破壊する創造者――ウイルスがヒトを進化させた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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フランク ライアン
早川書房
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中身は副題のとおり。
「共進化」してきた概念は、よく考えるととても納得できる話。その跡がゲノムに刻まれているという部分が、想像を掻き立てるロマンチックな話でもある。
ウィルスの「生き方」みたいなところを描いてくれたところが最も衝撃的かもしれない。どうやってサバイブするか。宿主を探すヤドカリのようにして、共生を目指しているそうだ。当初は失敗しながら徐々に一体化していき、最後にはむしろ宿主にも不可欠な存在へと「成り上がる」。ウィルスへの目線が一気に変わる驚き。
エイズウィルスもそうして人類の改良に一役買い、何年かするとエイズに打ち勝つゲノムを持った一部の「人種」が生き残るプランだったのだろうか。10代の頃、エイズが人類を絶滅させる「神の試練」という仮説を勝手に立てた事を思い出した。つまりは同じことだったのか。仮説は正しかった(笑)
しかし、そのプランをも克服したら、人類の増大を止めるものはいなくなるのかしらん…