The Furious(英題) - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
【本記事は極力ネタバレせず記述していますが、心配な方は映画鑑賞後にご覧ください。】
【今回はいつも以上にネタバレに配慮して、ストーリーやディテールについてはほとんど触れていません。それらについては日本公開後に改めて追記します。】
アジア最新型アクションをドカ盛りで仕上げたシンプルでストレートな大満足作。わかりやすい作り、見やすい画面でしっかりを期待を上回る、素晴らしい快作。


【スタッフ & キャスト】
2025年 香港 113分 IMDb評価:7.9/10
監督:谷垣健治
出演:謝苗(谢苗、シェー・ミャオ)、ジョー・タスリム、楊恩又(杨恩又、ヤン・エンヨウ) 、ヤヤン・ルヒアン、ジージャー・ヤーニン、ブライアン・リー
【あらすじ】
東南アジアの某国。ろう者の職人・王偉【謝苗(シェー・ミャオ)】は突然眼の前で娘【楊恩又(ヤン・エンヨウ) 】を誘拐されてしまう。必死に娘を探す王偉だが、警察はなかなか動こうとしない。そこへ妻の失踪事件を追っていた記者ナビン【ジョー・タスリム】と遭遇。2人は協力し、人口売買組織へと家族の救出に乗り込むのであった。
【感想】
【今回はいつも以上にネタバレに配慮して、ストーリーやディテールについてはほとんど触れていません。それらについては日本公開後に改めて追記します。】
大満足。アジア最新型アクションのドカ盛りをシンプルでストレートに仕上げてある。クリアで見やすい画面。わかりやすい作り。期待を上回る素晴らしい快作だ。
香港版も大満足
2027年の日本公開決定、まずは本当におめでたい。筆者は香港で公開翌週に観ることができた。もう期待以上の仕上がりでお腹いっぱいだ。平日の昼間でも20人以上は入っていた。長年香港アクションを見続けてきたであろうお年寄りが、満足そうに出ていく姿が印象的だった。
映画を観た西九龍Premier Elementsではプロモーションにもかなり力が入っていた。入り口真正面に用意されたディスプレイで予告編を大々的に放映しており、小さな子供が釘付けになっていた。本作は香港でもR18指定の三級片のため、その子は残念ながら観れないのだけれど。

香港で上映されるのは中港版と言えるバージョンだ。幾つかのシーンがカットされ、代わりの追加シーンがある。恐らく日本で公開されるインターナショナル版とは幾つかの相違があるはずだ。実際に見たところ、思い当たる部分が2ヵ所はあった。ネタバレにも配慮しながらひとつだけ言うと、キャスティングにも明記されていたジージャー・ヤーニンは登場しなかった。『チョコレート・ファイター(2008)』みたいな素晴らしいアクションを期待していたのでこれは残念だったが、トータルの完成度は高かったので、この中港版を見ても不満は感じない筈だ。
6カ国のオールスターによる豪華アクション
この映画は、日本、香港、中国、インドネシア、アメリカ、そしてタイ。6ヶ国のアクションスターが集合した満漢全席みたいな顔ぶれだ。
なにせ
- 【日本】『ベイビーわるきゅーれ』園村健介&岩永丞威
- 【香港】『トワイライト・ウォリアーズ』&ドニー・イェン組=谷垣健治
- 【中国】ジェット・リー直系=謝苗(谢苗、シェー・ミャオ)
- 【インドネシア】『ザ・レイド』ジョー・タスリム&ヤヤン・ルヒアン
- 【アメリカ】『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ブライアン・リー
- 【タイ】『チョコレート・ファイター』ジージャー・ヤーニン
という、もう字面だけで震えるような錚々たる面々だ。彼らを組み合わせたアクションって、どんな化学反応が起こるのか想像もつかない。

アクションについて細かく言うのは避けるが、あえて周囲の空いた前方席に座ったこともあり、どんどんテンションが上がって、膝を叩くほど楽しめた。思わず声も出ていたかもしれない。特に鑑賞した回は、ドルビーアトモス装備の爆音環境だったので、打撃音がビシビシと身体に当たってきて、それも最高だった。
とにかく圧倒的だった。これは『ザ・レイド(2011)』以降のアジアアクションが積み重ねてきた格闘の密度。そこへ香港映画が長年培ってきたヒーロー映画の快感が融合している。もう一刻も早くジージャーも揃ったインターナショナル版が見たいし、日本公開が待ち遠しい、期待するに相応しい力作だ。
本作については、日本公開後に詳しいレビューと、「なぜ世界のアクションファンが熱狂したのか」という視点から改めて解説したい。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』香港映画レビュー&解説「九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In (2024)」 - daily diary

【トピック】
予告編
▶ 本国版予告編(クリックで開きます)
www.youtube.com The Furious (2026) Official Trailer - Xie Miao, Joe Taslim
www.youtube.com 【正式預告】《九龍城寨之圍城》谷垣健治X《樹大招風》許學文︱《火遮眼》The Furious 6月12日 打爆全球
現地での公開・興収ランキング・興行収入・日本での公開/配信
◯ 本作は2025年9月6日にトロント映画祭でワールドプレミア。2026年6月10~12日にかけて中国、香港、マカオ、マレーシア、台湾、アメリカなど各国で公開された。
公開初週の興収ランキングで、中国では『トイ・ストーリー5(2026)』などに次ぐ2位、香港では『ディスクロージャー・デイ(2026)』などに次ぐ4位につけた。
興行収入は7月1日前後の情報では中国で2億元(48億円)、香港では770万香港ドル(1.5億円)、アメリカでは623万ドル(10億円)、全世界合計で31.9億ドル(5140億円)に達している。
レーティング
◯ 本作は香港では18歳以上のみ閲覧可の三級片指定、アメリカでもR指定となっている。
監督:谷垣健治
日本人で唯一、香港動作特技演員公會に所属するアクション監督で、1990年代から数多くの香港映画、なかでも『導火線 FLASH POINT(2007)』など甄子丹(ドニー・イェン)の撮影現場でスタントマン / スタント・コーディネーターとして参加、『るろうに剣心(2012)』をはじめとする多くの映画でのアクション監督で高い評価を受けている。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024)』で香港金像奨・アクション監督賞を受賞。甄子丹(ドニー・イェン)の最新監督・主演作『プロセキューター(2024)』ではプロデューサーを務めた。
本作は甄子丹(ドニー・イェン)主演『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION(2020)』以来2作目の大作監督作品となる。

香港映画レビュー&解説「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In」 - daily diary
『プロセキューター』香港映画レビュー&解説 | 甄子丹ドニー・イェンの法廷アクション!「誤判 The Prosecutor (2024)」 - daily diary
アクション監督:園村健介
◯ 園村健介(画像中)は倉田アクションクラブで基礎を学び、ユーデンフレームワークスに加入後、2006年にアクション監督デビューを果たす。
彼の代名詞は、実戦的かつハイスピードな近接格闘術(CQC)の構築で、派手な演出に頼らず、人間の身体能力を極限まで活かしたソリッドで無駄のないスタント演出が高く評価されている。
代表作は『べイビーわるきゅーれ(2021)』シリーズや『陰陽師0(2024)』、吳宇森(ジョン・ウー)監督作『マンハント(2018)』など。また、映画に留まらず『デビルメイクライ4(2008)』など世界的人気ゲームのアクションコーディネートも手掛け、その手腕は多分野に及ぶ。
谷垣健治氏は以前、園村の監督作品『ゴーストキラー(2024)』に絶賛コメントを寄せている。

謝苗(谢苗、シェー・ミャオ)
◯ 1984年生まれだが、既にアクション俳優として30年のキャリアを持つ本格派。9歳の時、既にアクションをする子役として李連杰(ジェット・リー)主演の「新・少林寺伝説(1994)」に出演、翌年も「D&D/完全黙秘(1995)」で彼の子供役を演じて、頭角を現す。この年、既に主演映画「小飛俠 (1995、日本未公開) 」が作られたほか、周潤發(チョウ・ユンファ)主演「ゴッド・ギャンブラー 完結編(1994)」にも出演している。
監督の王晶(ウォン・ジン / バリー・ウォン)は長期契約を用意したが、両親の希望により辞退して学業に専念し、大学も首都体育学院に進学した。卒業後、本格的にアクション俳優としてのキャリアを開始、鮑国安(バオ・グオアン)&黄秋生(アンソニー・ウォン)主演「少林寺传奇 (2007、日本未公開) 」シリーズ、徐克(ツイ・ハーク)監督「タイガー・マウンテン 雪原の死闘(2014)」などに出演。2010年代後半からは「西遊記 孫悟空vs7人の蜘蛛女(2018)」、「少林寺 十八の羅漢(2019)」、「武神(2020)」、「イップ・マン 立志(2021)」などなど、多くの中国製アクション映画で主演を張れる俳優として確立した。
最近では、地方警察官を描いたハイレベルアクション映画『東北警察物語(东北警察故事、2021、日本未公開)』シリーズや、盲目の剣士を演じたアクション時代劇映画「盲剣楼(2022)」が高く評価され、続編「盲剣楼 無明の執行人(2024)」も公開。それ以外にも「捉刀人 (2024、日本未公開) 」など多くのネット配信映画が主演で制作されている。そして今年の春節には東北警察物語シリーズ最新作で伍允龍(フィリップ・ン)をゲストに迎えた良作『东北警察故事3(東北警察物語3、2026、日本未公開)』が劇場公開された。

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ジョー・タスリム
◯ インドネシア出身の国際派アクション俳優。映画界入りする前は柔道のアスリートとして頭角を現し、1997年から2009年まで同国のナショナルチーム代表選手として活躍、東南アジア競技大会でメダルを獲得した本物の格闘家である。
現役引退後の2011年、映画『ザ・レイド(2011)』の主要キャストに大抜擢され、圧倒的な身体能力で世界に衝撃を与えた。その後はハリウッドにも進出し、『ワイルド・スピード EURO MISSION(2013)』や、氷の暗殺者サブ・ゼロを演じた『モータルコンバット(2021)』など大作の悪役を怪演。柔道仕込みの重厚な体幹と、シャープな格闘センスを武器に世界を舞台に活躍している。

ヤヤン・ルヒアン
◯ インドネシア出身のアクション俳優、武術指導者である。幼少期から伝統武術「ペンチャック・シラット」を学び、国軍などの教官を務めた本物の武術家である。
映画『Merantau(2009)』で実写デビューし、『ザ・レイド(2011)』で狂気的な暗殺者マッド・ドッグ役を怪演。圧倒的なスピードと破壊力を持つシラットの技を披露し、世界に衝撃を与えた。その卓越した身体能力からハリウッドにも招聘され、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015)』や『ジョン・ウィック:パラベラム(2019)』といった超大作にも出演している。

ブライアン・リー
◯ アメリカ出身の俳優、アクション振付師である。実兄のアンディ・リーらと結成したYouTubeチーム「Martial Club」での超絶な武術動画が注目され、映画界入りを果たした。『シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021)』などの大作にスタントとして参加後、アカデミー賞7冠の映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022)』でアクション振付と出演を兼任し、世界的に脚光を浴びた。
伝統武術にアクロバットや体操を融合させた、ダイナミックで斬新な格闘スタイルが特徴である。

岩永丞威
◯ 大分県出身の俳優、マーシャルアーティスト。幼少期を米国で過ごし、極真空手で黒帯を取得。さらにダンスやトリッキングを習得し、驚異的な身体能力と確かな武術のバックボーンを併せ持つ。
映画『孤狼の血(2018)』などで頭角を現し、谷垣健治監督『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION(2020)』や『るろうに剣心 最終章 The Final(2021)』に出演。園村健介がアクション監督を務めた『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023)』では、殺し屋アルバイター役として主人公ちさと・まひろと対決した。

楊恩又(杨恩又、ヤン・エンヨウ)
◯ 中国で「天才子役」と称される実力派女優で、2018年にスカウトされ芸能界入り。感動的な良作『星明かりを見上げれば(2022)』での素晴らしい演技で話題となり、中国金鶏奨で史上最年少の9歳で最優秀主演女優賞にノミネートされる快挙を成し遂げた。ドラマ『異人之下 アウトサイダーズ(2023)』やジブリ映画『ハウルの動く城(2004)』中国版でマルクル役の声優、南京大虐殺を描いた『南京照相馆(南京写真館、2025、日本未公開)』でも主要キャストを務めた。
謝苗(谢苗、シェー・ミャオ)主演の時代劇アクション『盲剣楼 無明の執行人(2024)』で、主人公と共に生きようする子役を演じている。

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ジージャー・ヤーニン
◯ タイ出身のアクション女優である。幼少期よりテコンドーを学び、黒帯を取得。インストラクターを務めるほどの卓越した技術を持つ。
巨匠プラッチャヤー・ピンゲーオ監督に見出され、映画『チョコレート・ファイター(2008)』で主演デビュー。自閉症でありながら、驚異的な身体能力で格闘技を瞬時に吸収する少女を演じ、スタントなしの超絶アクションで一躍世界に衝撃を与えた。代表作に『チョコレート・バトラー THE KICK(2011)』などがあり、後にハリウッド大作『トリプル・スレット(2018)』にも出演。
キックの打点の高さと、小柄な体躯からは想像できない破壊力溢れるムエタイアクションで、アジアを代表する闘うヒロインである。

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