小林彰太郎さんが亡くなった。自分のクルマ人生に大きな影響を与えた人物のひとりである。
中学2年の頃に鉄道から離れ、クルマへと興味を移した自分が最初に毎月読むようになった雑誌がNAVIだった。NAVIが多大な、本当に多感な頃に大きな影響を与えてくれた雑誌だとして、それを更に深めてくれたのがCGであり、昔のカーグラの記事だった。
小林彰太郎という人のクラシックなものに対する接し方に触れ、古いものに目が開かれていったと言っても過言ではない。自分で手をかけ、生き物としての骨董に接するところからある種の正統的な骨董への向き合い方のいろはを学んだ。それはヒップホップに触れながら古いものへの価値を変化させていく方法と背中合わせであり、この2つに出会った事が今の自分の嗜好の大きな柱となったのは間違いない。
特に戦前の価値観に初めて触れたのは彼によってであり、戦後とか60年代カルチャー以上に深い、魅力的な価値基準に気づかせていただいた。そんな、本当にクルマ野郎には本当に偉大なヒーローだった。謹んで合掌したい。
折しもABCではルー・リードの曲がかかり続けている。