中国映画レビュー「风中有朵雨做的云 (風中有朶雨做的雲) The Shadow Play シャドウプレイ」

风中有朵雨做的云 (風中有朶雨做的雲) The Shadow Play シャドウプレイ

 

 

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www.youtube.com 《风中有朵雨做的云》 终极预告,爱情犯罪悬疑动作元素抢眼

 

 

 

【スタッフ & キャスト】

2019年 中国
監督: 娄烨(ロウ・イェー)
出演: 井柏然(ジン・ボーラン)宋佳(ソン・ジア)马思纯(馬思純、マー・スーチュン、サンドラ・マー)秦昊(チン・ハオ)陈妍希(ミシェル・チェン)

 

 

 

【ストーリー】

本作は中国広州省の冼村で実際に起きた村支書の盧穗耕による汚職事件をベースに、中国南方の沿岸街で、ビル撤去の作業中に建設委員会の主任である唐奕傑の墜落死事件を経て、その背後に隠されていた巨大な陰謀を描く。謎が謎を呼び、そして複雑に絡み合う人間関係。真相に近づけば近づくほど、狂ってゆく。

井柏然(ジン・ボーラン)主演サスペンス映画『風中有朶雨做的雲/The Shadow Play』最新予告編公開 : 中華エンタメ情報 Enjoy Chinaより

 

 

 

 

【感想】

中国社会や人間関係をどっぷりと反映させた映画。見ごたえもあるが、かなり込み入った話である。様々な種類の欲望が入り乱れて、ストーリーも色んな方向へと走り出していく感じがして、少し話が分かりづらい面もある。時系列も行ったり来たりする上、セリフでの説明も少ないので、欲望という、ある種説明のつかない感情で話がドライブしていった事を見せていく。ミステリーのようでもあり、スリラーでもあり。舞台は広州だと思うが、香港へ向かった马思纯(馬思純、マー・スーチュン)の存在感は輝いて見える。もちろんそれだけでは終わらないのであるが…何度か見直して、より深く理解したくなる映画だ。

 

 

 

【トピック】

・2020年6月より日本公開決定→新型コロナの影響で延期に。

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・2019年の第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に出品、第55回台湾金馬奨にて監督賞、撮影賞、音響効果賞、アクション監督賞の四部門にもノミネートされた。完成後も何度か編集の修正を理由と思われる公開延期があったが、無事4月に公開された。
・監督の娄烨(ロウ・イェー)は「天安門、恋人たち(颐和园、2006)」の監督で5年の映画製作禁止処分を受けるも「スプリング・フィーバー(春风沉醉的晚上, 2009)」を制作。カンヌやベルリン、台湾金馬奨などの映画祭での受賞は多数である。
・井柏然(ジン・ボーラン)は人気アイドル・モデルで俳優でもある。映画では「モンスター・ハント(捉妖记, 2015)」「僕らの先にある道(后来的我们, 2018)」 (※現在Netflixで公開中)だろうか。つい先月ようやく中国で正式公開=大ヒットとなったジブリの「千と千尋の神隠し(千与千寻)」での中国語吹替版のハク役でも話題になった。ユニクロ、サムソン、ニコン等々、多くのCMにも出演している。数年前には女優ニー・ニー(倪妮)との交際報道もあった。
・宋佳(ソン・ジア)は2006年「好奇心は猫を殺す(好奇害死猫)」で金鶏映画祭で助演女優賞ノミネート、2008/2009年の「レッドクリフ(赤壁)シリーズ」で知られるようになる。「おじいちゃんはデブゴン(我的特工爷爷)」や2018年東京国際映画祭出品の「詩人(诗人)」にも主演していたが、最近のなら「拆弹专家 (拆彈專家, 2017)」「胖子行动队 (胖子行動隊, 2018) 」 もヒット作だ。
・马思纯(馬思純、マー・スーチュン、サンドラ・マー)は一気に人気女優へと成長した。僕も「七月と安生(七月与安生, 2016)」「ひだりみみ(左耳, 2015)」を見ているが、どちらも大変素敵な映画だ。
・秦昊(チン・ハオ)は娄烨(ロウ・イェー)監督作品の常連であり、「スプリング・フィーバー」などにも出演している。2017年には「空海-KU-KAI-(妖猫传)」、中国版である「ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生-(解忧杂货店)」などにも出演。「火锅英雄 (2016)」は見ている。
・陈妍希(ミシェル・チェン)は「あの頃、君を追いかけた(那些年,我們一起追的女孩, 2011)」で知られる台湾の「国民的女神」。「外公芳龄38 (2016)」は見ている。

 

 

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広州天河区洗村での2013年に発覚した役人による土地不正事件がベースになっている。

若干26歳で冼村の村支書になった盧穗耕は、当時の建設ラッシュを利用し、村人に事実を隠して広大な敷地を私有化していった。また人脈関係や職権乱用し、33年間にも渡って企業から莫大な賄賂を受け取っていった。その資産額は数千億円にも上るという。そして2013年。中国政府による反汚職運動が盛んになり、危険を察知した盧穗耕は逃走し、未だに逮捕されていない。

急きょ上映中止になった映画『風中有朶雨做的雲/The Shadow Play』の物語ベースとなる「広州洗村汚職事件」とは? : 中華エンタメ情報 Enjoy China より

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ちょうど事件が発覚する頃の洗村を記録している記事があった。映画冒頭のシーンを彷彿とさせる。

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