シンガポールの街なかを歩いていると、何台か見慣れないクルマが停まっていた。
近づいてみると、どうやら電気自動車のシェアサービスのようだ。
場所は、中心部からは少し離れた、カラン(Kallang)エリアあたりだったかと思う。
blue SGという名のサービスは、2016年に始動した政府主導のプロジェクトのようだ。
陸上交通庁(LTA)と経済開発庁(EDB)が、公共交通機関を使いづらい場所へのアクセスとして企画。2017年にフランスのボロレ(Bolloré)が受託してサービス開始。乗り捨て可能なので、気軽に使えそうで魅力的に見える。
利用料は月額8シンガポールドル(約600円)からなので、かなりリーズナブル。
フランスのボロレ(Bolloré)は19世紀から続く複合企業グループで、主に物流や製造、メディア事業などを多彩に行っているが、電気自動車関連でもパリでEVカーシェア事業「オートリブ(Autolib)」を自治体と共同で運営するなど経験がある。
ただ、パリのオートリブは2018年に終了したようだ。7年半で終焉を迎えたことになる。
ボロレ・ブルーカー
これがblue SGで使用される車両だ。ボロレが製作した電気自動車。パリのオートリブでも使用されていたものと同モデル。デザインはピニンファリーナ、生産はルノーが行う。
全長は3.3mと、幅の広い軽自動車くらいのサイズで航続距離は150~250kmだそうだ。
デザインの発端はピニンファリーナによって2008年に発表されたデザインスタディ、B0である。
設備は順調に整備が進んでいるようだが、現状では街なかで走っているのを見かけることはない。さて、成功するのかどうか注視したい。