この本を読んだ。
たしかに銃というのは、目を引き寄せる。
自分だって、相当にモノに惹かれる質な人間だとは認識していますよ。でもね。
ここまで、モノに狂わされる経験ってのは、無いな。ある種の幸せだ。
モノを持ち出すとどうしたって承認欲求がもたげてくるし、そういう他者の目すら
超えたところでの矜持には、常人にはなおさら辿りつけなくなる。
延々とそのモノの事を考え続け、考えるのも疲れてからの地平みたいなもんか。
彼は、その点で「ただ考えるしかない」環境に置かれる事でそのゾーンにブースト
されたのかもしれない。そこの辺りが描かれてないから、いまイチ入り込めなかった
原因かもしれない。
ちょうど今日、こんなニュースを目にしたところで。
チシタリア202ってのはこれ。
出展: トヨタ博物館|チシタリア 202クーペ / Cisitalia 202 Coupe
とにかく名前は大変によく知られている名車中の名車と言ってよい。その凄さについての詳細はここに。この法外な値段も価値に対して妥当だと思う。にしても、チシタリアを2台…ああ狂わされた人々の世界。
この本であれ、事件であれ、この境地に達するのもある種の「選ばれし者」だけなのだ。