グッド・ゲーム - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】
ゲーム大会での勝利を目指す凸凹チームのセカンドチャンスもの。大作ではないが良質なアクション、ゲームキャラも使った一段深いキャラクター描写で、ノリよく見れて満足度も高い佳作。

【スタッフ & キャスト】
2025年 香港 95分 IMDb評価:6.5/10
監督:梁國輝(ディクソン・レオン)
出演:林敏驄(アンドリュー・ラム)、柯煒林(ウィル・オー)、伍詠薇(クリスティーン・ン)、陳穎欣(ヤニー・チャン)、蘇皓兒(クロエ・ソー)、羅莽(ロー・マン)
【あらすじ】
利己的なプレイが仇となり試合に負けて仲間を失ったeスポーツ選手が、ネットカフェの店主とその娘、ゲーム好きの高齢夫婦と出会い、平均年齢20歳のチャンピオンに挑むべくトーナメントに出場し優勝を目指す。
香港映画祭2025「Making Waves」より
【感想】
ゲーム大会での勝利を目指す凸凹チームのセカンドチャンスもの。大作ではないが良質なアクション、ゲームキャラも使った一段深いキャラクター描写で、ノリよく見れて満足度も高い佳作だった。
古天樂(ルイス・クー)率いる天下一(One Cool Film)が支援した新人監督による新作で、知名度は劣るものの評価はかなり高い。たしかに日本人でもわかるような映画スターは出ていないし、低予算で頑張ってるのが伝わってくる。けれども95分と短くまとめ、リズムのいい展開で飽きない。なによりも映像の見せ方が新鮮でカッコいい。
ゲームを描いた映画は世界中で年々増えてるけれど、その中でもゲームキャラ(アバター)をCG描画にせず、登場人物たちと同等に俳優が演じるのはとても新鮮で面白くて、「その手があったか!」というわかりやすさがあった。
この表現のお陰でストーリーがぐっと深みを増し、登場人物それぞれをより深く描くことになっている。

本作は割りきったスタンスが成功したような作り方だ。お金がないのは、例えばバトルシーンのロケ地が、ありきたりのへんぴな工場だったりと、まあ色々透けて見えるのだが、これがゲームの中の世界だと考えて見れば、リアル俳優が演じているだけで一気に豪華に感じられる。しかも衣装デザインは大変しっかりと作られていて、本物の肉体と相まって高い説得力を持っている。
ゲーム画面と同様のグラフィックも大胆に使っているが、よくある"それっぽい偽物"ではなく、きちんとオリジナルなのに丁寧にデザインされた"どこかにある本物"感があって白けさせない。そして演じているのは香港ではテレビや音楽シーンで顔の知られた若手が中心の“今の香港の顔”たち。つまりよく知っている本物のアクション俳優、モデル経験もある俳優たちによる本物のアクションだ。
例えるならプロの身体と美術で成立させた“実写化されたゲーム世界”といった感じだろうか。シンプルにテンションが高まってくる。

一方でストーリーも割り切っていて、王道とも言える人情味あるテイスト。eスポーツは若者がほとんどだが、ここでは年配者も参加していて、あえてリアリティを無視した割り切りにしてある。
みんな、何かしらの挫折を経験していて、心の痛みを共有できる人物たちだ。リアルでは難しくとも、ゲームでなら対等に助け合う事ができる。
可能ならばより深く掘り下げた描写で、もっと映画としての高みを目指してもらっても良かった気もするが、こういう適度なエンタメと適度な感動のある、軽やかでバランスのいい商業映画こそ、重いテーマの作品が続く今の香港映画ではあまり無いタイプだと思う。例えるなら「ラスト・ソング・フォー・ユー(2024)」とか「金童(2025)」なんかにも近いポジションといえる"ちょうどよい娯楽作"タイプで、気軽に満足できる映画を見たい人にぴったりな佳作だった。
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【トピック】
予告編
▶ 本国版予告編(クリックで開きます)
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公開・興行収入・制作費・配信・日本公開
◯ 本作は2025年9月18日に公開。公開初週は興収ランキングで『劇場版「鬼滅の刃」無限城編(2025)』や『シャドウズ・エッジ(2025)』、再映となった20周年の『頭文字D THE MOVIE(2005)』などに次ぐ9位。だが口コミの効果か、この位置を4週間もキープし続ける健闘を見せ、最終的な興行収入は221万香港ドル(4500万円)となった。
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◯ 日本では2025年11月28日からの香港映画祭2025「Making Waves」で「グッド・ゲーム」の邦題で上映された。現在のところ本公開・配信などの予定はない。
◯ 香港金像奨ではアクション監督賞、視覚効果賞など2部門にノミネートされた。
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監督
◯ 監督は梁國輝(ディクソン・レオン)。廖子妤(フィッシュ・リュウ)の初期出演作『レイジー・ヘイジー・クレイジー(2015)』や陳木勝(ベニー・チャン)監督の遺作となった良作『レイジング・ファイア(2021)』で執行導演(チーフ助監督)を務め、何啟華(ホ・カイ・ワ)が主演した探偵映画『陰目偵信(2023)』で初監督。爱奇艺(IQIYI)の中国作品であるサスペンス『致命通话 (2024) 』を経て、本作が監督3作目となる。
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◯ 本作は香港電影発展局によって行われる、首部劇情電影計画という映画製作援助によって480万香港ドル(9750万円)の援助を受けて制作された。この制作費支援はたとえば「毒舌弁護人(2023)」、「流水落花(2022)」、「年少日記(2023)」など、最近の良質な新世代による作品を多数世に送り出していて、信頼度の高いプロジェクトになっている。
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林敏驄(アンドリュー・ラム)
◯ 離婚してネットカフェを経営している車泰賢(画像右)。
◯ 1959年生まれで俳優もするが、有名作詞家(填詞人)でタレントとしてもよく知られている芸能人だ。
1981年に作詞家としてデビュー以来、譚詠麟(アラン・タム)による五輪真弓「恋人よ」のカバー『忘不了你(1981)』や、陳百強(ダニー・チャン)の稲垣潤一「誰がために…」カバー『深愛着你(1985)』、張國榮(レスリー・チャン)による1987年の十大金曲『無心睡眠』などなど、80年代トップ歌手ほぼ全員といっていいほど数多くのヒット曲を作詞した。
90年代には作詞の代わりにテレビ・ラジオで活躍を始める。特にナンセンスなお笑いで一躍人気を博すようになり、後に周星馳(チャウ・シンチー)が映画で完成させる「無厘頭」スタイルの先駆的な話術で一世を風靡した。
俳優としては、特に春節映画などのコメディへの出演が多く、『如珠如寶(2019)』という監督作品もあるが、特に主演したドラマ『下流上車族(2022)』での、情けなく奮闘する「愛すべき頑固オヤジ」的な演技が高く評価され、彼自身のイメージも大きく変化した。
譚詠麟 - 《忘不了您》(2005 Live) - YouTube
陳百強 Danny Chan -《深愛著你》Official MV(電影 "最後勝利" 主題曲)- YouTube

盧慧敏(エイミー・ロー)
◯ 車泰賢が使うアバター・Boss。
◯ 盧慧敏(エイミー・ロー)は1993年生まれの俳優・モデル。父は香港人、母がコスタリカ人で、生まれて5歳までコスタリカ・サンホセに住んでいた。大学生の頃からモデルとして活動を開始。2016年からは俳優としても活動を始める。この役を使うゲーマー役の林敏驄(アンドリュー・ラム)が監督した『如珠如寶(2019)』や、柯煒林(ウィル・オー)が出演した『別叫我"賭神"(2023)』などのほか、大ヒット作『夜王(2026)』の加長版にも出演している。

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柯煒林(ウィル・オー)
◯ プロゲーマーとして活躍していた林耀邦(Solo)。チーム解散となり将来に迷っていた。
◯ 柯煒林(ウィル・オー)は『最初の半歩(2016)』で映像デビュー。雨傘革命を描いた『散った後(2020)』で主演し、続く 『香港の流れ者たち(2021)』では台湾金馬奨・助演男優賞と香港金像奨2部門にノミネートされた。
『アニタ 梅艷芳(2021)』、『縁路はるばる(2022)』、『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件(2023)』などに出演し、周潤發(チョウ・ユンファ)主演の『別叫我"賭神"(2023)』では自閉症の息子役を好演していた。
昨年は本作だけでなく、大ヒット香港産アニメ『世外』で声の出演、台湾映画『大濛』で主演し台湾金馬奨ノミネートと一気に知られる存在となった。
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陳毅燊(アンソン・チャン Ansonbean)
◯ 林耀邦(Solo)が使うアバター、Solo。
◯ 陳毅燊(アンソン・チャン Ansonbean)はMIRRORやERRORらをデビューさせた大人気オーディション番組『全民造星 シーズン3(2020)』からデビューした歌手・俳優。映画では『臨時強盗(2024)』や『潜入捜査官の隠遁生活(2024)』、鍾雪瑩(ジョン・シュッイン)主演の『作詞家志望(2023)』などにも出演している。

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陳穎欣(ヤニー・チャン)
◯ 霏霏。離婚した父親・車泰賢と仲間を集めてチームHappy Hourを結成しようと動き出す。
◯ 1989年生まれで、ガールズグループSuper Girlsのメンバーであった。2012年から同グループで活動していたが、2018年にソロ活動へとそれぞれ移行。陳穎欣(ヤニー・チャン)は2021年から游學修(ネオ・ヤウ)が主宰する大人気Youtubeグループ試當真に加入した。
映画・ドラマにもグループ時代から出演していて、クライムサスペンス映画『墮落花(2020)』や『ガールフレンズ(2025)』などにも出演しているが、本作が最も大役での出演となる。

蘇皓兒(クロエ・ソー)
◯ 霏霏が使うアバター・貓眼
◯ 1994年生まれ。モデルとして活動を開始したがガールズグループのオーディションに参加し、そこから韓国でトレーニングを受けるも、事務所が解散。モデル活動再開と共に俳優としての活動も開始した。無綫(TVB)ドラマ『那些我愛過的人(2020)』やViuTV『Food Buddies(2023)』など、映画では『幻愛(2019)』や『假冒女團(2021)』などに出演している。

羅莽(ロー・マン)
◯ ゲーム初心者の老人・八爺。妻と仲が良く、いつも一緒に行動していた。
◯ 1970年代後半からのショウ・ブラザーズ(邵氏兄弟)の黄金期を支えた武打星(アクション俳優)の一人。九龍城寨で育ち朱家螳螂拳を学んでおり、それを活かして映画界でも武侠・カンフー映画を中心に出演。特に『五毒拳(1978)』での主要キャスト(ガマ拳の使い手役)として知られた。
最近の作品では『イップ・マン 葉問(2010)』&『イップ・マン 継承(2015)』での羅師傅役で知られている。

羅浩銘(ケン・ロー)
◯ 八爺が使うアバター・金臂銅。
◯ 羅浩銘(ケン・ロー)は本作で企画・ストーリー原案・アクション監督も務めている。
1983年生まれ。15歳からボクシングを習い、20歳の時から留学先のカナダで3年連続テコンドーの州チャンピオンを獲得した。それ以外にもムエタイ、カンフー、MMA、ブラジル柔術など多くの格闘技を習得。香港に戻ってスタントとして映画界に入ってからは、映画『激戦 ハート・オブ・ファイト(2013)』での彭于晏(エディ・ポン)の相手役や『P風暴(2019)』、梁國輝(ディクソン・レオン)監督がチーフ助監督を務めた『レイジング・ファイア(2021)』、天下一が制作した『未来戦記(2022)』などに出演。英語力を活かしてハリウッドでジャン=クロード・ヴァン・ダム主演『マキシマム・ブラッド(2014)』、『トランスフォーマー/ロストエイジ(2014)』などでスタントを務めた。
2017年からは本作の制作会社でもある天下一藝人管理に所属している。

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吳肇軒(ン・シウヒン)
◯ 林耀邦の前のチームメイト・阿城。ゲーマーをやめて保険の営業をしている。
◯ 1993年生まれ。香港演芸学院在学中に黃修平(アダム・ウォン)監督の青春映画「私たちが飛べる日(2015)」でデビュー。『青春の名のもとに(2017)』で
劉嘉玲(カリーナ・ラウ)とW主演するなど、当初注目を集めた。香港金像奨5冠の快挙を果たした『再見UFO(2019)』にも出演している。

陳苡臻(ジェシカ・チャン)
◯ 強豪チーム・ER Killersのリーダー・ Vava
◯ 陳苡臻(ジェシカ・チャン)は1996年生まれ。モデルとして活動していたが、2020年頃に『バイタル・サイン(2023)』や『私たちの話し方(2025)』などに主演している俳優・游學修(ネオ・ヤウ)に誘われ、彼が主宰する人気Youtubeチャンネル試當真Trial & Errorに参加。そこでの演技で知られる事となった。MVでは曾比特(マイク・ツァン)の「奔跑吧!」などに出演。
映画は『年少日記(2023)』での教師役やMIRRORの江𤒹生(アンソン・コン)主演『7月に帰る(2023)』の他、林明禎(リン・ミンチェン)主演のホラー映画『手機見鬼(2024)』にも出演。カナダ在住香港人3人が制作した『敗走麥城(2024)』に主演した。

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伍詠薇(クリスティーン・ン)
◯ 霏霏の母親で車泰賢の元妻・Teresa
◯ 1969年生まれで俳優・タレントとして知られている。1989年に亞洲電視(ATV)が主催したミスコンテストに入賞し芸能界入り。後に無綫電視(TVB)に移籍する。ドラマ『天地男兒(1996)』や『大唐雙龍傳(2004)』、『金宵大廈2(2022)』、映画では『逃獄兄弟(2020)』などで知られている。
また『TIGER'S TALK(2021)』などのトーク番組では、率直でユーモアのあるキャラクターで人気を博している。
デビュー時には、30歳年上の実業家と電撃的に結婚するも、わずか13日後に夫の心臓発作で死別。悲しみに暮れるタイミングながら、遺産目当てだったと勘ぐる世間やマスコミから猛烈なバッシングと相続争いに巻き込まれる事となった。
香港映画「逃獄兄弟 Breakout Brothers」 - daily diary

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