以上が九龍城塞の中で費やされていて、もはやそこを訪れているかのような感覚に陥る。さらに素晴らしいのは、随所にそこでの生活を紹介するシーンが挟み込まれ、そこで生まれ育った人々の息吹まで見せてくれるのだ。製作者たちの深い愛情と細やかな心遣いが強く胸を打つ。

ストーリーはある種シンプル。天涯孤独の林峯(レイモンド・ラム)演じる陳洛軍が流れ着いた香港でIDを入手しようとした挙句、追われる事となり九龍城塞に逃げ込むところから話は始まる。このテンポよくわかりやすく、聳え立つ九龍城塞の真ん前に一気にたどり着く、最高にワクワクするオープニングから、観客は陳洛軍の目線を通して九龍城塞の中へと案内していってもらうのだ。

 

九龍城寨之圍城

水道が通っていない為、水汲みに並ぶ住人たちの側を歩く古天樂(ルイス・クー)演じる龍捲風

 

俳優陣のキャスティングも本当に素晴らしい。最初は少し不思議に感じた配役だが、そのアクションを見れば納得するしかない。黄金時代の大スター・洪金寶(サモ・ハン・キンポー)に、古天樂(ルイス・クー)&郭富城(アーロン・クォック)の現在のスター2トップと黃德斌(ケニー・ウォン)&任賢齊(リッチー・レン)が周囲を固め、だが主役の4人は若手に任されるという形だ。しかし4人の一人、劉俊謙(テレンス・ラウ)などはアクションとは無縁の俳優に思えていたのに、きっちりとナイフ&バイクアクションで魅せてくれるし、とにかく彼ら全員の動きが最高にキマっている。なによりも覆面レスラーの四仔(英文字幕ではAVという名)こと張文傑(キット・チャン)と、敵役となる伍允龍(フィリップ・ン)の、目を見張るようなキレッキレのカンフーが、観客のアドレナリンを極限まで解放してくれる。

彼らのアクションはもう、最初から最後まで最高なのだが、そこかしこにしっかりと谷垣健治の仕事が見えてくるほどにコンビネーションや演出に様々な工夫が見え、飽きさせない。闘い方も、年長対若者というコンビネーションや素手対ナイフまたは拳銃の組み合わせ、またはあの暗くて狭い九龍城塞の中の様々な場所を使った格闘など色んなバリエーションで楽しませてくれる。マンガ版もある原作なので、マンガ的なダイナミックさも適度に取り入れられていて、その絶妙なさじ加減によってこれぞ香港映画!な、あのケレン味溢れるアクションに仕上がっているし、年長の大御所にもきっちり見せ場を用意しつつ、主役である若者が前に出てと、丁寧に平等に、重層的に見せてくれる。

 

九龍城寨圍城

 

なによりも、あの4人組"城寨四少"の絆が本当に美しい。それぞれがライバル同士でありながら、いつしか九龍城塞とそこの人々を守るという目的のために仲間となる、ピュアな友情。この関係が強まっていく中盤以降、さらにエモーショナルに盛り上がっていくのが本当に気持ちいい。
この彼らや古天樂(ルイス・クー)の、九龍城塞とそこの人々への愛情あふれる思い、様々なところから居場所を求めて集まり、いつしかここだけが居場所となった人々への、慈悲とも言えるような思いは、本作の最初から最後まで通底するテーマだし、それはまさに制作陣の思いだと思わされる。全編にわたってそうした作り手の思いが溢れているのが、この映画の一番の魅力と言っていい。それはもしかしたら現在の香港、または香港映画への思い出もあるかもしれないが、ともかくもその思いをありとあらゆる手法で見せきる、その熱意と努力が存分に詰め込まれた、狂おしいほど情熱のこもった作品になっている。
そう思いつつ改めてポスターを見てみると、登場人物たちがみんな仲良く笑いながら一緒に集まっている。これを見ているだけでまた再び熱いものがこみ上げてくるのだ。良い悪いの評価ではなく、好きか嫌いかで語りたくなるような、情熱で作られた本当に素晴らしい作品だ。

 

九龍城寨圍城

 

 

 

【トピック】

◯ 2024年5月1日に香港他で全国公開。公開初週より実に6週間にわたり興収ランキング1位を維持。
7月15日現在もなお上映継続中で、興行収入は7月3日時点で1.1億香港ドル(22.2億円)。これは香港での歴代中国語映画として「毒舌弁護人(2023)」に次いで1億香港ドルを突破した2作目の作品となり、累計興行収入でも「未来戦記(2022)」を超え第2位まで上昇している。制作費は3億香港ドル(60億円)。

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◯ 日本では「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」というタイトルで、2024年10月28日からの東京国際映画祭ガラ・セレクション部門へ出品、さらに2024年11月1日からの香港映画祭「Making Waves 」で上映予定、そして2025年1月17日から全国公開の予定となっている。

2024.tiff-jp.net

makingwaves.oaff.jp

klockworx.com

www.teppayalfa.com

 

 

◯ 筆者は本作を2024年中国/香港映画の個人的ベストの第1位に選出した。

www.teppayalfa.com

 

 

◯ 原作者・余兒によって、本作の続編・続々編の製作が予定されている事が5月17日に公表された。

 

◯ 映画のレイティングは、各国で概ね15歳以上または18歳以上の観覧可という指定を受けている。

 

◯ 撮影は西貢にある成豐片場スタジオや元朗の廃校スタジオ・達德學校などで行われた。

 

◯ 原作は余兒による2008年に発表された小説「九龍城寨」。それを原作とした司徒劍僑によるマンガ版も存在する。映画はプロットを小説から、読んでみると違うストーリーだったマンガ版からはダイナミックなアクション要素を引用して制作されている印象だ。

jetmagazine.com.hk

 

◯ プロデューサーには莊澄葉偉信(ウィルソン・イップ)が就いている。葉偉信は「ジュリエット・イン・ラブ(2000)」で香港金像奨にノミネート、その後「SPL/狼よ静かに死ね(2005)」「導火線 FLASH POINT(2007)」、そして「イップ・マン」シリーズを監督した巨匠。

 

鄭保瑞(ソイ・チェン)

◯ 監督の鄭保瑞(ソイ・チェン)は19歳から映画界に入り、林嶺東(リンゴ・ラム)監督「復讐のプレリュード(1995)」などで助監督を担当。古天樂(ルイス・クー)主演作で今年韓国版リメイク作が公開された「アクシデント(2009)」「モーターウェイ(2012)」「モンキー・マジック 孫悟空誕生(2014)」、トニー・ジャー&呉京(ウー・ジン)主演「ドラゴン×マッハ!(2015)」「リンボ/リンボー(2021)」などを監督。昨年の監督作「マッド・フェイト(2023)」で香港金像奨・監督賞を受賞した。

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九龍城寨之圍城

 

 

谷垣健治

谷垣健治は今作でアクション(動作)設計を担当した。画像は原作小説の作者・余兒と共に映像見本市・香港FILMARTに来場した際のもの(画像右)。
倉田アクションクラブでの養成を経て22歳で単身香港へ移住。香港動作特技演員公會(香港スタントマン協会)会員となりスタントマンとして、その後スタント・コーディネーターとして、「ドラゴン危機一発'97(1997)」「SPL/狼よ静かに死ね(2005)」などに参加。甄子丹(ドニー・イェン)の信頼も得る。佐藤健主演の大ヒット作「るろうに剣心(2012)」でのアクションが評価され、「モンスター・ハント 王の末裔(2018)」「スーパーティーチャー 熱血格闘(2018)」「燃えよデブゴン/TOKYO MISSION(2020)」などの甄子丹(ドニー・イェン)作品で監督などを務めた。

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九龍城寨之圍城

 

◯ 劇伴もまた日本人・川井憲次が担当。邦画では「機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989)」「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995)」「リング(1998)」などという錚々たる名作の劇伴を担当。
香港・中国映画でも「イップ・マン」シリーズ、「ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪(2013)」、本作の鄭保瑞(ソイ・チェン)監督作「リンボ/リンボー(2021)」など数多くの劇伴を手がけている。


◯ 素晴らしい美術を手掛けたのは麥國強。5000万香港ドル(10億円)を投じて、微細な部分までリアルな九龍城塞を再現している。
「イップ・マン」シリーズをはじめ、「SPL/狼よ静かに死ね(2005)」「SPIRIT スピリット(2006)」「導火線 FLASH POINT(2007)」「孫文の義士団(2009)」「ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪(2013)」などで美術を担当している。

 

 

林峯(レイモンド・ラム)

◯ 行くあてもなく香港にたどり着いた男・陳洛軍(チャン・ロッグワン)。トラブルの果てに九龍城塞へと迷い込む。"城寨四少"のひとり。

◯ 2001年以来ドラマを中心に活躍。香港TVBドラマ「尋秦記 タイム・コップB.D250(2001)」「覆雨翻雲(2006)」、中国ドラマ「賢后 衛子夫(2014)」などで知られる。
福建省厦門出身という事もあり、最近は「黑金風暴(2022)」や元KAT-TUN赤西仁が出演する事で話題になった「凌雲志(2023)」など、中国ドラマでの出演が多い。
映画では、古天樂(ルイス・クー)主演の香港映画「P風暴(2019)」「ドラゴン・コップス 微笑捜査線(2013)」、劉青雲(ラウ・チンワン)主演「神探大戦(2022)」などに出演している。

九龍城寨圍城

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劉俊謙(テレンス・ラウ)

◯ "城寨四少"のひとり。龍捲風の部下・信一(ソンヤッ)。ナイフの使い手であり、城塞内でバイクを乗り回す。

◯ 劉俊謙(テレンス・ラウ)は1988年生まれの香港人。ドラマ以外では「夢の向こうに(2020)」の主演で映画初出演、2作目の「アニタ 梅艷芳(2021)」では張國榮(レスリー・チャン)を演じた。 その後、劉德華(アンディ・ラウ)プロデュース・主演の「潛行(2023)」、Netflix映画「此の時、この瞬間に(2023)」などに出演している。

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九龍城寨圍城

 

 

 

胡子彤(トニー・ウー)

◯ "城寨四少"のひとり。Tiger哥の部下である十二少(サップイー)。日本刀の使い手。

胡子彤(トニー・ウー)は、古天樂(ルイス・クー)の事務所に所属する俳優。香港野球チームを描いた「最初の半歩(2016)」で映画デビューし、金像奨新人賞を受賞。陳詠燊(サニー・チャン)監督の「逆流大叔(2018)」「飯戲攻心2(2024)」に出演しているほか、「レイジング・ファイア(2021)」「アニタ 梅艷芳(2021)」「未来戦記(2022)」「神探大戦(2022)」「七人樂隊(2021)」「爆裂点(2023)」などなど、最近は一気に出演作が増加してきている。

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張文傑(ジャーマン・チョン / キット・チャン)

◯ "城寨四少"のひとり。城塞内で闇医者をしている四仔(セイジャイ)。常にマスクをしている。東洋医学と西洋医学の両方を学び、日本好きで日本のAVをいつも見ている。

◯ Germanこと張文傑(ジャーマン・チョン / キット・チャン)は、3歳から中国武術に親しみ、10歳から父や叔父から正式に習得を開始。詠春拳、テコンドー、ムエタイなどに通じている。15歳頃から映画・テレビにアクションやスタントで参加。
主な出演作は甄子丹(ドニー・イェン)主演の「スーパーティーチャー 熱血格闘(2018)」、陳木勝(ベニー・チャン)監督の遺作「レイジング・ファイア(2021)」「神探大戦(2022)」「未来戦記(2022)」などがある。

九龍城寨圍城

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古天樂(ルイス・クー)

◯ 九龍城塞の一切を取り仕切っているマフィアのボス・龍捲風(ロンギュンフォン)。

◯ 1990年代から数多くのドラマ・アクション映画などで活躍してきた香港を代表する俳優・歌手。1990年代後半からドラマ「神鵰俠侶 (1995)」「刑事偵緝檔案IV(1999)」「創世紀(1999)」「尋秦記 タイム・コップB.C250(2001)」などで人気となる。
映画は更に無数の作品に出演しているが、杜琪峯(ジョニー・トー)監督「エレクション 死の報復(2006)」「ドラッグ・ウォー 毒戦(2012)」「Zの嵐(2014)」からの風暴シリーズ、「ドラゴン×マッハ!(2015)」「SPL 狼たちの処刑台(2017)」の殺破狼シリーズ、「未来戦記(2022)」などのアクション映画で知られる。アニタ・ムイの伝記映画「アニタ 梅艷芳(2021)」にも出演。

2013年には「天下一電影」という制作会社を設立。映画「6人の食卓(2022)」「逆流大叔(2018)」「四十四にして死屍死す(2023)」などの数多くの映画に出資している。

九龍城寨圍城

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洪金寶(サモ・ハン・キンポー)

◯ 港を仕切っている有力なマフィア・大老闆(大ボス)

◯ 言わずとしれた香港映画界のレジェンド。1952年生まれの現在72歳。
幼い頃より京劇や武道の稽古を積み「七小福」のリーダーとして芸能界で活動を開始。武術指導でもキャリアを重ね、ブルース・リーの名作「燃えよドラゴン(1973)」にも出演。主演した大ヒット作「燃えよデブゴン(1978)」でカンフーコメディという分野を確立し、香港映画を代表するアクションスターとなっていく。その後も「ユン・ピョウ in ドラ息子カンフー(1981)」「スパルタンX(1984)」「七小福(1988)」などジャッキー・チェンと共に様々な香港アクション映画をヒットさせていく。ハリウッドにも進出し「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ/天地風雲(1997)」では監督を務める。最近でも「イップ・マン 序章(2008)」「SPL 狼たちの処刑台(2017)」ではアクション監督を務めている。

九龍城寨圍城

 

 

 

伍允龍(フィリップ・ン)

◯ 大老闆の片腕であり、実務を取り仕切る若頭・王九(ウォンガウ)。

◯ 1977年生の伍允龍(フィリップ・ン)は、父親がアメリカ・シカゴで伍家國術會という道場を開いている武術家であるアメリカ系中国人で、幼い頃から中国武術に親しみ、蔡李佛拳の6代目弟子となる。13歳より詠春拳を習いはじめ、16歳の時に単身香港へと戻り、葉問の弟子でありブルース・リーが師事した黃淳樑の元で更に鍛錬を重ねるという、カンフーの世界でも王道中の王道を極めたエリートといえるキャリアを重ねてきた。
2000年頃からスタントやアクション俳優、武術指導として芸能界に参画。映画では「悪戦(2014)」や、ブルース・リーを演じた「バース・オブ・ザ・ドラゴン(2016)」「追龍(2017)」「ダブルフェイス 潜入者(2019)」などに出演している。

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九龍城寨圍城

 

 

 

黃德斌(ケニー・ウォン)

◯ 廟街を仕切る有力なマフィア・Tiger哥(虎兄貴)。

◯ 黃德斌(ケニー・ウォン)は1990~2000年代と数多くのドラマに出演した。香港版おっさんずラブ「大叔的爱(2021)」では、吉田鋼太郎の開発部部長にあたる翟国强を演じた。
「コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義(2016)」「逆流大叔(2018)」「バーニング・ダウン 爆発都市(2020)」「レイジング・ファイア(2021)」「逃獄兄弟」シリーズ、周潤發(チョウ・ユンファ)主演作「別叫我"賭神"(2023)」などにも出演している。

九龍城寨圍城

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任賢齊(リッチー・レン)

◯ 九龍城塞の最大の地主・狄秋(秋兄貴)。

◯ 台湾出身の歌手であるが、数多くの香港映画にも出演。「ブレイキング・ニュース(2004)」「エグザイル/絆(2006)」「奪命金(2011)」などの杜琪峯(ジョニー・トー)監督作品を筆頭に、林超賢(ダンテ・ラム)監督「コンシェンス 裏切りの炎(2010)」「大樹は風を招く(2016)」「私の胸の思い出(2006)」、台湾映画「若葉のころ(2015)」、そして今年の春節映画「臨時強盗(2024)」などに出演している。

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九龍城寨圍城

 

 

 

郭富城(アーロン・クォック)

◯ 陳占。その昔、龍捲風と九龍城塞の覇権を争い、敗れた。

◯ 1990年代から今もなお大人気で毎年数多くの出演作がある、現在の香港を代表する俳優であり、大人気歌手。膨大な出演作があるが、主なものは
杜琪峯(ジョニー・トー)監督「裸足のクンフー・ファイター(1993)」「柔道龍虎房(2004)」「リー・ロック伝/大いなる野望 PART II(1991)」「父子(2006)」「浮城(2012)」など。
さらに「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義(2012)」と続編「コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義(2016)」、周潤發(チョウ・ユンファ)との「プロジェクト・グーテンベルク(2018)」、中国映画の「ピースブレーカー(2017)」、翁子光(フィリップ・ユン)監督の2作「九龍猟奇殺人事件(2015)」と梁朝偉(トニー・レオン)と共演した「風再起時(2022)」、スター3人の共演となった「ホワイト・ストーム 世界の涯て(2023)」、今年の春節映画「臨時強盗(2024)」など数え切れない出演作がある。

九龍城寨圍城

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その他の出演者たち

◯ 魚蛋(魚肉つみれ)工場を営む燕芬姐として「アニタ 梅艷芳(2021)」「毒舌弁護人(2023)」などの廖子妤(フィッシュ・リュウ)、妻に虐待する夫・九索の役で「私のプリンスエドワード(2019)」などの朱栢康(ジュー・パクホン)、住人の男の子役で「年少日記(2023)」に主演した黃梓樂(ショーン・ウォン)なども出演している。

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九龍城砦/九龍城寨(城塞)とは

◯ その昔、啓徳空港の近くに存在した九龍城塞は、1941年に占領していた日本軍が城壁を取り壊すまでイギリスと中国が互いに領有権を主張する飛び地の要塞であった。城壁破壊により、国共内戦→文化大革命によって中国内から逃れてきた中国人が難民として大量に香港に流入。主権が宙に浮いた状態の九龍城になだれ込み、無計画にバラックが建ち、いつしか城寨の様相を呈する事となった。その後鉄筋コンクリート造へと建て替わったものの、1980年代前半までは非合法・無法地帯となっていた。
その後、香港の中国返還に合わせて1993年に九龍城塞は解体され、九龍寨城公園となった。

劇中でも点心の製造、農水産物の販売、機械加工、靴の製造など、数多くの商いが九龍城塞の中でも行われていた事が描かれている。

九龍城寨圍城

九龍城寨之圍城

九龍城寨之圍城



 

 

メイキング動画


www.youtube.com 《九龍城寨之圍城》製作特輯 - 動作篇


www.youtube.com 《九龍城寨之圍城》製作特輯.美術細節篇


www.youtube.com 《九龍城寨之圍城》製作特輯 - 城寨情懷篇


www.youtube.com 《九龍城寨之圍城》製作特輯 - 城寨四子篇


www.youtube.com 《九龍城寨之圍城》製作特輯 - 大哥大

 

 

 

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