昨日からの「山さ行がねが」見てて勢いがつき、ついに行ってしまった。
いや、死んだ。ホンマ。
雨は降っていたが、そんなこんなで雨が上がるのを待った午後1時過ぎに出発。今の気象庁サイトは素晴らしい。分単位の雨情報で充分予測できた。山頂までは以前行った、と思っていたので割合に軽い気持ちでスタート。
まずは上りの入り口にあるこの石碑でワンストップ。
白川石の加工場なども通りぬけ、一気に府県境を目指してひたすら登る。
しかし、前回より体力が落ちたかもしれん。
思っていた以上にキツイ…
さすがの山中越えはとにかく府県境まで一気に高低差300mを登る。
しかし、どうもチャリ乗りにとってはそれ程ハードでも無いそうだ…そうですか…
「ウィークエンドシャッフル」の「藤井隆スペシャルインタビュー」を聴きながら、なんとか北白川温泉まで到着して、何とか8割達成の感触。ここまでは何度か止まるだけでも登ってこれた。まだ時折小雨が降り、湿度が猛烈に高い。汗が吹き出す。
写真を撮ったり、一時の休憩を取るもまだまだ登りは続く。
しかも、この後がむしろキツい。
さらに10分ほど登り、ついに府県境に到達。
旧道には白川の起点もあり、こんな磨崖仏もいる。
ここからは分水嶺も超え、後は滋賀回りの長い帰り道かと考えていた。が…
しかし。
まだまだ登りは続く。しかもどこまでも。あれ?あれれ?もう終わりでは…と思いながらカーブを越えども越えども、まだまだ登る。
この写真もようやく分水嶺かと思い、撮ったものだが、実はこの後5kmほどは優に登る。チャリ乗りの時はスマホの地図が役に立つのだが、それでは等高線は無く、分水嶺まではわからないのだ。先の見えない苦しみほど厳しいものはない。それを痛感した滋賀県側だった。
比叡山ドライブウェイの入り口を越え、ようやく分水嶺に辿り着いた。正直ドライブウェイの写真など撮る気も起こらなかったほどクタクタだった。汗も滝のように流れていた。
そんな分水嶺を越えた瞬間にやってくるのは、果たしてこの眺めである。
素晴らしい。これに出会ってこそ、ここまで登ってきた甲斐があった。
しばらく下ると、かつてドリの名所であった展望台のヘアピンに達する。往時の夢の跡は、もはや無い。
そして、ここからは怒涛の下りである。リアがドラムの我が愚チャリではお決まりのオーバーロード時の悲鳴を鳴り響かせながらひたすら下る。結構なストレートもあり、オーバースピードを心底懸念しながら下っていった。ブレーキ大丈夫か…
そんな下りを10分も続け、少し家並みを認め始めると突如出くわす琵琶湖を眺める絶景である。
この下には高速のような西大津バイパスが轟音を響かせていて、「山さ…」と同じ田舎ワールドから一気に文明社会へと引き戻された。
そう、下界へと戻ってきたのだ。
ここまで戻れば、後は気楽な輪行だ。
大津の町並みを楽しみながら、のんびりと走る。
進行方向に並行して石山坂本線が走っている。狭い車両限界の地方鉄道然としたとても親近感の湧く車両が夕景の三井寺駅を出発する。
浜大津まで来た。
先の京津線を帰ってきた特急色。併用軌道は本当に惹かれる姿だ。いつまでもこの風景が残ればいい。
こちらも併用軌道。でも京津線は似つかわしくない長大な4両編成。これまたありすぎる存在感が場違いでスペシャルな雰囲気だ。
大津を越え、山科へと至る三条通。途中の大谷駅はまたもや山間の地方鉄道感を漂わせる。
小さなホーム、狭い敷地。いかにも峠沿いの雰囲気だ。
曲率の大きなカーブ、線路を軋ませ出発していく。改めて見ているとしっかりと整備された軌道があくまで京阪基準な事を知らしめている。これだけでああ京福電鉄ではないな、とか思ったり(笑
とにかく、この山間の田舎町な雰囲気、本当に大好きだ。
山科まで下ってきて、三条通へ向かうために追分駅の地下通路を下りるとこんな壁画があった。ミニだね。「夏の思い出」という題で地元の子供達が描いたようだ。
結局、4時間半程度の思ったよりこじんまりとした輪行だった。しかし今の自転車ではかなりの大旅行だったと思う。京都市内も色々と走り、これからは違う場所を走る楽しさに目覚めそうな予感を感じた一日だった。
自転車、楽しい。