映画「日本で一番悪い奴ら」を見た。
タマフルでの好評価を見たからだが、
http://www.youtube.com/watch?v=vW1_MiRZJ58
感想は…それ程でもなかったかな…と。
1. 綾野剛、ピエール瀧らの演技がリアリティが無い
逆にYOUNG DAISは良かった。あの軽さがちょうど良く、それはむしろ題材と演出手法が合ってない事を示しているのかも。それとは逆に中村獅童の演技も、重くて良かった。
2. チーム感が薄い
タマフルでの「そこが良い」って部分がいまいち感じなかったかなー。期待しすぎたのかも。楽しそうというシーンより、綾野剛の親分感が出るシーンに見えてしまった。
3. タイム感が速すぎる
先のチーム感の不完全燃焼もこれに原因があるように思えるし、綾野剛がハマっていく感じがやや拙速に感じられ、結局「そんなにも黒社会にどっぷり」な様に見えなかったのが、ちょっと結末への流れに納得しづらい部分に繋がってしまったのかも。
つまり、軽くも重くもなく、どこでバランスを取って見れば良いのか把握しづらかったのが問題だったのかと思う。
題材の稲葉事件を読むと、稲葉氏は捜査用の資金が足りずに密売を行い、それがパンクした、つまりは業務上の流れからの違法行為なようだ。で、僕らも正直警察がこういう事をやっててもさほど驚かない(自分だけ?)。少し自分の常識に不安を覚えるが、映画はここを見せ場として出している時点で違和感が出てしまう。
とても真面目に職務を遂行しつつ、一方で「ご褒美」もそれなりに得る。
頑張ってるんだからこれ位はもらわないと、というバランス。
自分のスケジュールで仕事をし、
仕事として猥雑な時間を過ごし、
より強いプレッシャーをより大きい見返りでバランスしていく仕事のスタイル=ライフスタイル。
それらを見ながら、とても強い罪悪感を感じた。成果を狙うほど周囲/世間と乖離していく可能性は、誰にでも起こり得るし把握しづらくて恐ろしい…
登場人物の誰もがハッピーエンドになっていない。それが現実だ。