先日読んだ「日本の路地を旅する」を読んで以来、気になっていた食べ物を遂に手に入れた。
近所、元田中あたりで見かけた肉屋。
崇仁でも探して見かけず、元田中も一度行って見つけられなかったので、遂に、という思いとともにやはりあったか、という思いとで感慨深かった。
その食べ物とは「あぶらかす」である。一緒に「ホルモンの煮こごり」も買っている。更にいうと「さいぼし」もあったのだが、2,000円以上もしたので今回はやめといた。
小腸を炒り揚げたものだそうだ。1000円。
店のおっちゃん、おばちゃんも親切に「面倒やけど先にみじん切りにして、冷凍しとき」と教えてくれた。
という事で、言われたとおりみじん切りで冷凍庫へ。
「日本の路地を旅する」ではこうある。備忘録として。
『あぶらかすというのは牛の腸を炒り揚げたもので、さいぼしというのは牛や馬肉の燻製のことだ。いずれも路地でしか食べられてこなかった物なのだが…(中略)…だいたい福岡から北陸までの路地でしか食べられてこなかったし…(中略)…今は差別されないから食べないと話す路地も増えた。逆に南大阪のように、あぶらかすを入れたうどんが郷土料理になってしまった地域もある。(p14)』
『少年時代の味が…(中略)…とすれば、私にとっては、あぶらかすと青菜の煮込みがそれにあたるだろうか。(p16)』
『昔からある路地の食べ物の一つで、他にもミノのすき焼き、内臓のこうごり(煮こごり)などが、現在も路地の食文化として継承されている。(p126)』
『路地にある肉屋にあった牛のさいぼしを求め、それを路地の食堂で温めてもらって食べた。牛のさいぼしはとても堅いので、軽く炙ったり、温めた方がおいしく食べられる。(p141)』
この日買ったホルモンの煮こごりは、つまり上記の「内臓のこうごり」なのであろう。
『関西でしか、手に入りにくい食材「油かす」。丼料理選手権でも大絶賛』テレビメモ
ここではTKO木本が何の注釈もなく油かすを使用しているようだし、上記にも郷土料理として名が知れていると書かれている。下のようにそれを売りにしたうどんチェーンも登場しているようだ。
この日はまた別に肉屋を出町商店街で発見。ラム・マトンを売りにしている店である。そりゃマトンを買ってみるだろ。
うどんだしを作り、あぶらかすを入れてみたもの、
内臓のこうごり、
それにマトンを玉ねぎ、人参と炒め蒸しにしてみたもの。
あぶらかすは、独特の風味がある。結構脂が出るのでこの分量は多すぎたかな。でもかなりの旨味が出る。
内臓のこうごりは、なかなかクセがあるね。生姜や葱でも乗せると合うかもしれん。
マトンは堅くなるのでもっと差をつけて火を入れるほうがいいかな。
この中ではあぶらかすが一番気に入った。色々と用途が思いつくので今後試したい。ちょっと他では出せない旨味がいいな。食肉文化の深淵に触れた思い。
しかし、これだけ肉食べたのは久しぶりだ…うぇっぷ。