去年シンガポールを訪問した際に、あらためてバスについて観察してみた。
シンガポールの公共交通は、基本的には現金かプリペイドカードで支払いだ。日本同様にほとんどがカードだし、これ1枚でコンビニの支払いなどもできたり、すべて済むのでカードを使う方が便利である。
地下鉄やバスは民営化されているが、大きく2つの会社がシェアをわけあっている。それがSBSトランジットとSMRTである。SBSトランジットの方が規模も大きく、走っている路線や車両もこちらの方が多かった。
だが、2014年にバスの運営システム変革があり、BCM(Bus Contracting Model)という政府によるバスサービスの改善プランがスタートしている。このプランでは、車両や設備などの所有権は政府が持ち、その運営を民間に委託してサービスの競合を促して改善を図っていく。日本でも多くのコミュニティバスなど、自治体主体の乗り合いバスで見られる構造だ。このBCMのお陰で新規参入があり、車両やダイヤなどにも改善が進んでいる。
- マン・ライオンズシティ NL323F A22 グミランボディ
- マン・ライオンズシティ ND323F A95ダブルデッカー グミランボディ
- スカニア K230UB グミランボディ
- ボルボ B9TL ダブルデッカー ライトバスボディ
マン・ライオンズシティ NL323F A22 グミランボディ
画像の車両はSMRTカラー。ヨーロッパ風のシブイ顔つきだ。A22の前期型となる。マレーシア・ジョホールにあるグミラン・コーチワークス (Gemilang Coachworks)によって架装された純正ボディ。
このMAN製車両はSMRTが発注したものだが、上記のBCMのもと、SBSトランジットへと譲渡された車両が発生している。チャイナタウンにて。
マン・ライオンズシティ ND323F A95ダブルデッカー グミランボディ
こちらは上と同じMAN製車両の2階建て版。後期型でヘッドライトが大型化した。BCMによって他企業に譲渡された元SMRTの車両である。前ドアの上部にモデル名が、前ドア後ろの窓下に運営会社名が書かれている。画像の車両はGo-Ahead Singaporeというイギリスが本部の運営会社のもの。
BCMによって譲渡されたり新規導入された車両は、どの企業の車両もすべてこのライトグリーンのボディカラーをまとっており、ボディカラーで運営会社を判別することはできなくなっている。そのせいもあり、最近はどんどんグリーンのバスが増えている。
こちらはリトル・インディアでのSMRT所属のND323F。
スカニア K230UB グミランボディ
このK230UBはアジア各国で使われており、マレーシア・クアラルンプールや香港でも走っていた。他の国と同様に、マレーシア・グミランによる架装のボディだ。SBSトランジットのバスは、このオレンジ、白、紫の三色塗装になっている。
ボルボ B9TL ダブルデッカー ライトバスボディ
こちらもSBSの2階建てバス。2008~2018年までのアイルランド・ライトバス製Wright Eclipse Gemini 2ボディを架装されている。このタイプがシンガポールの2階建てバスではもっとも多く、香港でも同じタイプのものが多数走っている。
こちらはGo-Ahead Singaporeのもの。
香港の路線バスの車種については、この記事で書いている。
クアラルンプールを走るスキャニアK230UBについてはこの記事にて。
シンガポールのバスについては、こちらの記事がより詳しい。