こんな本2冊を読んだ。
ネオ・チャイナ:富、真実、心のよりどころを求める13億人の野望 エヴァン・オズノス
白水社
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在中アメリカ人による、現代中国の言論事情を中心とした移り変わりを描いたノンフィクション…という感じ。父親から借りた。
日本にいても興味があるのはこの「言論の自由」「イデオロギーへの共感」に関する部分だろう。一番不思議。ぐだぐだと冗長気味だけども、そこの部分の彼らの葛藤はよく理解できた。
しかし、彼らの本当の悩みはそこでは無いのではないかとも思う。イデオロギーがどうなろうが自分たちは生きていくし、生活をどうにかできる事のほうが「政府への異議申し立て」より遥かに大切な事。結局は、これも成長の歴史の一断面に過ぎないのではないか。
もう一冊はこれ。
筑摩書房
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「贅沢は敵だ」などのイデオロギーを、戦時下の日本はどうやって民衆に広めたのか、それを民衆はどう受け取ったのか。
面白いと思ったのは、民衆は厭戦感を常に持っており、それも反戦というより「やる気になれない」という事が常に報告されているという部分である。ま、当然至極だわな。また、殆どの人がナチスに嫌悪感を持っており親近感は無く、日本自身をファシズム国家ではなく民主主義国だと理解していたという部分だ。つまり、嫌々ながら結果的にあの凄惨な結果に行き着いた…と。
もう一つ興味深いのは、「平等」が戦争を遂行する上でも大事な役割を持っていた点。これは考えるフックとして大事だと思う。
どちらを読んでいても思うのは、民衆である僕らのありようだ。
結局僕らは怠惰で欲望に溺れ、お上の言う事に気まぐれに聞きながら結局は生きるために自分勝手な判断をしていく。誰かにコントロールされる事はないという感覚。ここにいる僕らと何も変わらないんだ。
「家族のために」と思いながら戦地で死にゆく自分と、ギャンブルに手を出し酒に溺れて死にきれずにやり過ごす日々と。僕らはどちらが幸せで、どちらを選ぶべきなのか。