日本手話とろう文化―ろう者はストレンジャー 木村 晴美を読んだ。
生活書院
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前回書いた本を探したら府立図書館にあったのだが、こちらの方が面白そうなのでこちらを手に取ったのだ。簡単なエッセイのような体裁で読みやすく、数時間で終わった。
が、中身は特濃。
この方、有名人らしい。NHKの手話ニュースでも出たたそうで、それなら見ていたこともあったのかもしれない。
驚いたことは山ほどあった。けれど、簡単に言うと
異文化
異言語
であることを認める/認めていない現在が変わる必要があるのだ、と。
読んでいても、常に英語の事が頭をよぎる。多くのことは、これが外国人ならば納得できる事が多い。一方ではそれ以上の差があると感じる事もあるけれど、逆に日本的な感覚を感じる部分もあって、とても興味深く、別の国のお話のようですらあった。
・「察する」事を求める聴者のセンス
・「実利」を優先するろう者のセンス
とか典型である。
直感的には、日本手話が何か日本語以外のルーツを持っているからなのか、と思うほどだ。実は、そうでも無いようだが、だとしたら余計にろう者/聴者の社会が断絶していたという事が理解できる。
ろう者の大変さが心から納得できる話ばかり。そして聴者があまりに何も見ていない=理解していない事の深刻さも。
素晴らしい本を読めた。
そして。
本を読みながら調べていたら、NHK手話ニュースのあの人の事を思い出した。
手話ニュース845 ニュース内容よりこの人の素性が気になる: 106viewpoints
一時、手話ニュースがなぜか面白く感じて見ている時があった。10年位前では無かったか。その時に一際目を引いたのがこの人、丸山浩路氏だったんだ。
極太の眉ともみあげ、表情豊かでオーバーなリアクションで「見せる」手話ニュースだった。
この方、既に3年前に亡くなられていたそうだ。
この方のお陰で、あの時あの番組の存在を知った。