昨年夏、はじめて訪れたベトナムだが、ここでも恒例のクルマ観察。
とはいえ、やはりまずは圧倒的なバイクの数に驚かされる。スコールすらものともせずにいつでも大量のバイクが走っていた。
更に驚いたのは中流クラスの車両が多いことだ。どこのアジアに行っても超高級車がいて、最初にそういった車が目につくもんだが、特にホーチミンではそんなオラついたクルマの数が極端に少なく、なんなら車の種類も多くない。穏やかな国民性?のせいだろうか。
左ハンドルの国なので、日本で見ないクルマたちがたくさんいて面白い。
- スズキ・スーパーキャリイ
- 三菱・フリーカ
- 三菱・ジンガー
- 2代目トヨタ・シエナ
- 4代目アキュラ・TL
- 初代マツダ・CX-9
- 初代トヨタ・キジャン・イノーバ
- 3代目トヨタ・ヴィオス
- 2代目トヨタ・フォーチュナー
- ヒュンダイ・グランドi10
- キア・モーニング・ピカント
- ヒュンダイ・グランドi10セダン
- シボレー・スパーク
- 3代目キア・カレンス
- 北汽昌河 Q7
- THACO TOWNER 990
- ビンファスト ショールーム
スズキ・スーパーキャリイ
8代目のDA71系のキャリイに800ccまたは1,000ccのエンジンを載せた海外仕様だ。80年代半ばから輸出されているが、なんとここベトナムでは現在もなお、この写真と同じルックスで販売している。
遠目なんであれだがデカール類もきれいだし、この車両も意外に新しいのかもしれない。
三菱・フリーカ
ミニ・パジェロ的なルックスのこちらは、以前ジャカルタでも見かけた三菱のアジア向けモデル。前期モデル。
三菱・ジンガー
三菱チャレンジャーをベースに台湾で開発されたRVワゴン的なモデル。
2008年からここベトナムの三菱、プロトン、ベトナムの物流会社による合弁企業 ヴィナ・スター・モーターズ(現 Mitsubishi Motors Vietnam)でもノックダウン生産/販売が開始された。おそらく2015年ころまで販売されていたようだ。
2代目トヨタ・シエナ
カンボジア・プノンペンで見たモデルの次世代がホーチミンにいた。アメリカからの輸入車だろうか。いかにもアメリカンなのびのびしたデザインが好ましい。2006~2010年の後期型である。
4代目アキュラ・TL
ホテル・コンチネンタルサイゴンの前で見つけたのだが、これも並行輸入だろうか。
アキュラ・TLは元々アキュラ・ビガーだったものが名称変更したものなので、イメージはインスパイア/ビガーと同じ中高級セダンだ。2009~2011の前期モデル。
初代マツダ・CX-9
マツダ唯一のV6エンジン搭載車もホーチミンにいた。
この頃のマツダ車はフォードのプラットフォームを使うことが多く、この車の場合はプラットフォームだけでなくV6エンジンもフォードのものを使用していて、実質的にフォード車みたいな成り立ちだ。フォード・エッジやリンカーンMKXとは兄弟になるのだろうか。2013~2015年までの後期型。
初代トヨタ・キジャン・イノーバ
アジア各国でうじゃうじゃ見かけるキジャンは、ホーチミンで大手のビナサンタクシーにも多数使われている。2011~2013年のフェーズ3モデル。
3代目トヨタ・ヴィオス
これまたアジア各国でのベストセラー車。空港でもうじゃうじゃいた。先代モデルは日本名トヨタ・ベルタだ。こっちは2013年~2018年の前期型。
こちらは2018年からの後期型であり現行型だ。前期/後期でフルモデルチェンジかと思うほど激変している。
2代目トヨタ・フォーチュナー
これまたアジア各地で見かける2015年からの現行フォーチュナー。ルックスはかなり良いのだが、つまりハイラックスのSUV版なので、見た目ほど乗り心地は良くない…というのが個人的な印象だ(笑)
ヒュンダイ・グランドi10
まとまりのある雰囲気を持つコンパクトカー。
ヒュンダイ i10はヒュンダイの一番小さいボディを持つコンパクトカーだが、そのi10をベースにインド市場向けにホイールベースを伸ばしたものがグランドi10だ。見た目はほとんど同じだがリアドア・ウィンドウの切り欠きが違う。
キア・モーニング・ピカント
上で記載した2代目ヒュンダイ・i10とベースを共用しているのが、このピカント(TA型)だ。
ピカントは世界市場向けに知られた名前だが、韓国やベトナムではモーニングという名前で販売している。以前スリランカでも見かけた事がある。ハノイの、カフェが並ぶ市街地にて。
ヒュンダイ・グランドi10セダン
上のコンパクトカー i10をベースに、インド市場向けにボディを拡大したものがグランドi10。2014年に登場したセダン版がグランドi10セダンである。インドではヒュンダイ・エクセントという名前だ。アジア市場向けには1.0Lか1.2Lのガソリンエンジンを搭載。
シボレー・スパーク
元々かわいいデザインで有名だった大宇・マティスというコンパクトカーが、大宇のアジア通貨危機による経営破綻の末GM大宇へと社名変更した2002年、シボレーブランドとして再出発させる事になった。マティスも2009年の新型登場の際に大宇版(マティス・クリエイティブ)とシボレー版の二本立てで登場、後に大宇版は終売と、なかなかドラマチックな成り立ちを持っている。
こちらは前期型。
この後期型はグリルがより大きくなっている。
3代目キア・カレンス
1.7Lガソリンで5人/7人乗りのミニバンで、2016年以降の後期(現行)モデル。日本で言うならトヨタ・ウィッシュか。ヒュンダイ・エラントラなどと共通のシャシーを使用している。
北汽昌河 Q7
昌河汽車(Changhe Automobile)は、北汽グループの子会社で昌河铃木として長らくスズキ車を生産していた。そこから徐々に自社ブランド車を増やしていき、2018年にスズキの撤退を受けて合弁を解消。スズキ系の名残として初代ワゴンRワイド(!)ベースの北斗星X5というモデルがある。(余談だが、北斗星X5はなんと今年もマイナーチェンジをして販売中だ。生きた化石!)
Q7はアウディと同じ名前だが、本家Q7と同じように北汽昌河の最高級モデルだ。こんなに大きく見えるボディ(実際にはRAV4くらい)だが、エンジンは1.5Lターボ。価格も230万円と手頃である。
【北汽昌河Q7】最新北汽昌河Q7报价_参数_图片_北汽昌河北汽昌河Q7社区-易车
THACO TOWNER 990
THACOことTruong Hai Auto Corporationはベトナムの自動車会社で、起亜や三菱ふそう、中国の福田(Foton)などとの合弁事業でライセンス車両を生産している。
この990kg積みの小型トラックは、上のQ7と同じ中国、昌河汽車のモデルだ。ベトナムでの中国車のシェアは、他のアジア各国より多めだと思う。こういったところでも中国との結びつきが強いことが伺える。
【昌河 福瑞达 95马力 汽油 单排栏板微卡(CH1021DG21)】车型简介_商车网
ビンファスト ショールーム
2017年に華々しく登場したベトナム初の自動車メーカーであるビンファストのショールームもあった。この店舗は小さめで、もうひとつのウリである電動バイクだけが並べてあった。