様式美

"007 Spectre"を見てきた。

 

007シリーズは何を見る映画なのか。

 

それはつまり、ボンドしかない。

www.youtube.com

 

僕自身は、昔007は好きではなかったが"Casino Royale"を見て以来のファンだ。それはダニエル・クレイグ・ボンドのファンなのだ。

今のボンド映画は何よりもその美しさを見る映画と化している。アクションも、脚本も、全ては徹底的にスタイリッシュである事を追求している。もはや様式美とすら言えるだろう。

 

その真髄がダニエル・クレイグによるジェームス・ボンドであり、彼の、鍛え抜かれた(やり過ぎかもしれない程の)肉体とそれを包むスーツ、そして一連のアクションを通した粋を凝らした所作なのだと思う。

f:id:teppay75:20181201184817p:plain

 

今回はあまり見せなかったけれど随所にあざとい位に見せつけてくる半裸姿、ギラギラと迫ってくる大胸筋とそこに重なるスーツのドレープを押し出してくるカット、埃まみれでも眉一つ動じないゴルゴばりの硬く堅く硬直した表情。それをひたすら眺めていれば2時間が過ぎていく。

それこそが、スーツとダンディズムが生まれてから100年以上を費やして培ってきた西洋文化が未だに地力を持っている事の証左である。フェミニズムの存在など無かったかのような男根主義にまみれた世界。それがセクシーという事の意味。

 

うっとりとしながら堪能した2時間だった。あ、ストーリーは、まあ…あんなものかな、という(笑)