ふと思い立ち、富山へひとり旅してきた。
そもそもは、せっかくのGWに"独り者が有意義に過ごす"には…と熊本へボランティアへ行こうかと考えていたのだが、どうも行っても役に立ちそうにない様子で…ならば京都でボランティア、と思ったがそれも時既に遅く…
という事で前日にふと、"そうだ、富山行こう"と相成った。うまい飯=氷見だし、黒部峡谷鉄道に乗るのもいい。行ったこともないし、普通列車乗り継ぎでローカル線的に行けば、道中も楽しそう。
翌日12時。青春18きっぷ的な旅の人となる。
早くも近江今津で乗り継ぎに失敗。1時間も待たないと行けないので、こんなところでだらっと昼飯を食って、田舎感を満喫する。
敦賀で乗り換え、本を読んだり、居眠りしたり、景色を見たりしてたら、福井通過。
でたー!恐怖の象徴、そびえ立つ大仏。加賀温泉駅だ。
昔からこの種の”大仏の違和感”にとてつもなく恐怖を感じる。愛知の布袋大仏とか。これも結構驚いたよ。
バラで売ってるお土産が嬉しい。4つ5つ買った中で良かったのは、これ。ニッキをまぶした皮が美味い。
休憩分を除くと6時間かかって富山に到着!でも道中の満足度が高いのは、心理的な距離感と時間がぴったりだから?旅費の割安感も大きい。
夕食は…当然魚しかないっ!富山駅前の居酒屋に向かう。
これはほうぼうの刺身。適度な歯ごたえ、適度な脂身。
げんげの唐揚げが美味かった。ほろっと口中でほどける、ふわふわした食感とまろみのある味が素敵だ。
なにより鯖の生寿司がまた絶品であった。臭みが無いのに薄味。鯖の味を強く感じ取れる。
翌日からの道中は、結局鉄道祭りになっていった。
朝9時から、積年の思い積もった富山地鉄に乗って宇奈月を目指す。立山連峰が美しい。
これまたローカルな空気が充満した、素敵な路線だ。
今回の目玉、黒部峡谷鉄道。長らく知っていたが乗るなんて思いもしなかった、珍鉄道のひとつ(と言っていいのだろうか)。
ダムを作るために関電が作ったトロッコ列車。今やたくさんのお客さんで賑わう観光列車。
綺麗な列車に室井滋のわかりやすいアナウンスで、美しい風景を1時間以上かけて走っていく。
ほぼ満員のお客さんで、ほんと予約していって良かった。
途中のトンネルの冷気がとてつもなく寒い!入った途端に体感で10℃以上も冷えるので、いかにも特殊な場所に来ている事を実感する。
そんなこんなで別世界、欅平に到着。
帰りの電車を待つ大勢の人で賑わっている。
は~思えば遠くに来たもんだ。
美しい景色も堪能できるのだが、やはりここを作ったドラマを思い出さない訳にはいかない。先ごろ読んだ「高熱隧道」の熱い筆致だ。
teppay-dailydiary.hatenablog.com
道中にて建っていた黒部川第二発電所。昭和11年竣工、大成建設。モダンだけど端正な雰囲気。まるで箱庭みたいな周囲と隔絶した完成形。かっこいい。
欅平駅の真下には第三発電所がある。これこそ高熱隧道の舞台だよ!
この奥に、岩盤温度120℃(!)を水をかぶりながら、300人(!!)以上が死にながら、掘りあげたトンネルが続いているんだ。
黒部峡谷に乗ってから先、延々と別世界感覚が続く。帰りの電車に乗って宇奈月温泉まで帰ってくると「下界」という感覚が強く湧き上がってきた。
この頃の感覚ともまた違って、皆また楽しんでいるのがとっても印象的。