中国映画レビュー「悲しみは逆流して河になる 悲伤逆流成河 Cry Me A Sad River 悲傷逆流成河」


悲伤逆流成河 Cry Me A Sad River 悲傷逆流成河 悲しみは逆流して河になる

 

 

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悲伤逆流成河 | In Cinemas September 27

 

 

【スタッフ & キャスト】

2018年 中国
監督: 落落(ルオルオ=趙佳蓉)
出演: 任敏(レン・ミン)赵英博(チャオ・インボー)辛云来(シン・ユンライ)章若楠(ジャン・ルオナン)朱丹妮(チュー・ダンニー)

 


【ストーリー】

ハンサムで成績トップの男子学生と幼なじみである貧しい家庭の女子高生イーヤオ(易遥)。ある日ひとりの女子転校生が来たことでイジメが始まる。噂が広まる中で幼馴染や友人たちとの関係も変化する中、ついに悲劇が…

 

 


【感想】

オープニングのドローン撮影からのワンカット長回しが魅力的だ。詩的な風景を多く使っているように、全体的に叙情的な語り口で進めていく。日本と違ってイジメを扱った映画はまだ少ないようで、この題材をいかに訴えかけるかという熱意も強く感じられる。エンディングでも、この事件の顛末や若者たちの声を映し出す。一方でイジメの手口はしっかりと見せてくれるのでサスペンス要素もあり、飽きさせない。主人公たちはPHSだろうか、リモコンみたいなシンプルな携帯を使っていて「なぜに設定が2007年?」と不思議だったが、原作の設定を踏襲したようだ。

 

悲しみは逆流して河になる

 

ただ、ストーリーは改変しているらしく、特に主人公のイーヤオ(易遥)がイジメられ始める経緯が自然で、違和感なく入り込める。さらに、彼女がかかった病気の原因がわかるシークエンスなど、驚きと共にやるせなさが激しく沸き起こってしまう。多少叙情的すぎるかもしれないが、主人公役の任敏(レン・ミン)の素晴らしさだけでも十分に見る価値があると思う。辛云来(シン・ユンライ)の演技も素敵だ。

 

悲しみは逆流して河になる

 

 

自分の2019年版中華系映画ベストテンでは5位に入れた。

www.teppayalfa.com

 


【トピック】

○ 本作は郭敬明(かく けいめい / グオ・ジンミン)による2007年発表の同名小説の映画化である。郭敬明は「小时代 Tiny Times」シリーズの執筆/監督を始め、多くの若者に支持されている「80後(バーリンホウ)」を代表する作家。

○ 一方、監督の落落(ルオルオ=趙佳蓉)も有名人だ。彼女も作家であり多くの小説を出版しながら雑誌の編集長でもあった。映画監督としては本作が2作目となる。

 

 

○ 主人公役の任敏(レン・ミン)はまだ19歳の演劇学校の学生で、この映画が初出演になる。

悲しみは逆流して河になる


○ 幼なじみ役の赵英博(チャオ・インボー)はオーディション番組から登場した歌手/俳優で、彼もまだ21歳で初出演映画であった。他の主演級の俳優たちも、ほぼこれが初出演や初のヒット作品となった。ちなみに先日見た「胖子行动队 (胖子行動隊) Fat Buddies」に出演していた辣目洋子もいじめっ子同級生役で出ている。

 

幼なじみ役の赵英博

悲しみは逆流して河になる

妹である章若楠とのツーショット。彼女はこれがデビュー作となる。

幼なじみ役の赵英博

 

同級生役の辛云来

悲しみは逆流して河になる

 

いじめっ子役は朱丹妮。彼女もこれがデビューとなる。

朱丹妮

 

 

 

※こちらは原作についての評価だが、映画とはストーリーが色々変わっているようだ。

『悲しみは逆流して河になる』 ― “時代の気分” 写し取る | しゃおりんの何でもウオッチ

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