「鏢人:風起大漠」中国映画レビュー&解説「镖人:风起大漠 Blades of the Guardians(2026)」

镖人:风起大漠:豆瓣

 

【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】

長らくの停滞から抜け出し登場してきた、武俠映画の再起動を狙った大作。よりアクションへ重心を置き、80年代から現在まで各世代のアクション俳優が顔を揃えたオールスターキャスト。監督は第一人者の袁和平(ユエン・ウーピン)。これからきっと武俠映画定番の一本になっていくだろう、最新技術による新たな正統派武侠映画といえる良作。

 

鏢人:風起大漠

【スタッフ & キャスト】

2026年 中国 126分 豆瓣評価:7.5/10
監督: 袁和平(ユエン・ウーピン)
出演: 吴京(ウー・ジン)谢霆锋(謝霆鋒、ニコラス・ツェー)于适(ユー・シー)陈丽君(チェン・リジュン)孙艺洲(スン・イージョウ)此沙(ツーシャー)

 

 

 

【あらすじ】

7世紀初頭の隋王朝末期。皇帝は放蕩三昧で民衆は苦しみぬき、中国全土に暗流が渦巻いていた。剣術の達人であり史上二人目の指名手配犯である刀馬【吴京(ウー・ジン)】は、西域の部族の長老・莫【梁家辉(梁家輝、レオン・カーフェイ)】の依頼を受け、一人目の指名手配犯・知世郎【孙艺洲(スン・イージョウ)】を長安へ護送することになる。だがその道中には数多くの敵が待ち受けていたのであった。

 

 

 

【感想】

【武侠映画に馴染みのない方へ、ちょうど良い機会にわかりやすく整理したマップを制作してみたので、参考にしてください。】

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長らくの停滞から抜け出し登場してきた、武俠映画の再起動を狙った大作。よりアクションへ重心を置き、80年代から現在まで各世代のアクション俳優が顔を揃えたオールスターキャスト。監督は第一人者の袁和平(ユエン・ウーピン)。これからきっと武俠映画定番の一本になっていくだろう、最新技術による新たな正統派武侠映画といえる良作。

*劇画的な漫画が原作

中国版時代劇の中でもアクションを重視する武俠映画。その中でも相当力の入った大作だ。原作は中国で20億回以上閲覧の大ヒットマンガで、日本版も「鏢人 -BLADES OF THE GUARDIANS-」というタイトルで3巻までリリースされている。この原作マンガ、かなり劇画テイストかつハードな描写で、画風や質感は「バガボンド」「ベルセルク」的でもある。実際に日本版を読んでみると、例えば「カムイ伝」や、なにより小池一夫「子連れ狼」などの1970年代劇画を強く連想させる。
ただし似ていると感じるのは冒頭だけで、そこからストーリーは大きく飛躍していく。広大な砂漠が連なる西域を舞台に、馬を操り、刀や弓、様々な武器を駆使した闘いが繰り広げられていくのだ。

 

鏢人:風起大漠

*中国・香港を代表するアクションスターが集結

時代設定やキャラの紹介は最低限に抑えられていて、ヒット作である原作マンガを知っている前提で作られている。いきなり前情報なしに映画を見ると理解が追いつかなくなるかもしれない。できれば先にマンガを読んでおく方がわかりやすく入っていけるだろう。
ともあれ、そうやって浮かせた尺のほとんどをバトルシーンに費やしたんじゃないかと感じる程、とにかく大量のバトルだ。まさにファンの期待にフルで応えようという製作陣の心意気を感じる。

なにせキャスティングの豪華さが圧倒的、かつ各世代が喜ぶ細やかなチョイスに痺れる。梁家輝(レオン・カーフェイ)→李連杰(ジェット・リー)→吴京(ウー・ジン)→張晋(マックス・チャン)→謝霆鋒(ニコラス・ツェー)→という、1980~2020年代までのほぼ5世代、それぞれで香港・中国アクションのトップを張ってきた錚々たるスター達が入れ替わり画面に登場し、それも本気の殺陣・格闘を見せてくれる。まさにオールスターキャスト。まさにアクション映画ファンの眼福。このキャスティング、間違いなく各世代に配慮してくれた意図的なもので、ここでもまた観客に対しての熱いサービス精神が感じられる。

 

鏢人:風起大漠

*新しいハイブリッド型アクション

アクション設計もサービス満点だ。原作マンガ自体がリアリティのある描写なだけあって、本作もリアルアクションを指向している。様々なシチュエーション、様々な人物、人数、武器を組み合わせたバトルシーンがいちいち工夫を凝らして作られ、息つく暇もない。名匠・袁和平(ユエン・ウーピン)といえばワイヤーアクションだが、このワイヤー使いも極力抑えてあり、それ以上に俳優たちの身体能力をダイレクトに見せたアクションが多数用意されている。甄子丹(ドニー・イェン)のリアルさとも違う、かといって過去の監督自身が設計したものともまた違う、新たなハイブリッド的アクションを作り出していて、90歳目前の御大とは思えぬ熱意に頭が下がる。

 

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*驚異の才能・陈丽君(チェン・リジュン)のアクション

素晴らしいのが最年長格・李連杰(ジェット・リー)の未だ衰えないキレ。そして、驚異的な身体能力で観客を圧倒する陈丽君(チェン・リジュン)だ。彼女は中国の女子劇「越劇」の現役トップ男役スター。急遽代役としての抜擢で、しかもアクション未経験ながら、目も覚めるような馬術や弓さばきを披露している。言ってみれば、宝塚のトップスターが現役のままガチのカンフー映画に殴り込み、レジェンド達と互角に渡り合っているようなもの。 まさに規格外の才能の出現だ。
その一方で、キャラ設定も含めて良い味を出しているのが于适(ユー・シー)が演じる堅だった。他は皆、時代劇らしい存在感なのだが、彼だけはひとり空気を読まない行動や、気の利かなさといった、コミカルでマンガ的なユーモアのある存在で印象に残る。

 

鏢人:風起大漠

*武侠映画の再興

とにかく本来なら2時間では到底収まらないほど濃密なストーリーだし、続編も匂わせている。製作費も破格な上、ギミックなしのど真ん中ド直球武俠映画として作られている。まるで袁和平(ユエン・ウーピン)監督ら製作陣は、ここから改めて武俠映画を再起動しようとしているようだ。
見応えもたっぷり、2020年代を代表する武俠映画になる可能性を持つ。中国アクションの現在地を知る上でも、何としても見た方が良い秀作だ。

 

 

 

【トピック】

予告編
▶ 本国版予告編(クリックで開きます)


www.youtube.com Blades of the Guardians: Wind Rises in the Desert (2026) 镖人:风起大漠 - Movie Trailer - Far East Films

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公開・興行収入・制作費・配信・日本公開

◯ 本作は春節に合わせた2026年2月17日に中国・香港などで公開。中国本土での公開初週は人気シリーズの第3弾「飞驰人生3 (2026) 」、张艺谋(チャン・イーモウ)監督最新作「驚蟄無声 スケア・アウト (2026)」に次ぐ興収ランキング3位。翌週以降は3週連続で2位を獲得した。
制作費は破格の8億元(186億円)だが、中国での興行収入だけで14.2億元(324億円)の大ヒットとなっている。
現在のところ日本での公開・配信予定は無い。

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原作の漫画・アニメ

◯ 原作は2015年から連載を開始した同名漫画。2026年に全13巻で完結したが、日本でも3巻まで「鏢人 -BLADES OF THE GUARDIANS-」というタイトルで発売されている。

作者の許先哲(きょ せんてつ)は26歳から漫画を学び始めた遅咲きの作家で、30歳から本作の連載を開始。連載当初から人気を集め、2018年に単行本が発売。100万部を突破し人気漫画としての座を確立した。

◯ 既に2023年にアニメ化され、第一期は全15話でテンセント(腾讯)から配信されている(日本未公開)。第二期は2025年に制作が発表されている。


www.youtube.com Blades of the Guardians Official Trailer 4K

 

 

 

袁和平(ユエン・ウーピン)監督

◯ 監督の袁和平(ユエン・ウーピン)は、香港映画史上初の武術指導者とされる袁小田(ユエン・シャオティエン)を父に持つ10人兄弟の長男として、幼少期から父や于占元のもとで京劇や北派武術を徹底的に叩き込まれる。10代後半からスタントマンや端役として映画界に入りショウ・ブラザーズ作品へ出演を開始。
「スネーキーモンキー/蛇拳(1976)」で監督デビュー。続く「ドランク・モンキー/酔拳(1978)」で"コミカルなカンフー"を確立。兄弟たちと「袁家班(ユエン・アクション・チーム)」を結成して香港映画の黄金期を支えた。1990年代にはワイヤーアクションを駆使した"美しく舞うような殺陣"を確立。1999年の「マトリックス」以降は、ハリウッドにもカンフー・アクションを浸透させた功労者だ。成龍(ジャッキー・チェン)、甄子丹(ドニー・イェン)を見出した師匠と言うべき存在でもある。
武術指導(アクション監督)として、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱(1992年)」「フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳(1994年)」、マトリックス シリーズ(1999年〜)、「グリーン・デスティニー(2000年)」「キル・ビル Vol.1(2003) & Vol.2(2004年)」などのアクションを手掛けている。

本作では監督本人(画像左)も、「少林寺(1982)」の監督・張鑫炎(チャン・シン・イエン)、李連杰(ジェット・リー / リー・リンチェイ)を育てたアクション監督・吴彬(ウー・ピン)と共にカメオ出演している。

鏢人:風起大漠

 

 


吴京(ウー・ジン)

◯ 刀马(刀馬)。小七(七)という子供を連れ、各地をさすらい賞金稼ぎをしている浪人。

◯ 中国アクション映画のスーパースター。数多くの有名アクション映画に出演しているだけでなく、最近は「万里归途(2022)」のように、むしろゲスト的に本人的キャラとして登場する事も多く、中国内ではもはやアイコンと化している印象だ。

そもそも彼のキャリアは本作の袁和平(ユエン・ウーピン)監督に見出され、監督作「マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限2(1996)」での主演/デビューから始まっている。
「SPL/狼よ静かに死ね(2005)」「ドラゴン×マッハ!(2015)」でのアクションを経て、大ヒット作「ウルフ・オブ・ウォー(2015)」「戦狼 ウルフ・オブ・ウォー(2017)」のシリーズで"現代中国映画を代表するアクションスター"として世界的に知られるようになる。朝鮮戦争が舞台で豪華3大監督共作の「1950 鋼の第7中隊(2021)」とその続編「1950 水門橋決戦(2022)」、陈凯歌(チェン・カイコー)監督による再び朝鮮戦争を描いた三部作の一部「志願軍~存亡をかけた戦い~(2024)」などもあるが、やはり最近では大ヒットSF「流転の地球(2019)」とその続編「流転の地球 -太陽系脱出計画-(2023)」での宇宙飛行士役が印象深い。

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谢霆锋(謝霆鋒、ニコラス・ツェー)

◯ 谛听(諦聴)。刀馬とはかつての同胞だったがやがて命を狙う事になった。

◯ 父が謝賢(パトリック・ツェー)、母が狄波拉(デボラ)という俳優夫婦の子として生まれ、16歳でデビュー。翌年1997年には「壞習慣」という楽曲が大ヒットする。映画デビュー作「硝子のジェネレーション/香港少年激闘団(1998)」で香港金像奨新人賞を受賞。
以来、陈凯歌(チェン・カイコー)監督で真田広之&チャン・ドンゴンとの共演作「PROMISE プロミス(2005)」、豪華メンバーによる大作「孫文の義士団(2009)」、陳木勝(ベニー・チャン)監督による仲村トオルと共演の「ジェネックス・コップ(1999)」など、数多くの話題作に出演している。
特にアクション俳優としての謝霆鋒(ニコラス・ツェー)の代表作は「香港国際警察/NEW POLICE STORY(2004)」「かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート(2006)」「密告・者(2010)」「レイジング・ファイア(2021)」などがある。
最新の主演作は海洋アクション「カスタムズ・フロントライン 奪還 (2024)」

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于适(ユー・シー)

◯ 竖(堅)。孤高の剣の達人で「玉面鬼」と呼ばれている。

◯ 封神演義を描いた三部作「封神・妖姫とキングダムの動乱(2023)」の主演としてオーディションで映画界入り。しかしコロナ禍の影響で第一部の公開が延期、公開に合わせてデビューの予定だった本人も同じく芸能活動をストップせざるを得なくなった。
結局、第一部公開直前の4月28日に2作目の出演作となる王一博(ワン・イーボー)主演の戦闘機映画「ボーン・トゥ・フライ」が先に公開されてデビューする。

封神第一部の公開後、人気俳優となり人気ドラマ「私の阿勒泰(2024)」、ラブロマンス「欢迎来到我身边(2024)」や今年の春節映画「蛟龙行动 (2025) 」、そして封神第二部「封神・激闘!燃える西岐(せいき)攻防戦(2024)」に主演し、一気にスターダムに駆け上っていった。

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陈丽君(チェン・リジュン)

◯ 莫(パク)族長の娘で勇猛果敢な性格の阿育娅(阿育婭、アユア)。

◯ 1992年生まれで、女性劇「越劇」での男役トップスター。特に2023年以降は伝統演劇の枠を超えた知名度を獲得し、国民的スターといえる存在となっている。
男性役(小生)として2013年に越劇の名門・浙江小百花越劇団に入団し、演劇賞も数多く受賞してきた。2023年に演じた「新龍門客棧」でのシーンが抖音などのSNSでバズり、国民的に知られる事となった。2024年には春節に放送される大型番組「春晩」にも出演しているほか、「乘风2024」などの人気テレビ番組にも出演。昨年には国家一級演員に指定されている。

下記別項にて急遽出演となった経緯を記している。

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李連杰(ジェット・リー)

◯ 隋が派遣した役人でありながら剣の達人・常贵人。

◯ 李連杰(ジェット・リー)は、中国映画界からはじめて登場した世界的アクションスター。伝統武侠と現代アクションの両方で頂点を極めた数少ない人物だ。
幼少期から武術のエリートとして全国大会で何度も優勝し、国家代表クラスであった事から19歳で「少林寺(1982)」に主演で映画デビュー、一気に知られるようになる。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明(1991)」からのシリーズで黄飛鴻(ウォン・フェイホン)を演じ、中国トップのアクションスターとしての座を確立。2000年代以降はハリウッドにも進出し「リーサル・ウェポン4(1998)」「ロミオ・マスト・ダイ(2000)」などにも出演した。
「フィスト・オブ・レジェンド/怒りの鉄拳(1994)」「HERO(英雄、2002)」「SPIRIT スピリット(2006)」「エクスペンダブルズ(2010)」なども代表作として外せない。

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梁家辉(梁家輝、レオン・カーフェイ)

◯ 独立勢力として統治する莫家の族長・老莫(莫(パク)族長)。情に厚く義を重んじる。

梁家辉(梁家輝、レオン・カーフェイ)は、なんといっても「愛人 ラマン(1992)」の主演で知られているが、膨大な数の映画出演キャリアがある香港人俳優。
初期の主なところでは「火龍(1987)」「ロアン・リンユィ/阮玲玉(1991)」「炎の大捜査線(1991)」「楽園の瑕(きず)(1994)」「南京の基督(キリスト)(1995)」など。主演作「西太后(1984)」「黒薔薇VS黒薔薇(1992)」「エレクション 黒社会(2005)」の3作で香港金像奨主演男優賞を受賞し、「大丈夫(2003)」で助演男優賞を受賞した。
最近も、「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義(2012)」と続編「コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義(2016)」、それに主演作「追龍2:贼王(2019)」、中国映画「愛してる! (我爱你! 2023)」「風林火山(2025)」など、精力的に出演を続けている。
若かりし頃の「プリズン・オン・ファイアー(1987)」以上のアクションを見せた成龍(ジャッキー・チェン)主演作「シャドウズ・エッジ(2025)」が最近作となる。

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张晋(張晋、マックス・チャン)

◯ 宿屋の主人を装っていたが、実は二刀流の達人・双头蛇(双頭蛇)。

◯ 张晋(張晋、マックス・チャン)は1974年重慶出身。幼少期から槍術・剣術・長拳などのエリートとして中国国家武術チームにも参加。袁和平(ユエン・ウーピン)の「袁家班(ユエン・アクション・チーム)」に参加し数々のスタント、武術指導を務める。「グランド・マスター(2013)」への出演で知られる事となり、「ドラゴン×マッハ!(2015)」「イップ・マン 継承(2015)」の立て続けのヒット作での主要キャストで一気にブレイクした。「イップ・マン外伝 マスターZ(2018)」や米中合作「パシフィック・リム アップライジング(2018)」なども知られている。

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孙艺洲(スン・イージョウ)

◯ 隋に楯突き、民衆に支持される「花顔団」のリーダー・知世郎。病を患い、長安へと向かっている。

◯ 1983年生まれ。2009年のドラマ「爱情公寓」シリーズで芸能界入り。
主な出演作は、ドラマでは「爱情是从告白开始的(2012)」「僕たちのプリンセス(2013)」、呉奇隆(ニッキー・ウー)&刘诗诗(リウ・シーシー)の「続・宮廷女官 若曦(2013)」、鍾漢良(ウォレス・チョン)&アンジェラベイビーの古装劇「孤高の花(2016)」など。
映画では、金城武&周冬雨(チョウ・ドンユィ)の「恋するシェフの最強レシピ(2017)」、张艺谋(チャン・イーモウ)監督「坚如磐石(2023)」、大ヒットした大鹏(ダーポン)主演作「年会不能停!(2023)」そして今年の大ヒット春節映画「飞驰人生2(2024)」などがある。 

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此沙(ツーシャー)

◯ 五大胡商一族のひとり、和伊玄。冷酷にして計算高い。

◯ 少数民族、イ族(彝族) の俳優だ。上記の于适(ユー・シー)と同様に古典怪奇小説・封神演義を描いた三部作「封神・妖姫とキングダムの動乱(2023)」「封神・激闘!燃える西岐(せいき)攻防戦(2025)」でデビュー。
このシリーズの公開がコロナ禍によって遅れる間に、映画「1921(2021)」、ドラマ「馭鮫記(ぎょこうき、2021)」「山河之影(2023)」「玉骨遥(2023)」「私の阿勒泰<アルタイ>(2024)」と数多くの人気ドラマに出演し、一気に人気俳優の座へと駆け上がっている。
昨年公開の成龍(ジャッキー・チェン)のヒット作「シャドウズ・エッジ(2025)」では、犯人側主要キャストを一人二役で演じた。

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惠英红(恵英紅、ワイ・インホン、カラ・ワイ、クララ・ワイ)

◯ 尉迟大娘(尉遅大娘)を演じた惠英红(恵英紅、ワイ・インホン、カラ・ワイ、クララ・ワイ)

◯ 香港出身で、昨今は再び人気女優として数多くの映画に出演している。
当初はアクションができる女優として香港映画「ワンス・アポン・ア・タイム 英雄少林拳(1981)」「レディクンフー 激闘拳(1980)」で活躍し、香港金像奨・主演女優賞を受賞。甄子丹(ドニー・イェン)&金城武の「捜査官X(2011)」でもアクションを披露し「キョンシー/リゴル・モルティス(2013)」では再度香港金像奨の助演女優賞を受賞した。

近年は「心魔(2009)」、そして「幸福な私(2016)」で香港金像奨で主演女優を再び受賞し、張曼玉(マギー・チャン)の5回に次ぐ2位タイとなる4回の金像奨受賞女優となった。
以来、台湾映画「血観音(2017)」で金馬奨主演女優賞受賞、「サンシャイン・オブ・マイ・ライフ(2022)」、中国ドラマ「上陽賦(2021)」、良作の中国映画「愛してる!(2023)」「瞒天过海(2023)」「拯救嫌疑人(2023)」、韓国映画のリメイク「スケッチ~彼女と描いた光~(2024)」などで実力派俳優として大活躍している。

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文俊辉(文俊輝、JUN、ジュン)

◯ 于吉牛罗(于吉牛羅)を演じたのは文俊辉(文俊輝、JUN、ジュン)

◯ 韓国のボーイズグループSEVENTEENのメンバーで、中国・深圳出身。子役としても活躍していて、その頃に陳奕迅(イーソン・チャン)主演の香港映画「野。良犬(2007)」にも出演し、香港金像奨で新人俳優賞を受賞している他、邱禮濤(ハーマン・ヤウ)監督版の「イップ・マン 誕生(2010)」にも出演している。
グループ加入後の出演としては中国のドラマ「独家童话 (2023) 」以後、映画は初となる成龍(ジャッキー・チェン)主演作「シャドウズ・エッジ(2025)」でのアクションも期待以上の好演を見せた。

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急遽降板から陈丽君(チェン・リジュン)で再撮影した経緯

陈丽君(チェン・リジュン)の出演は、当初キャスティングされていた俳優が急遽降板した事による代役というオファーで実現した。
この元々の俳優とは那尔那茜(ナーナシ)という俳優で、于适(ユー・シー)や此沙(ツーシャー)も出演している封神演義を描いた三部作の第二部「封神・激闘!燃える西岐(せいき)攻防戦(2025)」で大抜擢され、素晴らしい馬術・演技によって一気にブレイクしたのだが、その直後に大学入試(高考)の出願書類偽造が発覚。競争率の高い北京から内モンゴル自治区での高校に在学と虚偽申告して競争率の低い地域で受験した上、卒業後に"地元"内モンゴルに戻る必要のある特別枠を利用したにも関わらず、卒業後にそのままノルウェーへ留学、帰国後に芸能界入りした事で大きな問題となった。
この事により彼女は実質的に芸能界から追放状態となり、既に制作されていた作品も降板などの様々な影響を受ける事となった。

news.qq.com

例えば出演していたドラマ版「長安のライチ」は、初回放送中のタイミングでこの問題が発生。結果的にドラマの評判にも影響を与えた上、今後日本などへの配給も難しくなった。

mangotokyo.livedoor.blog

本作の場合、既に那尔那茜(ナーナシ)の出演部も4~5か月ほどかけて既に撮影を終えていて、非常に難しい状況であったが、制作費を5.5億元(128億円)から7億元(165億円)にまで増加しても再撮影するという袁和平(ユエン・ウーピン)監督や吴京(ウー・ジン)の決断で、急遽陈丽君(チェン・リジュン)を呼びわずか10日~数週間で全シーンを撮影し直したという。

m.yule.360.com